■ 乾いた世界をバラ色に














遠い、遠い記憶



時とともに消え去ったはずの記憶は

何かの拍子に

悲しみと一緒に

おぼろげに姿を現す



誰かが薄く泣いている

誰かが『ごめんなさい』と呟く

誰かが悲しんでいる

誰か・・・・・・

あぁ

君が泣いている

僕の大好きな

君が泣いている

君が泣いていると

僕の心も

涙を流す



君が悪いのではない

君は決して悪くはない

僕のせい

僕が君を好きになったから

僕が君を求めたから

君の目に涙が浮かぶことはなかったはず



そして君が泣く

僕が死んだから

だから君は悲しむ

君の片割れが自分を責めるから





ほら君は悪くない

全部

全部

この世界に僕が

君の前に僕が

あらわれなかったら

こんな事にはならなかった

君は悲しまなかった

君の片割れが苦しまなかった

そして僕が死ぬ事はなかった

水の中に沈められることもなかった

深く深く深く深く

冷たい

暗い水の中に

君の声も届かない

僕の声も届かない

悲しみも

涙も

後悔も

悔しさも

光でさへも

この静かな水の中には届かない

届くことはない


はずだったのに


届かないはずだったのに



僕を呼ぶ声が

知らぬ君の名を呼ぶ僕の声が





水面に沈み

僕の元へ



水面へ昇り

君の元へ

















「鏡よ鏡よ鏡さん、世界も宇宙もあの世でさへも見通せる鏡さん、教えて?この世界で一番頭が弱いのはだ〜〜〜〜れ??」

部屋にある無駄に大きな鏡に向かって両手を広げ
歌うように問いかける

「それは・・・・・・」

強張った掠れたような声で

「貴方だ・・・・・・」

そう一言呟かれた

「・・・・・・・・」

己の口から

「って何でやねーーーーーーーーーーーーーーーーん!!」

ばちこーーーん!!っと鏡の中の自分に平手打ち
アウチっ!!
鏡の中の自分は痛そうではないが、
現実世界の僕の手は真っ赤なもみじさんvv

「って何でやねーーーーーーーーーーーーーん!」

もう一回同じ言葉で今度は裏拳的ツッコミ

「そこは一先ずあれでしょ!?深く考えてから結果だすモンでしょ!?ナニ、その即答具合!?喧嘩売ってんの!?」

鏡の中の自分に逆ギレ
って言うかですね、
僕を見ている一億人の皆さん!
え?一億人は言いすぎ?
気にしないで!知ってました?こう言うのって言ったモン勝ちって言うの!!←言いません

「自分で頭弱いって認めたようだろうが・・・・な〜んて都合の悪い声は聞きませんよー全然聞こえませ〜ん!」

だって有梨須の耳は餃子耳だも〜〜ん
閉じたらあかないんだも〜〜〜ん!!
けっけっけーーーーー!!

「っと、まー朝の行事はコレくらいにして今日も元気にいってみよー!!」

おーっ!!と片手振り上げて堂々宣言!!
三大テッペイから貴方をお守りいたします!!

「守らナイト!!」

ん?てっぺい?けっぺき?ゲッペイ!?
何だっけ??

「ま、いいか・・・・・取り敢えず月餅は久しぶりに食いてーなぁ」

この世界じゃ月餅も○○の月も横浜バナナも・・・・・静岡バナナ?
神奈川バナナ?ん?横浜も神奈川も同じか?
どこだっけ?

「もういいや、東京プリンで、そんな事よりー今日は何して遊ぼうかな〜」

ウッキウキのワックワク〜〜〜vv
取り敢えずーニトさん来る前に雲隠れしてー
起きたらいなかったリズにおはよーのご挨拶しにあの部屋に行ってー
対エド戦記よう地雷を仕掛けに行ってー
って言うか・・・・・

「今回は深く穴掘って落としてみようかしらvv」

うふ有梨須ちゃんったら!
ナイスあいでぃ〜〜〜あ!!
え?今回は、じゃないでしょって?
いつも失敗に終わってるから、今回こそは、でしょう?だって??

