■ 甘美な手錠
別に縛られているわけでもない、
押し付けられているわけでもない、
束縛とは少し違う。
ただ、
隣に立って、
俺の意識に、
入り込んでくる。
静かに立っているようで、
その存在は、
意識せずにはいられない。
気にしてしまう、
気にさせられてしまう。
余裕のなくなる俺、
優しく笑って、
その存在を誇示してくる。
「好きです、先輩」
「・・・・・」
「貴方の全てが好きです」
手を取られて、
口元に運ばれて、
言葉を零すごとに
吐息が触れる、
唇が触れる。
「先輩は、俺を好きですか?」
「・・・・・」
「好きと言って欲しいです」
「・・・・・」
「俺だけではなくて、先輩の声で言ってほしいです」
「・・・・・」
俺が欲しいと
口にする
声にする
行動にする
俺は、
声よりも
何よりも
その存在が
欲しい
「好きと言ってください」
「・・・・・」
「欲しいと言ってください」
「・・・・・」
寄せられる顔
少し傾けられた顔
少しだけ動かせば触れられそうな位置にある唇
でも、
与えてはくれない
「欲しいと・・・・言ってください」
「・・・・」
「言って・・・・お願いします」
「・・・・」
触れたい、
言葉よりも
その唇に。
「蛍太郎」
「・・・・・」
触れそうで触れられない位置は絶えられない
首に腕を巻きつけて、
自分へと引き寄せる。
声にしない
欲しいとは言わない
好きとは言えない
縛られる
声を
身体を
心を
逃げられない。
逃げないけれど、
緩く締め付けられる拘束
緩やかに
甘く
捕らわれる
□ 名前 □
蛍太郎 −けいたろう−
皐月
−さつき−
後輩×先輩で敬語攻めで無自覚鬼畜で・・・!
詰め込められる要素全てをつぎ込んだ二人。
触り、まだ触りですが!
ってか、何だか意味不明で申し訳ないです・・・
いや、いつもの事だって分かってますけど!
ちゃんとしたモノ、早く書きたいです。