ポケットの中で、メール受信を知らせる。
授業中、音は鳴らない。
英語教師の日本人独特の発音を聞きながら携帯を開いた。
送信者の名前は
【志賀 朋之】
送られたメールにはただ一言、


『昼休み、空手部部室』


たったそれだけの内容。
場所を指定しているだけで、来いとは書いていない。
目を眇めて、誰が行くもんか・・・・
そう思っても、
身体は授業が終わるとすぐに教室を出ている。

行きたくない行きたくないっ!

そう足を引きとめようと思っても、
思うように動いてくれない。
この身体は本人の意思よりも呼び出した相手を何よりも優先し従順に動く。
あんな・・・・あんな酷いことをされたのに、
踏みにじられたプライド、
粉々にされた理性、
滅茶苦茶にされた身体、
躾けられた本能、

俺は、
男に強姦された、
呼び出した相手である【志賀 朋之】に、





















恋愛致死量













目の前には部室のドア、
開けて一歩踏み込めば中の人物の縄張り、
待ち受けてるのは、
快感と屈辱の時間
ココで漸く身体は本人の意思を聴くことにしたのか、
ドアノブに手を伸ばさない。
立ち尽くすように、
じっと息を殺して中の様子を伺う。
ドア越しでも感じる圧倒的な存在。
入りたくない・・・・
そう思った瞬間、
手はドアを引いていた。

キィ・・・・・

「遅かったな?」
「・・・・・・・」
「突っ立ってないで入って来い。」

ロッカーに囲まれた真ん中に鎮座するソファーに深く身を沈めて、
不敵に笑って手が差し出された。
相手は座っているので俺を見上げている形なのに態度と雰囲気は見下ろされている。
差し出された手を取ると難なく腕を引かれて志賀の膝の上に座らされ来たばかりだと言うのに、
ネクタイを引き抜かれてセーターを脱がされる。
ふとそこで手を離して、

「ボタンは自分で外せ」

ニヤニヤと笑みを浮かべながら背もたれに背をつける。

「・・・・っ・・・・」
「できるだろう、それくらい?」
「い・・・やだ・・・・・」
「・・・・・やれ」

否定の言葉を呟くけれど、
命令口調で言われると手は勝手にボタンを外していく。
あらわになった肌に手を差し込まれて撫で回される。ただ撫でるのではなく
、ゆっくりと触れるか触れないかの間隔でだ。
嫌悪ではない振るえが走る。
ここ一週間の行為だけで、
身体は快感を追うことを覚えた。
いや、覚えたと言うよりは覚えさせられ躾けられた言ったほうが正しい。
志賀の思うように反応を示すように。
今も、ただわき腹を撫でられているだけなのに胸の突起は触れてくれと主張するかのように硬く尖る。

「黒田・・・ドコを触って欲しい?」

身体を起こして首筋に口付けられる。そのまま押し付けた状態で、
上へと移動し耳にキスされる。
この行為で分かった俺の弱点。
たった触れるだけのキスなのに身体は異常なくらいに跳ねて快感を示す。

「言えないなら行動で示してみろ。」

楽しそうな呟きとともに志賀の手を握らされる。
言わなければこのまま。
行動を示さなければ快感は静まらない。

「どこ触って欲しい?」
「ふっ・・・・・・ぁ・・・・・」

ペロリと耳朶を舐め上げられる。
歯を立てられ理性をどこかへと追いやられた。
表に姿を見せたのは、
快感と志賀に従順な本能。

「触って・・・・・ココに・・・・触って・・・・っ」

志賀の手を胸に当て、キスを強請るように唇を押し付けた。
望まれたことより、更なる要求。
満足したかのように乱暴に眼鏡を取り上げられ口付けられながら、
胸に置いた手を下のベルトのバックルを外しにかかる。
くちゅくちゅとなる深い口づけを受けながら腰を浮かして脱がしやすいように動く。
太ももまで下ろされたズボンと下着。
曝け出された自身は、
乱暴なキスと触れるだけの肌への愛撫だけで立ち上がりかけている。

「んぅ・・・・んっん・・・・・あぁっ・・・・早くっ・・・・!」
「急かすな・・・・やってるだろう?」
「してないっ・・・・・早く!」

収まらない欲求。
止まらない振るえ。
求めて止まない志賀の愛撫。
身体と本能は早く早くと行為を急かす。
理性と頭は悲鳴を上げる。




やめろっ!!




「してっ・・・・先輩もっとして・・・!」
「してやるよ・・・・お前が音を上げるまでな・・・・・」

身体の奥に指を突きたてながら前を強く擦る。
ぐちゅぐちゅと音がする。
耳に届くその音に身体はびくっと震え更なる快感が生まれた。

「ああぁっあぁ・・・・・・あっあ・・・・・ん!!」

仰け反って本能は声を出して悲鳴を上げる。
喉に噛み付かれても痛みよりも快感を感じ、絶頂を即される。
奥へ奥へと突きたてられていた指が引き抜かれて、
それ以上のモノが一気に中へと埋め込まれていく。

「ひっ・・・・・・あぁぁぁあっ・・・・・・・・!!」
「っく・・・・・力抜けっ・・・・締め過ぎだバカっ・・・」
「できなっ・・・・・あぁ!」

ギチギチになって本来受け入れる場所でないところは中のモノを引き千切るように締め付ける。
腰を両手で押さえ込まれて逃げることも引くこともできない。
急激な間隔に前は萎えて、
快感も去っていく。
涙は零れ、
痛さに身体は震えた。

「ぬいっ・・・・て!だめっ・・・・・抜いてぇっ・・・・!」
「無理」
「いやっだ・・・・・ぁあ!!」

肌蹴て露になっている志賀の胸に手を付いて離れようとするが力の差で抱き込まれてそのまま注挿が開始される。
上下に揺り動かされていつの間にか痛みが快感に摩り替わって、
拒むために手を突いていた手が胸から硬い腹に置かれて、
動きを助けるように身体を浮かしたりするために力を入れる。

「あっぁっ・・・あぁぁっん・・・・!!」
「好くなってきた・・・・?」
「いっぃ・・・!!」

ガンガンと打ちつけられる腰。
過ぎた快感を逃すように頭を振る。
目眩がするほどの勢いでドンドン上り詰めていく。

「イけっ」

その言葉が言い終わると同時に頭がスパークして、
意識がストンとどこかに落ちた。










毎日繰り返される行為
殺したいほど憎いと思ってる相手に犯される自分
けれど行動に起こせない
いつの間にか流されて、
抱かれて、
意識がなくなる
終わりにしたいのに、
本当に終わるのを怖がる身体、
矛盾する考えを途切れていく思考の中に思う
知らない感情を理性が押さえ込んで、
考えまいとさせる






コレは何?