■ 快晴行進曲












皆さんご機嫌よう!!

有梨須です!

みんなのアイドルだったりしちゃう今日この頃!

忙しくも楽しい日々を過ごしちゃったりしなかったり!?


ご声援にお応えいちゃうのも日課だったりじゃなかったり!



西に東にサイン求める人あらばマッキー片手に駆けつけ!
北に南に握手を求める人あらばキレイキレイ片手に駆けつける!








有名人って・・・・・・・た・い・へ・ん☆






デライトで有梨須と握手!
(ヒーロー風に!)









「な〜〜んてね!」

がそごそと廊下の端で作業中の僕。
ある意味、不審人物。
ってかスッゲー不審人物。
こんなん僕の世界にいたら100%の確立で職務質問されちゃうね!?
いや、正直な話しされたいってのが本音?

【キミキミ、そこで何やってるんだね?】
【げっおまわりさん!?】
【げってキミ・・・・ちょっと話し聞かせてもらえるかな??】
【いや〜〜僕、別に怪しいモノでは・・・・!!】
【怪しい怪しくないは私が決めるものだ、で、キミ職業は?】



「職業は、男になっちゃってもピッチピッチの女子高生デッす!!って答えたい!!」



握りこぶしを作ってそう叫べば、たまたま通りかかった給仕の方たちがビクっと肩を震わせて、そそくさと走り去っている。
でも、背中でそんな事されても気付けない僕!
これじゃ【お巡りさんとイケナイ尋問!?】なんちゅうネタができあがるぜ!

「うけけけけけけけけっけけ・・・・・」

壁に向かって笑えば、遠巻きに可愛いメイドさんたちがヒソヒソ話をしてらっしゃる。
てか、先ほどから僕が何をしてるかって?
教えて進ぜよう!!
何を隠そう、くそサド野郎の我が宿敵、エドガー・ライセルにぎゃふんと言わせたい!作戦Dの下準備中なのである!
あのクソ男は昨日またもや僕を嫌がらせをしてきやがりましてね!?
にっこにこ笑顔で本を渡せれまして、読め!とか命令口調で言われましてね!!
不審に思いながらもその本を開いたのですよ!
し・た・ら・ば!!

「・・・・・【特集!絶壁なキミでもコレを使えばあ〜〜ら不思議!Bカップに早変わり!!これで夏はキミのモノだ!!】・・・・・」
「お前が余りにも可哀相でな・・・・女の子には少なくともBは必要かと思ってね?」

とかぬかしやがるんですよ!!
もうっあからさまに作ったような同情の眼差しで!!


「今の僕には必要ないんじゃボケーーーーーーーーー(怒)!!」


って、折角なのでその本?ってか雑誌を叩きつけて今に至るわけなのであります。
かわいそうでしょう!?
僕って可哀相でしょう!?
だからこんな悪戯しちゃっても許されると思いませんか!?
てか許されるね!
許されるどころか、全国の有梨須ファンは大声上げて応援してくれちゃうね!
【エル・オー・ブイ・イーーー頑張れ有梨須〜〜〜〜〜(幾つもの野太い声)!!!】
って。
え?古い?
古くねーよこんちくしょーーーーーーー!!

「おのれぇぇ・・・目にモノ見せてくれるわ〜〜〜〜!!!」

闘志燃やして立ち上がれば、後ろにて人の気配。
振り返ってみると、3人のメイドさんが可愛い笑顔で立っていた。
右から順に特徴と名前を言いますと、赤茶のフワフワした髪の子がニードル、金髪の腰までのストレートの子がクランチェシカ、薄茶のショートの子がミリアム。
ニトの他に、僕の身の回りを世話してくれる心強い味方ちゃんたちである!
何でも手の付けられない程の問題児ちゃんではあるらしい(ニト談)が、僕にとっては良い仲間である!

「アリス様、こちらも準備が整いました。」
「ご苦労であった!」
「作戦D、成功なさるといいですわね?」
「成功するさ!!」
「では・・・最終段階へと?」
「行こうではないか!!モノ共ワシの後に続け〜〜〜い!!」
「「「はい、アリス様vv」」」

まっておれエドガー・ライセル!!
お前が我が前に【ごめんなさい】って土下座させてやるってんだ!!






