あ〜〜〜〜〜ら不思議・・・・・・
次に目を覚ましたら、言葉が理解できちゃった〜
お外で聞こえる話し声が理解できています。
先ほどまで何が何だか分からなかった声は、外で何かしらの演習中のようである。
掛け声と指示が飛び交っています。
「ってアリですかソレ!?」
やっぱり突っ込み待ち。
しかし、誰も相手にはしてくれない・・・・・
寂しい・・・・・ぐすん・・・・・
一人寂しくベッドの真ん中で体育座りをしながらのの字を書く。
で、漸く物寂しい理由に気付いた。
「そういえば洲先輩!?天ちゃんせんぱ〜〜〜〜〜い!どこ〜〜〜!!?」
遅らせながら気付けば、どうにも出来ない状況。
見知らぬ場所で自分もましてや探し人を知る人などいるわけもない、そんな状況で焦る。
どうしようどうしようと、素で慌てていると豪奢で重たそうな扉が開かれた。
ドアにまで金かけて何になるんだろう?
そんなピンチな状況でも突っ込みを忘れない自分が凄いと思う反面、馬鹿にしか思えない・・・・・
「あぁ・・・・やっと目を覚ましたな?」
そう口にしながら入って来たのは、先ほど意味の分からない言葉で話しかけてきたゴージャス系の美形さんだ。
アッシュ系ブロンドと言うべき色なのか、
くすんだようなでも艶のある肩まで垂れ下がった長い金髪と角度によって灰色のような菫色のような変わった色合いの綺麗な瞳。
小さい自分からでも相当見上げる位置にある顔からするに、ずば抜けた長身ではあるようだ。
総合判断して、スチール・ショウをこなすモデルさんも裸足で逃げ出すような感じ。
そんなモデルさん見てみたい・・・・じゃなかった、超キレイ!
「おぉ〜さっきも思ったけど、マジモンの美人さんだ〜」
感心してそう口にすると、美人さんは目をぱちくりとしばかせた後に苦笑をもらす。
そんな顔もお美しい。
それに限る顔だ!
「言葉・・・・・分かるんだな?」
「みたいでありますね〜」
「やっぱり・・・・さっきの効いたのか・・・・」
「そうじゃないっすかね〜目の中から星を飛ばすというお初な経験しましたし?」
痛かったので、八つ当たり気味に美人さんに嫌味を言う。
迷惑千万だが、痛かったので了承で願おうではないか!
自分偉そうでスンマセン。
ってか、心の中で謝ったって意味ないし〜
「で・・・・一応、俺は誉められてるのかな?」
「誉める意外に何と口にすればいいんですかね?」
「・・・・・そうか。」
「そうです。」
キレイキレイと素直に口にする自分が余程珍しいのだろう、
誉め慣れられてる筈なのに『そうでもないと思う』そう謙遜を口にする。
「ところで・・・・君の名はなんて言うんだ?」
「あ〜・・・・自己紹介遅れました。相神有梨須と申します。」
「さ・・・・??」
「言い辛いっすかね、やっぱ外人さん(?)には日本人の名前って・・・・・えっと、有梨須で良いです。」
「アリス・・・・・・やはり君は・・・・」
アタシの名前を繰り返し呟いたかと思うと、美人さんはそうかそうかと一人納得して頷く。
意味分かりません。
ところで美人さんの名前は何と言うのだろう?
目線でそう問いかけると、
「私はリージェイド・・・・リズで良い。」
「リズ?」
「そうだ、アリス。」
小さな子供が始めて言葉を口にしたことを誉めるように良い子良い子と頭を撫でられる。
子供扱いに余り好い気になるはずがないのに、美人さんもといリズにそうされるとそんな感情は起きず素直にされるがままになった。
不思議だね〜
やっぱ美人だからかな?
変なことを理由に納得しながら、ニコニコ笑うリズにつられてアタシも意味もなく笑い返す。
おっと!
笑ってる場合jじゃないや!
「あのねリズ!アタシの他にもう2人男の人はいなかった!?」
「男?・・・・・・いや、見なかったが?」
「ウソっ・・・・・どうしよう、ドコではぐれちゃったんだろう・・・・!!」
やっぱあの時巻き込んだのがいけなかったか!?
それとも空中逆さま胡坐がいけなかったか!?
いや、あんな状況じゃなきゃ出来ない事もある!
