■ どれも望まぬ選択肢













届かない、想い
行き先の無い、気持ち


諦められない
恋心


苦しくて

悲しくて

痛くて

嫌いになりたくて


でも


嫌いになれない


苦しみを終わらせたくて

悲しみを終わらせたくて

痛みを終わらせたくて


もう、
貴方を忘れたい


貴方を見ないことにするか
貴方の近くに行かないことにするか
貴方を想う気持ちを終わらすか
貴方にむける恋心を終わらせるしかない

苦しみも
悲しみも
この痛みをも

終わらせるには
貴方を
忘れるしかない






でも





「どれも望んでないんだよね、ちぃちゃんは」
「・・・・・」
「嫌いにもなれないし、忘れることも出来ないし」
「・・・・・」
「近くにいないと寂しいんだよね?」
「・・・・・」
「好きで好きで・・・・・・仕方ないんだよね?」
「・・・・・・うん・・・・」



目の前にある眼鏡の奥の瞳が苦笑気味に細められる
そのなかには優しさと・・・・少しだけの悲しみが入り混じった色をしている

僕は酷いことをしている
凄く凄く
酷くて残酷なことをしている

「何で・・・・みんな、僕を好きになるんだろう・・・」
「ちぃちゃん・・・」
「こんな僕を好きになって、答えてあげられないのに・・・」
「・・・・・」
「ハルの気持ちにも応えられないのに・・・・ハルに酷いこと言ってる・・・・」
「・・・・・」
「僕なんかを嫌いになってくれれば良いのに・・・」
「嫌いになんてなれないよ。」
「だって・・・ハルにこんな話ししてるのに!」
「うん・・・・でも、嫌いになんてなれない」

僕を好きだと言うハル
僕の事だけを好きでいてくれるハル

「でも僕は・・・・」

ハルの気持ちには応えられない

「あの人が・・・・好き」

あの人だけが好き

「うん・・・でも、嫌いになんてなれないよ」
「なって・・・よっ・・・」
「なれないよ・・・・だって、あの人の事を好きでいる、ちぃちゃんも好きだから」
「・・・・・」
「あの人に向ける幸せそうな笑顔もね・・・俺は好きだよ」

涙が零れる

「俺も好き」

あの人とは違う気持ちだけれど

「ハルも・・・一番好き・・・」

ハルがいないのも嫌だ
ハルがいないと嫌だ

「ゴメ、ン・・・・ね?」

こんな弱い僕でごめんね?


アノ人を嫌いになんてなれない
あの人を想わないなんてことが出来ない

でも
ハルがいないのも嫌だ
ハルがいないと嫌だ

あの人も好き
ハルも好き


「ごめんね?」




我侭で
ごめんね?






■ 名前 ■

ちぃちゃん 千尋−ちひろ−
ハル 晴喜−はるき−
アノ人 ?



ちょっと切なめで(笑)
とある人と名前が被ってますが間違いではなく、意図的。
ちぃちゃんと言うあだ名を使いたいが為に出来た話し・・・
したら結構な切なくなっちった・・・(凹)
ちぃちゃん総受っぽい話しかな?
でも、くっつくのは一人よ?