■ 虹色サイクロン-----2













「お〜〜〜牧場はーミードリーーーーー!!帰って来ーーーーーい!!」

俺が悪かった〜!
浮気はもうしねーからーーー!!

って、何故だかいつも続けたくなるんだよね〜
何でだろ、
それって僕が俗物だからなのか?

「って言うか俗物って何だ?」

って言うか、
何で僕ってばこんなうた歌ってんだ?
全然まったくもって牧場は見えないし、
牛も馬もいない、
その前にこの世界に牛とか馬がいるのとかすら知らないしー

「今度聞いてみよー!」

そうしよ〜!
なんてルンルン気分な僕!
目指すは探検発見僕の町!
みたいな!

「例えるなら、インデ●ージョーンズとかトレジャーハ●ターとかじゃ〜ん!!」

ニコラス刑事!
え?
あの人って刑事だったけか?

「ま、いっかー」

深く考えたって答えなんて所詮、僕の頭じゃ出るわけないしー
人間諦めが肝心だって、良く言うじゃな〜〜い!

「残念!!」
「何が残念なの?」

ギターは持ってないから、
横に引っさげたカバンでギター代わりにしてれば、
真後ろでちょー可愛い声が聞こえた。
声だけでも可愛い、
見た目も可愛い、

「リッリカちゅわ〜〜〜ん!」
「相変わらずの、ハジケ具合ね?」
「誉められちった!」
「たぶん、誉めたうちには入らないと思うわ」
「誉めとけよ!」

歪曲主義、バンザイ!!

「むしろ舐めとけよ!」
「イヤよ」
「えーーーーー」
「何で残念そうなのよ・・・・・・」
「取り敢えず」
「・・・・・・・」

お〜〜っとリリカちゃん、さすがにお疲れモード!
まだまだオイラは行けますぜ!?

「で、何してるの?」
「何って・・・・・どーして、牧場の牧場に嫁に来たミドリはいなくなったか!?」
「・・・・・・・」
「実は旦那が浮気をしていたから!!しかも隣の牧場の若妻サチコに誘惑されたから!」
「・・・・・・・」
「しかも、ミドリは悲しみのあまりサチコの旦那と一夜限りのアバンチュールでお腹に子供が!!」
「・・・・・・アリス・・・・・・」
「そして次回!『ミドリ・・・・もしかして』『ごめんなさい、アナタ!!』『・・・・・・』どなる山田夫妻の今後!?の巻き!!」

来たーーーーー!!
次も視聴率いただきだぜ!!
お昼の泥沼愛の劇場!

「いやっほ〜〜〜〜〜い!!」
「はぁ」
「どーしたリリカちゅわん!元気ないぞーーー夜はこれからだぞーーー!!」
「まだ、昼よ」
「こりゃまた一本取られたぜ!!」
「とった覚えもな・・・・・・ちょっと話しズレてるわ、今まさにココで何してるのって聞いてるの!」

は!
っと、何かに気付いたかのようなリリカちゃん。
騙されてはくれなかったらしい、
って言うか騙してるつもりもないですがねー

「はい、お答えしましょう!僕はコレから探検発見僕の城!もとい、リズの城!なるものをしようかと思うのです!」

ここは広い広い広い広いひろ〜〜〜〜〜〜い!
お城なんです!
探検しずに何をしろと!?
宝を探さずに何をしろと言うのかね!?

「諸君!いざ行かん!宝島ーーーーーーーー!!」
「島じゃないでしょうが」
「やられたーー!」
「アリス、落ち着いて」
「俺に惚れると火傷するぜ!」
「アリス!」
「へ〜〜い」

もーーーリリカちゃんったら怒りっぽいんだからー
渋々とテンションをいったん下げた。

「それでコレより先に行こうとしてるのね?」
「はい、ザマス」
「アナタ自分がどれほどの方向音痴なのか覚えてる?」
「痛いほど理解しているつもりでゴザンす」
「それなのに、行こうと言うの?」

えぇ!!
勿論ですとも!

的に大きく頷く。
誰も俺の行動は止められないぜ!!

「行きますよー!僕の好奇心の赴くままに突っ走る次第であります!!」
「・・・・・・アナタ、この先に何があるのか知ってるの?」
「知るために行くんじゃないっすかー」
「知っても良い事はないのよ?」
「何で?」

何でみんな、
そうやって駄目駄目って決め付けるかな〜?

「何で?何で僕が知りもしないのに良い事がないって決めるの?」
「この先はね・・・・・呪われてるの」
「・・・・わ〜〜お・・・・・」

いや、
そう聞くとさすがに怖気つきますが、
って言うかさすがに貞子がいるって言うなら帰りますが・・・・・

「でもねー・・・・・・声が聞こえたんだよね〜」
「・・・・・・」
「僕を呼ぶんだもん・・・・・・今も聞こえるよ?リリカちゃんは聞こえない?」
「アリス・・・・・・・」

その言葉と共にリリカちゃんの表情が固まった。
ん、どうしたのかな?

「すっごい、小ったいけど、呼ぶんだ〜」





アリス






「だから、行くの、気になるし!」

そう言ってもう一歩足を踏み出す、

「ダメ!!」
「ぇ?」

リリカちゃんの止める声が小さくなる、
何か訴えてるように、
手を振っている、

「おっとーーー何だ〜ダメって言ったのに送ってくれるのかな〜?」

やっぱリリカちゃんよねー!
さすがは、僕の友達だ!!

「じゃ〜〜行って来るね〜〜〜!」

手を振るリリカちゃんに手を振り返して、
駆け出す。



「ダメ・・・・・お願い!」



ここから先へは私は行けナイ



神の領域、
神聖なる呪縛で捕らわれた空間、
この先は、
捕らわれたモノ達の空間、





「アリス・・・・・・・!」