甘いキスは頬に













ソファーの上で、
見下ろしてくる顔は、
ちょっと疲れが浮かんでいて、
でもそれ以上に嬉しそうな笑みも浮かんでいる

そんな欧丞さんの顔、
目の前にある

「ホントはもっと、早くに会いに行きたかったのですが・・・・・・・」
「うん」
「人の上に立つと言うのは、あまり良いものではないですね・・・・・自由が利かない」
「・・・・うん、お疲れ様・・・・・」

ふわり・・・・と、完璧に整えられた欧丞さんの髪を撫で上げて、
首を伸ばして顎に唇を当てる、

「たま、き・・・・さん・・・・」
「んっ・・・・・」

顎の下から舌をちょっと出して舐め上げて。
唇にたどり着く、
少しかさつくその唇を潤おすように、
ゆっくりと舐める

ぴちゅっと
小さく水音を立てて啄ばんでから顔を離した

「・・・・・少しは、時間・・・・できるの?」
「はい・・・・アナタといるために、作りました」

極上のオトコが、
艶やかに笑う
俺のためだけに、

「・・・・・・一ヶ月ぶりなんで・・・・・少し、手加減できないかもしれません」

俺と同じように、
前髪を撫で上げられて、
額に唇が降りてくる
そのまま、
瞼、目じり、頬、鼻の頭・・・・・
そして、
待ち望むように薄く開いた唇に降りてきて、
深く絡ませる

唇は合わさったまま、
器用な手はパーカーのジップを下げて、
下のTシャツの隙間から指先を潜り込ませてくる
それは、脇腹の骨をなぞるように這わされて・・・・・・
腰に指が滑って、
ズボンをズリ下げられる、

「あっ・・・・・・おうす、け・・・さっ」
「はい・・・・?」

いつもなら、
こんなに早く下には触れてこないのに・・・・・・
少し離れた唇の隙間で名を呼べば、
至近距離で微笑まれる、

「環さん、お風呂入りました・・・・?」
「え、・・・・・・・うん、」
「石鹸のにおいがする」

首筋に顔が降りてきて、
鼻先が触れてくる、
くすぐったいような感覚に震えながら、
頷くと、
ふっと・・・・・息が零れるのが分かった

「な・・・・に?」
「いいえ、何でもありません」

そのまま、
何故だかクスクスと笑っている欧丞さんはどんどん下へと降りていく
めくれたシャツのの隙間にあるお腹にたどり着けば、
くぼみにキスされて、
びくっと身体が揺れた

「ん・・・・!!」

そのまま、
舌が這わされて舐められる

「ぅ・・・あぁっ・・・・・っや・・・・・う、」
「イヤ、ですか?」
「そん、なっ・・・・トコ・・・・」

生理的な感覚で潤んだ目で欧丞さんを見詰めると、
すっと目が眇められる、
その視線が合わさったまま、
またも下へと降りていく欧丞さんの顔、
足と足の間、
主張を見せ始めたその部分に触れることなく、
欧丞さんは内股に歯を立てた、

「あぁっ・・・・あぅん」
「ここも、石鹸のにおいがします、」

歯を立てた部分に舌を出して舐めて、
ちゅっと強く吸い付くと、
いとも簡単に赤い痕が付く、

「環さんは、色が白いからキレイに付きますね?」
「やっぁっあ・・・・んっ」

ぺろっとまた痕に沿って舐めて、
その舌を這わせたまま下まで降りていく、
膝頭の裏にまで舌は這っていき、
また痕を残して膝にキスを落とす、

「やぅ・・・・・!」
「ここにも、キレイにつきました」

骨の沿って唇が降りたかと思うと、
足の甲にまで痕が残される

「ココにも・・・・・環さんの右足は全部私のモノです・・・・ほら・・・・」

まるで、
跪かれた女の人のような自分の姿に顔を赤くする、
何度も何度もキスを落としては痕を残して、
ついには足の指を舐められた、

「やっ・・・・・おうす、けさ・・・だめだ・・・よ!」
「どうしてですか?」

ちゅくっと、
音を立てながら小指を含まれて、
薬指との間に舌を差し込まれる
くすぐったいのに、
気持ちよくて
何だか戸惑うような感覚に首を振る、

「きた・・・な・・・・いぁ・・・・・ぅん」
「どこもかしこも、こんなにキレイですよ?」

順々に舐められて、
そんな所を感じる自分にびっくりして、
荒い息を零しながら、
物足りないような、
でも気持ち良い感覚に顔を顰める、

「やぅ・・・あ、あっん・・・・・・も、ぅ」
「もう、何ですか?」

触れて欲しい場所には触れられていない、
触れて欲しいのが分かっているのに、
はぐらかすように、
他に感じる部分を攻められて、
気持ちいのに、
凄く、
物足りない、

いまだ、
欧丞さんは指の間に舌を這わせ続けていて、
もう痛いくらいに張り詰めている俺の事を見てみない振りをする、

手加減できないとか言って・・・・・・
今日はイジワルモードだ・・・・!

こんな時は、
言わないと絶対に触れて欲しい場所には触れてくれない
欲しいと言うまでくれない、
でも、
俺は言えなくて・・・・・・ホントぎりぎりまで言えなくて、
どうしようもなくなって、
泣きながら懇願する、
言えばすぐに触れてくれるって分かってるけど、
でも恥かしい・・・・・

欧丞さんの柔らかい髪に指を絡ませながら、
指から唇を遠ざけてきて、
また内股に歯を立てては痕を残し続ける欧丞さんに視線を向ける、

「うぁ・・・・・・・っん、あ」
「どうして、欲しいですか・・・・・?」

触れて欲しい部分の近く、
足のつけねに舌を強く押し付けるように這わせて、
欧丞さんの頬が軽く触れると、
腰が跳ねる、

「ひあっ・・・・・!」

その瞬間、
頭が真っ白になって、
身体を組めて頬にキスを落としながら耳元に




「イジワル、しないでっ・・・・・・さわ、って・・・・・!」




早く




願いは聞き入れられる