■ 特記事項 : 全力です












考えるより先に押し付けられた


答えを出す前に決められた


自覚する前に、


そう


思わされた







昨日から
2年D組に禁止事項が設けられた
それをおかすと・・・・・
大変、
大変・・・・・痛い事になります





とある席の
とある一人の人物から
ドス黒いオーラが放たれたいた
不機嫌極まりないといった感じで眉間にしわが深く深く刻まれている
いつもの彼はドコへやら?
触れれば一瞬にして感電死してしまえそうな勢いである


比較的に仲の良い2人は思った



【触らぬ神に祟りナシ】

【君子は危うきに近寄らず】



そんな言葉が頭の中で煌々と点滅している
バカ2人のもとい、赤点組み2人がどうしてこんな諺を言えたかというと、
他ならないドス黒いオーラを放つ友人に努力の賜物だからだ
水守様々である

そう、
不機嫌の頂点に極まってる人物こそ、
昨日の騒動の渦中の人物

水守 玄 -みずもり しずか-

その人である
典型的な委員長を地で行く
D組の頼れるお人、
水守様
赤点組みの強い味方
補習組みの頼みの神
水守様

怖いもの知らずのさすがの2人でも
勿論、事情を知るクラスメートも
からかう気も話しかける気もさらさら無い
むしろそんな度胸も気力も無い

だって水守様はご機嫌斜めだから

しかし、
そんな水守様に命知らずが現れた

「みっずもり〜〜〜〜〜!!」

教室に駆け込んできたのは
デリカシーの無さでは右に居るものなし!
と、大変評判のクラスメート鈴木君
運の悪いことに彼は昨日学校をサボってしまった
しかも、
イラン知識を誰かしらに吹き込まれてしまった
いや、
教えたであろう彼の友人も忠告の言葉を吐こうとしたようだが
口にする前に喜々として駆け出してしまったようである

よって、

「コレが噂の歯型!?わお!バンソウコが生々しいーーーーー!!スッゲーあの君塚に熱烈に強烈なキッスなマークつけらt」

最後まで彼が言葉を吐くことはできなかった・・・・・・
彼の顔面には英和辞書がめり込んでいる

「鈴木・・・・・その口を閉じてさっさと席に着きなさい」

そう冷たい声が委員長らしき言葉を吐いた
しかし、
言われた本人には聞こえていない
だって気絶しているから

あぁ・・・・・・・
成仏してくれ鈴木・・・・・

クラスメートは心密かに手を合わせた

「今日一日・・・・きっとあのままだね、水守・・・・」
「イヤイヤイヤ、一日と言わず当分?」
「うわ・・・・・俺、どうしよう・・・・・昨日の数学・・・・一体どうやって教われば・・・・!!」
「いや、教わろうとすれば教えてくれはするよ、ただ・・・たぶん」
「私情挟みまくりのスパルタ!?」
「いえっす!」

っぎゃーーーーー!っと、中山君は頭を抱えてしまった
教えてもらえないと非常にマズイ
しかしあの状態の水守には近づきたくない
究極の選択
大田ババア(失礼)の嫌味かつ長時間の補習を受けるか?
不機嫌絶頂、水守様の私情挟みまくりのスパルタを受けるか?

「選べないっ俺には選べない!!」
「観念しろって・・・・・言って来い、背に腹はかえられまい・・・・・」
「おのれっ・・・・・他人事だと思いやがって・・・・・!!」
「え、だって・・・・・・他人事ですから?」
「くぅ!!」

そんな2人が周りを気にせず話していたもんだから
背後に何かが近づいていたことに気付かなかった・・・・・

「俺は水守様への人身御供か!?」
「えぇ勿論ですt」
「誰が誰への人身御供だって・・・・・??」
「「ひぃっ!?!??!?」」

氷点下クラスの声が2人に舞い降りた
ゾクゾクゥっと背中に悪寒が走る
ことさらゆっくり振り返ると
笑みすら浮かべることを放棄した水守が立っていた

「みみみっみっみみみずもっ」
「ドモリすぎ、みっともない」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」

無言で2人は水守を窺えば

「・・・・・・はぁ・・・・・二人に奴当たっても仕方ないよね、ゴメン」
「えっと・・・・あの、」
「うぇ・・・と、ゴメン・・・・」
「良いから、中山プリント出して教えてあげるから」

