■ ページを開けば夢の国 ■













いや〜・・・・何て言うのかな〜〜〜
昨日までいた所も、スッゲーでっかくてゴージャスな感じしたけど・・・・・
ここほどじゃないね・・・・・

「ベル●イユみたいだ・・・・」

いや、あそこまで成金趣味丸出しっぽくないけど・・・
キンキンキラキラはしてないけど、装飾と言う装飾が細かいこと細かいこと!!
遠くで見ても壮観さは凄かったが、近くでその細部を見てみると・・・・
なんつーかまーー・・・・・

「圧倒」
「おい、口開けて上見てっとバカ面に拍車がかかるぞ」
「アナタの嫌味には負けましてよ?」
「バカ面よりはマシでしてよ?」

ニコっと笑えばニコッと笑い返される。
その間には火花が散っている・・・・見えはしないけど。
この方とは仲良くはなれないね!
なりたくもないけど。

「エド・・・・それくらいにしておけ。」
「・・・・・じゃ、俺は向こうに行ってる何かあったら呼んでくれ。」
「あぁ・・・・アリス、おいで。」
「に〜〜っす!」
「陛下、私も。」
「分かった。」

エドに続いてニトも軽く頭を下げて別の角を曲がって行く。
てか、どんだけ広いんだこの廊下!!
ずーーーーーーーっと奥の奥まで廊下が続いていて突き当りが見えない。

「全長何メートルだよ・・・おい」
「ん?」
「いや、独り言です。」

呆れと感嘆の呟きを耳に留めてリズが振り返る。
それに首を振って返し、差し出された手を握って歩き出した。
長い長い廊下を歩いていくと、それなりに人とすれちがう。
もう映画とかお伽話しの中に出てくるようなメイドさんがその度に軽く頭を下げて行く。
黒や紺のワンピースに白いレースのエプロンドレス。
超可愛い・・・・憧れますな〜男じゃなくても!
いや、今現在は男なので男心をくすぐるロマンだわんvv

「きゃわ〜vv」
「アリス・・・・・・・」
「こりゃ失敬。」

思わず鼻の下を伸ばして見ていれば、呆れたようなリズの声。

「着たいな〜」
「・・・・・・」
「女の子の憧れだよな〜vv」
「男の子だろう?」
「今はね。たった2、3日で女の子の感覚を忘れられませんよ〜!」
「・・・・・・・・・」

すれ違うたびに目で追っていると・・・・何やら黙り込んでいた、リズが

「着るか?」
「え?」
「いや・・・・そんなに着たいと言うなら・・・・・」
「ぜひとも★」
「そうか・・・・・・」

いえ〜〜〜い!!メイドさんコスだぜ!!
そんな浮かれ気分に浸っていたせいか・・・・・とある呟きが聞こえなかった。



「メーーーープレ・・・・か・・・・・」





連れて来られたのは、一際重厚なドア。
今まで通って来た道すがら見たドアとは違っている。
両脇には見張りみたいな人が立っている。
リズがドアに近づくと深々と頭を下げて離れて行く。

「・・・・ココは?」
「私の寝室のようなものかな。」
「ふ〜ん・・・・・・・てか広っ!!」

見かけの重厚さとはかけ離れた感じに軽く押すとドアが開く。
開けたソコに広がるのは部屋と言うか・・・・・1つのマンションのリビングがそこにあった感じ。
ただアタシ・・・・じゃなかった僕の住んでいた現代にはない装飾品で彩られている。
言葉が足りないので、こういう感じでしか説明できない自分に30点の減点。

「リズの部屋・・・・」
「色々と慣れるまではアリスもここにいるといい。」
「・・・・・・マジで!?」
「いや、部屋が欲しかったら言ってくれれば用意するよ。」
「いい!いいよココで!!ホントはね〜あっちにいるときあんまり眠れなかったんだ。」

枕がかわると眠れなくなるとよく言われる現象ではなく。
知らない世界
知らない土地
知らない部屋
アタシを知る人などいない場所
そう思うと心細くて仕方なかった。
頭からシーツをかぶって大きくて柔らかい枕を抱いて月を見上げていた。

「アリス・・・・・」
「でもリズが居てくれるなら眠れるかも!」

かばちょっと腰に腕を回してリズに笑いかけると、痛みを堪えるような顔で見下ろしてくる。
髪を撫でられて、頬も撫でられる。
今まで襲ってこなかった眠気が今になって顔をのぞかせる。

「眠い・・・・・」
「寝て良いよ」

力の抜け始めた身体を抱き上げられて、柔らかい何かに降ろされた。
ぼやける視界と意識の中で額に触れた何かと、

「オヤスミ・・・・・」

と言う声、





起きたら

色々

教えてね





今は
眠いから




おやすみなさい