目の前が真っ暗になって

足元が崩れて

立ってるのもやっと

震える足に

無理やり力を入れて



考える



どうしよう・・・・・・



どうしようっ



どうして?





な・・・んで・・・・























何でだか、不思議なメンバー
ちょっと異様
てか、凄い異様
むしろこの場所にいたくない
心からの声で本音です

逃げても良い?

「駄目」
「まだ、口に出してないけど」
「心の内が読めますよ、黒田君。」
「以心伝心だね、久保田君。」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

お互いににっこり笑い合う
けど周りの空気は変わらない
俺たちだけ、内心冷や汗をかいている
何が異様って?
ココは生徒会室だ。
目の前にはニコニコ笑う生徒会長様と
久保田に噛り付いている副会長様と
暢気に紅茶を啜る書記だとか、
高校空手界の王者とか・・・・
何でこんなメンバーに俺!?
意味分かんない!

「そう言えば、志賀・・・・」
「あ?」
「届出があったぞ」

そう言って仁科先輩が放ってよこしたのは、黒い携帯

「やっぱり・・・どこにあった?」
「さぁ?ただ落し物箱に入ってた」
「ふ〜ん・・・」

さして気にも留めないで、カチカチと携帯をイジルその指を見る
力勝負の人なのに意外に細い指に気がついた
デカイけど
そんな俺に気付いたのか、
携帯から目を離さずに

「・・・・・・何だ?」
「いぇ・・・意外に指細いんですね」
「そうか?」
「そうですよ、力勝負の人なのに。」

もう一度そうか〜?
と声を出して自分の指を見ている志賀の行動に苦笑がもれる。
そんな俺たちのやり取りの横で、

「和泉君の指も細〜い!」
「先輩ほどではないです・・・・」
「そう?・・・・いや、俺と変わんないよ?」
「なわけナイでしょう・・・・身長差どれくらいだと思ってるんですか?」
「いやいやいやっ関係ナイものだよ!」

甘いな〜とか言って、おもむろに久保田の手を掴んで合わせる。
しっかり合わせてみると・・・・・

「・・・・・・」
「ほら〜!同じじゃ〜ん!」
「見間違いです。」
「てか、手首細っ!」
「・・・・・」
「色も俺と変わんなくない!?」
「・・・・・蛍光灯の下だからです・・・・」
「うちの蛍光灯、ちなみに暖色系だから。」
「・・・・・・」

白い白い〜とか笑って騒ぐ早瀬先輩に続くように仁科先輩にこやかに言ってくれる。
無表情の久保田の一瞬にビキンと何かが凍った気がした・・・・
ブチ切れ10秒前って所だろうか?
そんな事を暢気に思っていると・・・・

「そんな細腕でも俺より力あるん―――」

ホントに何の意味もなくそんな言葉を付いた志賀先輩の声が一瞬途切れ、
ふわりと何か風のようなものが目の前を通った・・・気がした

「・・・・・ん??」
「・・・・・・・・(汗)」
「・・・・・・・何か言いました、志賀先輩?」
「・・・・いや、何も・・・・・」

数日前に見たような、深い笑みの中に見え隠れする地獄の怒りを髣髴させる久保田がいた。
何だ?
何だ今の?
目をぱちくりさせている早瀬先輩がソファーの下に転がっている。
仁科先輩も一瞬の出来事に珍しく笑顔を崩してきょとんとしている。
ただ一人・・・・蓮水先輩だけが、
小さく笑って・・・・
でも、何事もなかったようにまた紅茶を啜りだしていた。

「・・・・・何してんの円?」
「・・・・・さぁ?」
「手、貸します?」
「あんがと・・・・てか、何で俺転んでんの?」
「滑ったんじゃないですか?」

早瀬先輩を助け起こしながらしれっと答える久保田。
隣に座る志賀先輩を窺い見れば、
何気に視線を逸らされた。
隠してる・・・・
何か隠しているぞ。
むくむくっと自分の中に生まれた何か。
凄く気分の良いものではない。

「先輩・・・・・」
「スマン・・・俺に何も聞かないでくれ・・・・」
「・・・・・・はぁ・・・・・」

小さく息を吐いて、
折角淹れてくれた紅茶に手を伸ばした。
同時にズボンのポケットに入れていた携帯が短く振動する。
メール?
何だろうと思って、携帯を開く。
見たこともないようなアドレスに眉間がよる



内容を開いてみれば・・・・



指先が凍った




【お前の秘密を知っている】






そんな言葉と共に自分の顔と滋賀の背中が写った写真が添付されていた。
あの時の、
図書室での行為の・・・・・