それから数十分後



アリスの作戦Dに気付く筈の無いエドガーが、小脇に抱えた紙の束を抱えなおしなが手にした書類に目を通している。
スタスタを前を見ることなく歩く姿は、出来る男そのものである。
下を見ることなく真っ直ぐ歩けるのに感嘆の声が上がる。
それを柱の影で見ているものが、右に2人左に2人。

「来やがった!!」
「そのようですわ。」

有梨須の声に、後ろでニードルが頷く。
ちらりと、左に目を向ければクランチェシカとミリアムが確認しましたと言うように小さく頷く。

「それにしてもアリス様、良くお似合いですわv」
「え?そうかな?」

うっとりしているような声でニードルが言う。
自分の姿を見てみる。
そこには、つい最近リズがくれた服が僕を包んでいる。
特別に作ってもらった代物、この城のメイドさんが着ているメイド服特別バージョンである。
普段のモノより、ちょっとだけスカートの裾が短くてちょっとだけ白いレースが多い。
ちなみに、この服はニードル、クランチェシカ、ミリアムのお手製だったりする。

「えぇっ!とても良くお似合いですわ!」

心底うっとり顔で言われる。
ほや〜〜んと頬が赤くなっている。
ニードルちゃん風邪かな?
何て思っていると、エドガーがすぐ傍までやって来ていた!

「近い!用意は!?」
「万端です!」

よっしゃ後は横切るだけ!
あと5メートル!


4メートル・・・・



3メートル




2メートル



1メートル・・・・・・!!




「今だ!!」

そう声をかけて仕掛けていた紐を引っ張った!
ビーンと張った足元の紐!
差し出したエドガーの左足がまさにソレに引っかかった!



よっしゃーーーーーーー!!


ガッツポーズを作った瞬間、書類に目を通していたエドガーの口元に笑みが浮かんだ。

「え?」
「甘いな・・・・・・!」

そんな呟きが聞こえ、目を向けると目だけを僕に向けて相当イジワルイ笑みが向けられた・・・・・と、同時におろすはずの足がグイっと上がる。

「ぬあっ!」

力強く握っていたせいで手を離すことを忘れて僕の身体が前に引っ張られる。
でも僕の味方ちゃんたちはしっかりと手を離していた・・・・

酷い・・・・・(涙)

どさっと前に倒れこめば、目の前にエドガーの靴。
恐る恐ると起き上がりながら見上げる。

「随分と面白いことしてるな?」
「・・・・・そうですか?」
「しかも、随分とけったいな格好もしてるな?」
「けったいとは失礼ですが?」

ニヤニヤと笑って僕を見下ろす。
何この態度・・・・!

「似合うようで似合ってねーな・・・・」
「む!ニードルたちは似合うって言ってくれたぞ!」
「ほ〜下手な誉め言葉だな」
「何を〜〜〜!?」

かちこ〜〜ん!
マジにキましたよ!
マジでかちこ〜〜〜んと、キましたよ!!!

「性格ブス!!」
「誉め言葉だな」
「根性悪!」
「そんなに誉めんなよ?」
「〜〜〜〜〜〜〜!!」

けっけっけっと笑う。
悪魔だコイツ!
絶対に種族は悪魔だ!

「しかしな〜せっかくのデライトでは有名なその服を纏っているのに・・・・もったいねー」
「何がじゃ!」
「なぁ・・・・知ってるか?」
「だから何がじゃ!!」

がうがうと食って掛かれば、先ほどのにやけた笑いを倍増させた意地悪い顔。
びくっと身体を引けば・・・・
ななんなん・・・何だよ!!

「このメイド服・・・・胸がデカくねーと、見栄え悪いんだぞ?」
「・・・・・・」
「だからこの城で働くこの服を着る者は、み〜〜〜んな胸がデカイ・・・・って知ってたか?」
「・・・・・・」
「見てみろよ・・・・」

言われるがまま、指先を見てみる・・・・・
そこには僕の味方ちゃんたちが珍しくバツが悪そうに笑っていた。
で、見てみる・・・・はちきれんばかりの豊満ぼでー・・・・・・


がくーーーーーーーん・・・・(敗北感)!!





そして有梨須、今日も完敗・・・・・・・・!!





ぬあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(暴)!