■ 路傍で拾った非日常


















え〜〜〜っと・・・・・・



あ、皆さんこにゃにゃちわー有梨須で〜〜す!
元気でーす!
元気有り余りすぎて怒られてばっかでーす・・・・・
皆・・・・いや、洲先輩とニトさん・・・・・ちょー心狭いよー

ところで、何ですがー今日も今日とてお勉強から強制解放して、今に到ります。
え?強制解放がなんかって?
ぶっちゃけアレです、逃げて来ただけです。
文句ありますか?
ナイですよねー??
むしろ受け付けませーん!!

そんな訳で、意気揚々と長い廊下をスキップしながら歩いてるんですがー
てか、スキップって歩くって言うの?走る?
うー・・・・ん・・・むしろ小走り??
な、感じですよねー答えを誰か教えてください。
州先輩に聞いたら、お小言プラスαなんでこちらから丁重にお断りです。

で!ですね!!
何かめっさ不思議なもん拾いましたー
何だろうコレー何だろーコレ!!

「エドウ●ン!!」

いや、ピ様の真似はいーやー・・・・
ピ様とか言ってもかんりょーすたーじゃないですよーはりうっどせのびーですよー

「官僚?せのびー?せらぴー?みゅうつー??」

え?
政治家だっけか?
ぽ●もん・すたー??
違うか?
ま、いいや(馬鹿)!!

「ってかーマジでーなんざんしょ??」

手にした物体を窓にかざして見てみる。
見た目はアレです。
透明な味気ない下敷き、みたいなの。
むしろ大きさはA4サイズのノートじゃなくって、受験生にとって必需品な赤い下敷きみたいなの。

「でも色無しなので暗記モノには向かないなー」

つーかむしろ、ココにそんなモン存在するんですかね〜?
え?ってかココには学校って存在するのか?

「今度聞いてみよ〜っと!!」

ラメでも入ってるのか、それは光にかざすとキラキラしてた。
ちょっと綺麗。

「何に使うものなんだろう?」

落し物?
なら、持ち主に返さなきゃな〜
ってなワケで、リズの元へと向かおうかと思います。
ニトさんの所へなんぞ行ったら泣かれるからイーヤー
エドは圏外、うん。

「そうと決まればぜんは急げー!!」

いえ〜〜い!と叫んで走る!!
長い廊下をリズの執務室に向かって走るー
前に数回行ったことある場所さー
でもさーココで気付くべきだよねー
僕ってさー

「究極の迷子癖だったんだー!」

数分もしないうちに見知らぬ場所さー(涙)
数回行ったことあるって言ってもーリズと一緒かニトさんと一緒だったぜー

「馬鹿じゃん僕ーーー・・・・・!!」

何でこうも城の中で迷子になるさー??
って言うかココが広すぎなのが悪いんだよねー?
そうだ!
そうに違いない!!
むしろ地図作って欲しいさ!

「リズにお願いしよー!!」

そう言って周りを見渡す。
何かちょっと・・・・アレ・・・・・です。

「薄暗いです」

暗い、
静か、
怖いんですけどー!!

「何、何々何!?ココでこ!?」

デコ!?
ドコだっちゅーの!!

建物の中でも昼間だし今日良い天気だしで、明かりいらないんだけど・・・・・
ここロウソクみたいなの灯ってるし・・・・!!
ランプか!
電気か!?
むしろココって電力あるのか!?

「よし、それも聞いてみよ!!」

気合を入れて戻ろうとしたら、足元がキラキラ光ってるのに気付いた。
いや、足元じゃなくて、
手が・・・・・手に持ってるラメ入り小さな透明下敷きがキラキラしながら光ってた!!

「わぉ!マジック!!?イリュージョン!?」

キラキラ、キラキラと光の粒を零して光っている。
それは僕の周り半径2メートル内を照らす明るさで・・・・・

「結構、目には辛い光ですねー」

何て言いながら目を眇めたら、
その透明な板の上に文字が浮かび上がってきた。

「おぉぉぉおっっっ!?!?おおっ!?」

キラキラと文字を浮かびあがせる。
薄っすらとした文字が浮かんでは光の粒となって零れ、床に着く前に消えてなくなる。

文字を読もうと少し顔を近づけたら、

「えーっと、何々・・・・・・『貴方が好きなものは何?貴方が欲しいものは何?』・・・・・はぁ?」

その文字が2・3度浮かんでは消えてを繰り返して、
次には、

「『アレは全てを欲しがった、アレは全てを失った』」

アレ?
アレって何?

「『悲しまなかった、怒りも起こさなかった、憎しみは消えた、』」

何だ?
何なんだ??
誰の事を言ってるんだ??

「『眠りを覚ましてはイケナイ、助けてあげてはイケナイ、』」

えーーーーー!!
何で!?

「『それは全てを欲しがってしまう、すべてが失ってしまう』」

意味わかんないーーー!!

「『自由を与えてはイケナイ』・・・・・・・・・・・・何で?何が?何なの???」

今まで綺麗だと思ってた光の粒が、その言葉の羅列でそうは思えなくなってきた。

何で、何が、ダメなの?
イケナイって何が?

「気に入りません!!」

そう言うのって嫌!!
何かイーーーーーヤーーーーー!!
ベシっとその透明の下敷きに八つ当たってから、今まで背中を向けていた方へとクルリと、方向転換!!
あれでしょ、コレが急に見え始めたってことは、

「この先にその『アレ』がいるんでしょ?」

ジッと真っ暗い先を見つめる。
長すぎて、暗すぎて、ロウソクの明かりでは見えなくて、
冒険心と反骨精神(?)で胸を膨らませて・・・・・

「改め、ナイ胸をめいっぱい膨らませて進みたいと思います!!いざヤカン!!」

ヤカン??
足を一歩踏み出したままで固まって首を傾げれば、
後ろで人の気配。
その格好のまま首だけ振り返らせると、珍しく慌てたようなクランチェシカちゃんが走って近寄って来た。

「アリス様!!」
「おークランチェシカちゅあん!」

足を下ろして、身体ごと向ける。
急いで走ってきたのか息を切らしている。

「そんなに急いでどーしたの?」
「いえ・・・・・・あの、この先は立ち入り禁止なんです」
「立ち入り禁止?」
「はい、この先には魔が潜むと言われていますので・・・・・・ですから、これ以上は・・・・」

顔を真っ青にしてそう言うクランチェシカちゃんの勢いに負けて、今日は止めておきますかー
なるほど、何かいるわけですねーやっぱり!
時間は有り余るほどある!

明日、出直しますか!!

そう心で決めて、戻ろうと即すクランチェシカちゃんの後に続いた。



そっと後ろを振り返ってくらい廊下の先に目を凝らす、




何も見えないけれど、



誰かが




僕を