□ スマイル0円なり ----- 2












今更だけど、

好きって何?
恋って何?


経験のない俺には全然さっぱり意味が分からない
それに比べて、
目の前の男は顔が良いだけにやっぱりおモテになって
好きも恋も分かってるんだろうと思う
分かってる人から
分からない人に
それを求めるのはどうかと思うのは、
俺だけでしょうか?

「で、高村君は返事を決めましたか?」
「全然まったくもって考えていませんでした」

お昼休み
教室の隅の一角
そこで交わされるお決まりの言葉

「どうしてですか?簡単じゃないですか」
「そりゃ〜秀才の杉原には簡単かもしれないけど、下から数えた方が早い俺には難題なんだよ」
「それもそうですね」

ってオイ、
簡単に肯定しないでくれますかね?
アンタそれでも俺のこと好きだとか言えるわけ?
ワケ分かんない

「何でしたら次回の後期テストの時、一緒に勉強しますか?教えて差し上げますよ?」
「マジで?良いの!?」
「えぇ勿論です」
「やった!じゃ〜教えて教えて!」

思わずその提案に食いつく
喜びのあまり、
一瞬だけ浮かんでは消えた杉原の怖い笑みには気づけなかった
その時点で俺、アウト

「杉原が付いていてくれたら絶対300位脱出間違いないね!」
「・・・・そんなに下なのですか?」
「あ〜そこは聞き流して」

思わずポロリと出てしまった言葉に唖然とする杉原
うん、貴重な顔だな〜
開いた口が塞がらないご様子

「そうですか・・・・では確実に100番は上げてみせますよ」
「うんっヨロシク頼むな!」
「えぇ」

何て笑った顔にはしっかり凝視
何だか笑顔の後ろに隠れた恐怖を垣間見れた気がした・・・・・
いや、しかしこの美味しい話しは無下には出来ません!

「で、話しは戻しますが本当にまだ分かりませんか?」
「うぅ・・・・・だって、俺そんな経験ないんだぞ!」
「経験、ですか?」

俺の言葉に首を傾げる
それを見つめながら机に肘をつく
いやーしかしドアップに耐えられる顔ですね杉原君?

「うん、そりゃ〜杉原はカッコいいからさ女の子にモテるだろ!そしたら好きも恋も分かるだろ?」
「そうでもないですよ?」
「嘘っ嘘だね!だって一度も付き合ったことないとかないでしょ!?」
「えぇ・・・・まぁ」
「それに告白だってされたことあるでしょ?」
「・・・・それなりには、」

ほら!
こうなったら経験値なんて俺より遥かに上じゃん!
ある意味勝負にもなんないじゃん!

「俺、そんなの一度もないし」
「いえ、高村君、一度はあるはずですよ」

俺の言葉にニコリとちょっと本物の笑みを浮かべた
うぅ・・・・・ドアップでは俺の方が耐えられなかった・・・・!!

「ないよ」
「いいえ、高村君の方が嘘ですね」
「えぇ!?」
「だって、」


僕に告白されたでしょう?


そう言っていっそう笑みが深まった
うわわわ・・・・・・!!

「・・・・・・・」
「経験なんていりませんよ、そんなものこうやって付き合っていく上で積み重ねればいいんですから」
「・・・・・・うん、」
「それに分からないことがあったら僕に聞いてください、教えられることは僕が教えて差し上げますから」
「・・・・・ホント?」
「えぇ・・・・勉強のことでも好きの事でも恋の事でもそれ以外のことでも」
「・・・・・・・」

全部、僕が教えて差し上げます
そう杉原が言う
その言い分はちょっと分かりやすい
分からないなら分からないなりに試せばいいし
聞けばいい
教わればいい
そうかもしれない

「うん・・・・じゃ〜杉原、俺に色々と教えてくれるか?」
「「はい、任せてください」
「・・・・・うん、ヨロシク」
「はい、こちらこそ・・・・・・では僕と経験を積んでいくために付き合いましょうね」
「うん、分かった」
「では今日から僕達は恋人同士ですね」
「うん」

巧みな話術に俺は頷いてからも気づかないでいた
でも・・・・・数十秒経ってから
少しおかしいことに気づいた

「・・・・・・・・・・え?」
「もう待ったはナシですからね?」
「・・・・・・・・・・えぇ??」






気づいても後の祭り

今日から俺は杉原と恋人同士になってしまいました






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腹黒敬語攻×天然ボケ受


の、続きです(笑)
丸め込まれて付き合うようになってしまいました!
気づいても遅い
おバカさんはやはりおバカさんでした、
やっぱり好きです
この組み合わせ


また続きを思い出したら
書きたいです!