□ 流れ星の冒険
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アタシがこの世界に訪れて数日が経った。
その間に、必要最低限度?ってか、取り敢えず知っておけば苦労しないだろう人物を2人紹介された。
一人はエドガー・ライセル。
リズ曰く、右腕宰相悪友・・・・・・だそうである。
見るからに根性悪そうってか苛めるの大好き〜みたいな感じに笑う人。
いや、速攻でイジられて正直嫌いになりました!!
目下ライバル。いつかぎゃふんと言わせたい人NO.1!!
で、もう一人はニトリアス・イエガー=デライト。
何でもリズの甥っ子らしい。
もうエド
-ってのはエドガーの愛称ね-
とは正反対な感じ。優しく笑ってくれるけど・・・・どことなく洲先輩と同じニオイを醸し出す。
アタシの世話役?と言うかお目付け役というか教育係?・・・・そんなお仕事を任されたみたいです。
そんな2人とアタシとリズで、変な乗り物に乗って移動中。
そして夜。
何で夜に移動なのだろうか?
いや星が綺麗で良いんですけどね。
で、乗り物ですが・・・・見た目、中世ヨーロッパにありがちな馬車のようだけどその馬車を引いているのは馬ではない・・・・
てか、なんもいない・・・・!!
カラカラと回り続ける車輪しかこの乗り物を動かしていない。
自動車なのか?とか思っても独特のエンジン音も聞こえずハンドルすらない。
さっき何とかかんとかとニト
-ニトリアスの愛称-
に懇々と説明されたけど・・・・右から左を通り抜けていくほど、意味分からんちんでした。
取り敢えず、魔法って事で片付けておいた。
そんな感じ。
魔法だか何だかある世界のようですし?
え?それにしては落ちつきすぎだって?
いや〜だって・・・ねぇ?
もう地球じゃないトコ来ちゃったらそれも有かな?
とか脳が現実逃避・・・・てか、処理したみたい。
処理したって言うか放棄に近いけど。
ま、そんな感じ。
だから、もう何がきても驚きませんから!!
「アタシって順応性高くな〜〜い??」
そんな独り言を嫌味な感じで、
「と言うより、単純なんどだろうが。」
「アンタ綺麗な顔しくさって失礼でしてよ?」
「こりゃ失敬。」
ニコっと嘘笑いを向けられて、負けずとニコッと嘘笑いを返す。
負けませんから!
「と言うかアリス・・・・・先ほどから気になっていたのだが・・・・」
「何ざんしょ??」
「・・・・自分の一人称【アタシ】なのか?」
つま先から顔を順に見やって、会った時からの疑問だったようにリズがそう言った。
それに、ニトも頷く。
「私も思いました、アリス様は・・・・・その【男】と分類されるものではないのですか?」
「ってか、カマ?カマキャラ??」
遠慮がちに言うのに対して、エドの失礼極まりない言葉。
カマですと!?
せめてお姉キャラとか言って欲しかったんですけど!!
断じてカマでもお姉キャラでもございませんがね!!
てか様付けって微妙に照れる・・・・けど、何度言っても直してくんないニト・・・・何故に!?
「だってアタシ、ココに来る数日前までは女の子でしたから!!」
「・・・・絶壁だぜ?」
「ソコっ絶壁とか言わない!!」
人の指差して絶壁×2と繰り返す。
ホンキ殴っても良いだろうか?
殺意が湧く・・・・が、それをどうにかして押さえ込む。
アタシって大人じゃ〜〜ん!
「【女の子】・・・ですか??」
「そうですよ〜〜ん!」
「でも今はその・・・・・何だ・・・・」
「無いじゃん、女なら有るべき物が・・・・てか女でも無さそうに見えるな・・・・無かったろ?」
エドの言葉は軽く無視して、ニトとリズに頷く。
ぜってーいつか泣かす!!
心に固く誓いながら!!
「うん、無くなった。こっちに来てから男になっちゃったみたい・・・・・」
そして、とあるモノが付いてしまいましたけどね?
あの時は見間違いだろうかと、半信半疑でしたがここ数日の風呂とトイレで確信と信じざる得なくなっちまいました・・・・・!!
見ちゃった!
自分の身体の一部だけど!
でも見慣れないよ!
お嫁にいけない!!
てか貰う立場になっちゃったじゃんかよぅ!!
立ってするトイレに早くも慣れ始めた自分に乾杯・・・・・・けど、拍手はしないで!!
「・・・・・・そう、ですか。」
「そんな事あるのか・・・・・?」
「いえ・・・そんな話し聞いたことありません・・・」
「第一よ、異世界からの住人ってのも聞いたこと無いだろうが。」
それもそうだ。
話しを聞くも何もあったモンじゃない。
異世界の存在すら、今アタシが来た事によって知るのだから。
アタシだってそうなわけだし?
科学文明に生きたアタシの世界と、異文明のこの世界。
さして変わりはないだろうけれど、歩んできた歴史は違う。
大まかな話しを聞いて思ったことである。
理解するまでにちょいと時間がかかったけどね、アタシって理解力って言うか学習能力皆無に近いね・・・・反省。
「やっぱ・・・・このナリで【アタシ】は微妙・・・・??」
「いや・・・・・ソレほどおかしいわけではないが・・・・」
ま、くそエドが言うだけあってオカマさんとお姉キャラもいるんでしょうけど?
でも、濁らす辺り認められてはいても、それなりに異端されてしまうのかもしれない。
「んーーーー・・・・じゃ〜これから直してく!」
「無理しなくてもいいんだぞ?」
「し〜〜ないよ〜〜!!」
にへらって笑って、眉根を寄らせるリズに心配ないという意味を込めて笑いかける。
そんなアタシ・・・・じゃなかった、俺?
てか、俺じゃ〜・・・なんかね〜・・・・ここは一先ず僕にしておこう!!
僕の身体を軽々と抱き上げて、膝に座らされた。
「僕は心配ないよ!何かソレも味があって良さそうだし?」
「・・・・そうか・・・・」
「そう!」
これから星のように色々な常識を渡って、この世界を知る。
流れるようなその中で、冒険のように楽しめばいいじゃないか!!
次々と渡り歩いて
見て
知って
何かを得る
辛いとは思わないだろう
隣には
理解してくれる人がいる!
いざ行かん!!
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