むしろやっといて良かった!
いや、そーーじゃなくって!
「アリスが倒れていた場所にはいなかったよ。」
「そんな〜」
「それに、この城内、もしくは城下でも不審人物は見られていない、報告もないからな。」
「うえ〜・・・・!天ちゃん先輩・・・・ついでに洲先輩・・・・」
いや、ついでとか言ったらこめかみ両拳でグリグリされそうだ!
前言撤回したいが、一度出てしまった言葉は戻らない!
いないから良いじゃないか?と思いのソコのアナタ(誰)!!
洲先輩の感の良さと地獄のサタン様もビックリなデビルなイヤ〜の持ち主でっせ!
「超こわっ!!」
「・・・・??」
「おっと、失礼・・・・・てか気になったんですけれどココって一体ドコでしょうか?」
肝心要の事を効き忘れていた。
まぁ・・・聞かなくても?大方の予想は付くんですがね?
アレでしょう?
言葉が人間語って言うか、地球語?では聞いたこともないような語源のようですし?
はっきり言って聞くのも何でしたが、
ココは一先ず一応の事実確認をしてから驚きの声を上げたいな〜とアタクシめは思うのですよ。
分かるかな〜この微妙加減。
「ココか?・・・ココはシェーター大陸首都デライトだ。」
「やっぱり・・・・」
いや、叫ぼうと思ったのですが・・・・先ほどの焦りでそこまでの気力が生まれてこなかった。
自分に対して10点減点。
「アリスはどこから来たんだ?」
「ココじゃないどっか。どうやって来たかは謎・・・なぜなら変な黒い所から落っこちて気付いたらこんな感じ。」
「そうか・・・・帰れる方法は・・・と、聞くのが可笑しいようだな。」
「聞かれても答えらんないよ、どうやって来たのかも知らないし・・・それに、あの2人も一緒じゃないと嫌だし!」
「・・・・・その2人は、そんなに大切か?」
どこか気に入らない、みたいのニュアンスを含ませてリズが聞いてくる。
「え?大切かって・・・いや〜そりゃ世話になりまくってる先輩ですから?」
「・・・・・・」
「むしろ置いて帰ったとかなったら・・・・末代まで祟られそうですし!」
こわ!!
洲先輩ならやりかねる!!
「それは・・・・お前の恋人か何かなのか・・・・・??」
「・・・・・・・・・・・・」
はっ!?
「ここここっここここ恋人!?って誰が!?誰の誰が恋人!?」
「そんなに心配なんだろう?」
「いやいやいやいやいやっ!」
って、落ちつけ自分!
噛み損なってる!!
「てか、洲先輩!?天ちゃん先輩の事言ってんのですかいな!?」
「・・・名は知らないが・・・・探している人物の名がそうなら、そいつらのことだ。」
痛っ!!
マジ痛いです!
勘違いにも甚だしい事ありゃしませんぜ!?
ってかマジ勘弁してください!!
「ち〜が〜い〜ますよ〜〜っ!!そんなんじゃないです!寧ろ勘弁してほしいです!」
「・・・・・違うのか?」
「全然まったくもって違います!って言うか洲先輩はどっちかって言うと、口煩いお母さんイメージ!天ちゃん先輩は過保護なお兄ちゃんイメージですから!」
ってか恋愛スコープで見たことありませんから!
恋愛スコープ・・・自分ウマイこと言うな〜20点獲得!
「お母さん・・・・・?」
「そう!もーーーマジで躾けに厳しいスルパタ・・・じゃなかった、スパルタ・ママですから!」
どんだけ毎日毎日とお小言貰ってるか!
お返ししたいくらいですから!
もうアタクシの脳には入りきれないですから!!
「そう・・・なのか・・・」
「そうです!」
やっと納得いったのか、リズが苦笑の中に嬉しそうな笑みを浮かべたのが分かった。
ご理解いただけてアタクシも嬉しいでありますよ!
そんな事、もう一生言わないで貰いたいくらいですけど!
「あぁ・・・・言い遅れたな・・・・・」
「・・・・何でしょうか?」
今になって何かを思い出したかのように、リズが座っていたベッド淵から立ち上がって・・・・
キレイに笑いながら
「ようこそ、シェーター大陸へ」
未知なる地
見知らぬ空
ここが第二の・・・・・・
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