眉間のしわを苦笑とともに消して
水守が目の前に座る
取り合えず胸を撫で下ろした中山がいそいそとプリントを出して
片付けていく

未だ鈴木は床に倒れたままで・・・・・・




三日が過ぎた

鈴:え、それって俺に放置プレイを実行ty (今度は広辞苑がめり込んだ)





あの厄才から三日が過ぎた


その三日間
彼の疫病神は一切がっさい俺の目の前に姿を現していない
寧ろ学校にすら来ていない
なんたる幸せか!?
神は俺を見放さなかった!!
諸手を挙げて喜べば・・・・・
喜べば・・・・・

いや、
コレがまったくもって喜ばしくも何とも無いのが現状

「何故・・・・・・・何故ゆえに頭の中はアイツばかり!?意味わかんない!!」

そう、
意味が分からない!!
取り合えず、
あの噛み付きがあった授業の後から君塚は帰ってしまった
文句を言おうと思ってのだが、
言葉を存分に選んで吟味して選抜する時間を与えられたと思い、
言葉を温存して次の日、
意気揚々と学校に来てみれば、
奴はその日一日顔を出さなかった
出鼻挫かれた気分
しかも、
その次の日も次の日も次の日も・・・・・・
来なかった
だから、
もっともっと
君塚に吐こうと思っていた言葉を考えに考え抜いた
だから、
ここ三日間・・・・・俺は君塚の事ばかり考えていたことをハタと自覚したと同時に驚愕
素晴らしき体験
もうしたくない
言葉だらけで頭がパンクしそうだ
イヤそんな事はもうどうでも良い
それよりもその驚愕の事を自覚してからは君塚の事を考えないようにしたのにも係わらず、
脳みそは次から次へと君塚の事ばかり考えさせられる

「脳の形状記憶装置を設置、本人の望む望まないに限らず今までの方向に力ずくで戻そうとしている、止めてくれ俺の脳みそ、ご主人様の言うことを聞け、そして無我の極地に陥れ自分」

誰か助けてくれ
近頃キャラが変わりつつある
誰だ俺!?
お願いだから返ってきて昔の自分!!
自分っカーーーームバーーーーック!!

「何がカムバック!?・・・・・うぅ・・・・・・最悪だ」

瞼を閉じれば目の前で君塚が皮肉イッパイに笑い
耳を閉じればムカつく声が響き渡る

俺への意識干渉を止めてもらいたい事この上ない
昼休みの人の賑わう階を下にさがり、
少し暗い階段下の所に寄りかかる
日が当たらないから壁が冷たい
でも今の俺にはちょうど良い
何故だか熱い体と顔を冷やしていってくれる

はぁっ
と、溜息ひとつ

精神集中に深呼吸を繰り返し
意識を閉ざす
聞こえてくるのやはり・・・・

「よぉ委員長、相変わらず俺のゾーンど真ん中だな」

クソ憎たらしい天敵の声
しかも異様にクリア
ココまで来たか俺の脳
むしろ耳

「何でこうも性能が良くなるのか疑問、そして答えをくれ、余りにもリアルだ。考えたくも無いのにまたしてもご主人様の意思を無視して君塚ばかりか!?」
「・・・・・・何そんなに俺の事ばかり考えてんの?」
「考えるも考える、四六時中ず〜〜っと君塚のことば〜〜っかりだ!イヤになる!」
「へぇ・・・・で、どんなこと考えてんの?」

目を閉じたまま
額をくっつけた壁に手をかける
手の平に伝わる冷たさがまだ心地よい

「何であんなことしたのか?とか、何であんなことしたのに急にいなくなった?とか、俺に言葉を言わせなかった?とか、俺の言葉を聞くのが嫌なのか?とか・・・・・」
「それで?」
「こんな事を考えるのは何故?とか・・・・・あぁぁぁっ頭パンクしそう!!」

ゴッっと音を立てて壁に強く額を打ち付ける
ちなみ痛くない
自他共に認める石頭だから
下手に勝負しようものなら後ろにマットをご用意下さい
保障は何もありません自己責任です

「そんモン決まってんだろ?」

頭の中の声が
耳に触れる

え?
耳に触れる!?

意識を浮上したと同時にドッと身体が壁に押し付けられた

「きっ君塚!?」
「何だよ、誰と話していたつもりだ?」
「な、何で!?」
「さっきからずっとお前と話ししていただろ?」
「イヤイヤイヤ、俺が話していたのは俺の頭の中の君塚だ!」
「っへーーーそこまでスルほど?」
「!!」

マズイっ
今のは失言だ!!!

