■ 年末年始だぞ、双頭会全員集合!









宮の誘いに、
ついて行く事にした

「その後、背中の方が痛むか?」
「いえ、最初の頃は痛いと言うか痛痒いのがありましたけど、もう全然です」
「そうか、薬とか一応渡してあったけど塗ったんだろ」
「・・・・・・えぇ・・・・まぁ」

宮の何気ない言葉に、
嫌なことを思い出してしまった

「どうした?」
「いえ・・・・別に」

そんなことを気にしなくていいのだ
むしろ気にしてくれるな!
しかし俺の願いは虚しく

「もしかして、背中じゃなくて他の所も塗ったりされたとか?」

にやにやと何かを悟ったらしい変な笑みを俺に向けながら、
そんな事を言ってきた
くそ・・・・!
感の鋭いやつめ!!

「気になってたんだけど、お前らってどうなのよ?」
「・・・・どうって何がですか?」

軽く視線をずらして返せば、
その俺の顔を覗きこむように視線を合わせてきた
もうバカみたいな嫌らしい笑みを乗せて

「どうって聞くのは一つだろ?」
「さぁ俺にはさっぱり分かりません」
「ふ〜〜ん・・・・じゃー気になったこと聞くけど」

にやにやといつまでも笑みを絶やさず聞いてくる、
このまま歩いてくれる気は無いみたいで

「お前らってどっちなの?」
「は?どっち?」
「そーどっち?」

どっちって、何?
顔を顰めながらそう聞き返せば

「だから、お前が上なの?それとも下なの?」
「俺が・・・・上?」

下?
下って何が?
上って何の?
指を指されたその指先をより目になりながら見詰め、
言われた言葉を考える

「意味、分かってるか?」
「いや、全然」

いつまでも答えない俺にまたも問いかけてくるので
正直に答えると、
何だか不思議なものを見たような表情を一瞬だけ風女の顔に通り過ぎた
そして、

「って事はまだ・・・・なんか、」
「まだって・・・・何がだ?」
「っへ〜〜あの人、結構億手なのか?」
「だから、何が!?」

何かを納得して、
けれどんなワケないか、とまたも納得を否定して頷いて
そして何がオカシイのか笑い始める

「ぶっふ・・・・っくっくっく!」
「ちょっと・・・・何が可笑しいんだよ!?」
「いやっもーーコレをオカシイと言わずに何を笑えって言うんだよ!?」
「俺は何がオカシイのか分からねーよ!」

腹を抱えて笑う宮、
本当に何が可笑しくて何が笑う要素が先ほどの会話にあったのか
全然まったくもって分からない

「スゲーなアンタ!」
「はぁ!?」
「マジでスゲーよ!」

充分に笑い気が済んだのか、
目の端に浮かんだ涙を拭って
そんな事を言ってくる

「アンタあれの色香に騙されて突っ込んでねーんだ」
「い、色香・・・・・!?てか突っ込む!?」

色香って・・・・あの人って・・・!?
しかも突っ込むって何に何を!?

「スゲーな・・・・こんなん初めて聞いたよ、」
「・・・・・・」
「この世の中にあれと一緒にいてその気にならなかったヤツなんてさ」
「・・・・何の話しをしてるんですか、さっきから」

何度もスゲーと言う言葉を繰り返して
俺を奇異なものでも見るみたいな表情で見て
挙句には軽く拍手だ
本当に意味が分からなかった

「西園といてだな、欲情していないアンタが凄いって言ってんの」
「よ、くじょ!?」
「そー有名だぞ?西園はなそっち方面でも」
「・・・・・・・」
「鉄壁だなお前の理性、尊敬するわ」

鉄壁とか理性とか尊敬って・・・・・
実際に思い当たる節が色々とあり過ぎて言葉が無かった
斉藤さんにも菅によく言われた
そりゃ〜
何だかぐらぐらと来ることもあった
けど我慢できないものではなかった

「西園はな〜無意識に・・・・いや、もしかしたら意識的に周りを煽ってるからな〜」
「・・・・そう、ですか」
「それを一身に受けてるアンタは崩れていないのが、凄いよ」

あはははは!と声高く笑って、
背を向けて歩き出す宮
軽く意識を飛ばしながら後に続いて、
近くの戸を開けたのに続いた








+++++++++++++++++++++++++++++++

あ、
誰も絡ませずにしてしまった・・・・!!