■ 愛の味















キスを繰り返す
触れては離れ、
また触れては離れ、
深くなっては浅く触れるだけのキス
舌を絡ませたり、
歯列を撫でられたり、
でもそこには欲はなく、
ただただ、
お互いを感じるだけのような行為、
あやされてる様な
気持ちの良いキス
眠くなりそうな緩やかな時で・・・・・

でも、
今、
自分にはソレを邪魔するものがある


少しだけ空いた息継ぎの間に漏れた言葉



「・・・・邪魔・・・・」

何に対しての言葉なのか、
主語は抜かしてあるのに
目の前の人物は、
フッと息を漏らす
目を細めて笑う
唇に微かに触れた吐息に震えそうになりながら
近づく指、
眼鏡に指をかけられて
外される
とたんにぼやける世界
形を失う
数十センチしか離れていないはずの目の前の顔も
歪んで見える
ぼやけて形がない
そんな事に苛立ちを覚えて、
眉間にしわがよる


見えない


「何?」
「見えない・・・・」
「お前、目ー悪すぎ」
「・・・・・人の勝手です」
「だったら不機嫌になるなよ」

自分勝手な俺の言葉、
理不尽な俺の言葉に微かに笑って
顔を寄せられる

目一杯の貴方の顔

「見えないなら近づいて来い」

イジワルな声と
イジワルな言葉

「・・・・」
「見える所まで近づいたら、ついでにキスしろ」

否定できない言葉と
否定を赦さない声

「・・・・アンタの方が勝手」
「結構」


そんな言葉に呆れていると
先程よりも荒く深いキスを施される
触れると言うより
煽るキス
体中に熱を満たす行為になって、
激しくなる、
どれも、
嫌いじゃない
首に腕を回して
よりいっそう深い繋がりを求める

見えない視界なら
見える所まで近づいて
ついでにキス

優しかったり
荒かったり
何でも良い
どんなモノでも
それが
アンタとなら




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【恋愛致死量】の2人

出来上がってから

ちょっとつけたし