「心は大きく北海道ーーーーーーは、デッカイどーーーーーーーーーーー!!!」

味噌バタらーめん!
何て掛け声と共にダブルアクセル!!
ん?微妙な感じで思った方向には向けなかったな・・・・・・
気を取り直して今まで自分が寝ていたベッドに視線を向ければ、
そこには黒い大きな何かがこっちを見ていた

「・・・・・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・』

あれ?僕ってば今回、あのベッドに何か連れ込んだっけ?
いつリズが隣で寝てくれるから抱き枕に不自由してないんだけどなー
って言うかあんな感じの抱き枕的人形だったら寝辛いだろうなー
何て思ってたら黒い大きな右耳がぴるぴると動いた!

「う、動いたーーーーーーーーーー!!??!?!?」
『・・・・・・・・・・・・』
「生きてるっ!?見ておじいちゃんっクララがっクララが立ったーーーーーーーーー!!」

振り返っておじいちゃんにご報告!
でも後ろにいたのは身体半部振り返らせた鏡の中の僕だけ!

「一人二役!?わおっしかも子供とお年寄り!?僕にできるかな!?」
『・・・・・・・・・・・・』
「はい、ツッコミ希望いたしま〜〜〜っす!!」
『・・・・・・・・・・・・』

沈黙が痛い!!
でも、待って有梨須!!
目の前にいるのはクララ役の大きな黒い猫ちゃんだけよ!
猫ちゃんは喋らないでしょ!!

『思ったより、頭弱いな』
「喋ったーーーーーーーーーーーー!!!」
『しかも、煩い』
「しかも貶され!!?え、今頭弱いって言った!?」
『馬鹿、だろう?』
「煩いですって!?失礼しちゃう!!」
『・・・・・・・・・・・』
「ってオーーーーーーーイ!!初対面で馬鹿ってナニよ!!馬鹿って言ったら言った方が馬鹿なんだから!!」

はい、会話に追いつきました
衛星放送も楽じゃないわよねー

「で、貴方様はいったい何処の誰ですか?」
『・・・・・・・・・・・・』
「ちょっと何その白けた目!失礼しちゃうんだから!」
『・・・・・・・・で、お前が言うところの猫が喋ったって辺りに疑問がわかないのか?』
「・・・・・・・・・・・・・・おぉ!!猫が喋ってるよそう言えば!!」

そう言えばだよ!!
猫は喋らないでしょ!
僕を貶すはずがないでしょ!

「そっか・・・・コレは夢か、夢なんだな・・・・・そうとなったら寝るs」
『寝てどうする!』
「夢の中なら理解できると思って?」
『夢でもお前の弱い頭じゃ理解できないと違うのか?』
「・・・・・・・今日の有梨須ちん、意気消沈モードにより寝ます」
『おい、寝るな!寝る前にお前の名前を教えろ!』

何よー意気消沈モードの時は踊り子さんには触れないで下さいってパンフレットにも書いてあったでしょー
マナーは守りましょうよ、マナーは

「知ってますかー名前を知りたかったら最初に名乗るのが礼儀なんですよー」
『俺たちはそれが出来ないから聞いてるんだ』
「あっそーふ〜ん難儀ね〜・・・・・・・・・・・って、何で?」
『そう言う決まりだから』

決まり〜〜〜??なんじゃそりゃ!?
ま、でもいっかー

「僕の名前は有梨須で〜っす、気前よくアリスって呼んでくれたまえ!」
『・・・・・・そうか、アリスと言うのか、』
「・・・・・・・・・・・・」

あれ?何かこの僕の名前の呼び方・・・・・・
どっかで聞いたことがあるなぁ?

「で、猫ちゃんの名前は?」
『俺は・・・・・・・・・ニリニャシガル・セルア・ウーバー・スガレシアス』
「はい、覚えられませ〜ん!短く、短く切ってくださ〜い!!」

何なんだここの人たちは!!
あ、目の前の猫ちゃんは人じゃないけど!
こうも覚えられるわけがないような長さであまつさへちょっと変わった名前なの!?

「むしろ切りまーーーーっす!!切らせていただきます!」
「・・・・・・好きにしろ」
「する!!はい、猫ちゃんは今日からニャガに決定!!」

うっわ!
どーしよう!僕にしては珍しく素晴らしい愛称考えちゃったんじゃない!?

「っふぉーーーーーーーーーーーー!!」
『頭弱いな』
「二言目にはそれ言うの禁止!!」




そうして僕はニャガとお友達になったのでした!
ちゃんちゃんっ