気づいた時にはもう遅い
後ろの気配は喜色を抑えたような笑が零れては耳に触れる

あの時の事を思い出して
逃げ出そうとするが、
壁についていた手がいつのまにか俺の頭の上で、
一まとめにして押さえ込まれている
しかも、
片手で!!

「きききききき、きっ君塚!!」
「ん?」
「どけっ退くんだ!!早く今すぐ速攻高速で!!ソレが無理なら音速で!!」
「それの方がもっと無理?てか何で、せっかく水守からの告白を受け取ったのに離れなきゃならない?」
「告白!?誰が誰へ何のために何の目的で!?」
「お前が俺に恋を成就させようとしてるんだろ?」
「してなーーーーい!望んでなーーーーい!!有り得なーーーーーい!!」

断じてそんな事は有り得ない!!
むしろ受け入れたくない!!
って言うか受け入れないでしょう!?

「離れろって!早く!!」
「無理だって・・・・・俺も俺なりに色々と考えたんだから」
「はっ!?」
「三日も時間を無駄に潰した・・・・・まぁ無駄でもないか、俺も同じようにお前の事ばっかり考えていたわけだし、な??」
「!!」

な?
とか言われても賛同しかねます
無理です
って言うか・・・・・
って言うか〜〜〜〜〜!!

「紅い」
「ううっさい!!」

顔が火照る
熱い!
恥かしい!!

ご指摘どおりに俯いて現れた耳が赤くなっています
ちなみに顔もきっと赤くなっています
鏡で確認しないと自分じゃ分かりませんが・・・・・
でも、熱いから絶対に紅い

そんな事を考えていたら
俺の手を押さえてないもう一つの手が
首に触れて
あの歯型を隠すバンソウコを二枚ゆっくりと剥がした

現れるのは
いまだに鬱血を取り越した青紫の痣
鈴木曰くのキスマークにしては酷すぎる代物

その痣を顔を歪めて見詰める君塚
己のモノだと証明する証が目の前にある

「ヒデェ・・・・・痕・・・・・」
「誰の所為だと思ってやがるっ」
「俺だな」
「・・・・・・・・」

ふっと笑を零して
まるで癒すかのように舌を這わせた
途端に広がる
あの時も感じた甘い感覚

「ひっ」

ビクリと慄く身体をよりいっそう壁に押し付けて
今度は噛み付くのではなく
強く吸った

「っ・・・・・きみづっ?!」
「お前、色白いから良く残る」
「やめっ!!」
「髪も黒いからもっともっと映えるな・・・・・」

細い腕を片手で押さえた手から引き剥がそうと引っ張るが思うように行かず、
首筋に触れる域から逃れようとしゃがみ込もうとするがそれも上手くいかず、
身体を捩るだけで
その行為を感受してしまった
痣のように残った歯型からゆっくりと舌が這い
紅く染まった耳に触れ
耳朶を噛んでから耳の奥へと声と息と舌を送り込む

「俺に喰われろ」





自慢の石頭をお見舞いしてやれば良かったと思っても
俺の脳は融解してしまって
正常な考えを留めることはできなかった







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はい、進展編の眸と玄ちゃんでした
今回のキーワードは両手を壁に一まとめにされる
しかも背後からの攻め
ゴメンこんなんばっか好き
身長差激しい2人・・・・さて、首筋に吸い付くには無理な感じですが、
無視してください
答えを出すなら少し屈んだ君塚
俯いたままの玄ちゃん
公式の応えです
嘘です
今回、どっかの誰かを髣髴させる玄ちゃんの性格
コレを書くちょっと前まで読んでいた所為です
2時間風呂に浸かった結果です
大好きだっ

コレをホワイトデー企画としようと思います
で・・・・・エロも無いことですし・・・・・
フリーにしようかと・・・・・
貰ってやろうと思われる豪気なお客様がいたらお持ち帰り下さい
期間は【3/12〜3/14】の間とさせていただきます

報告は任意で・・・・
いやしてくださったら覗いてみたい思いと感謝の言葉を・・・・・!!
って言うか、こんなのを誰が貰うのだろうかと、知りたいかとは・・・・


では、
こんなんで良かったらどうぞ!!