■ 蝶よ花よ








可愛い

可愛い



零れんばかりに
大きな瞳

淡い雪のように
白い肌

林檎飴のような
紅い唇

絹糸のように細く柔らかい
黒い髪

ころころと
愛らしく笑う声は
鈴を転がすような澄んだ音のよう


誰からも
愛されるような
容姿をする君

ただ

君は
誰からも
疎まれる存在


「やしろ?」
「・・・・ん?」

物思いに耽っていたせいで目の前の子供の呼ぶ声に気付かないでしまった。
目線を下にずらせば、眉根を寄せられて悲しそうな顔がある

「すまない、考え事をしていただけだよ。」
「ほんと?」
「あぁ」
「おしごとの、じゃましてない?」
「していない」

それどころか、疲れを癒してくれている
窺うように問い掛けられるたびに傾く肩から、らさらと髪が滑り落ちてくる。

「それで、何かな?」
「んーん・・・なんでもないの」
「そうか」
「ん〜」

膝の上で黒猫と戯れる子供を眺める
隣に控えていた者がくつりと笑みを零した

「・・・何だ?」
「いえ、何も」
「・・・・笑いすぎだぞ、桔梗」
「申し訳ありません、主様」
「・・・・」

食えぬ顔色でも微妙に口の端が痙攣している
明らかに笑いを堪えていることが分かる

「何か言いたいのなら言ってみろ」
「では・・・・お変わりになられましたね?」
「・・・・」
「自覚がある事は宜しいことです」
「・・・・煩いぞ」
「はい、申し訳ありません」
「・・・・」

全然、反省のない謝罪の言葉
さすがにムッとした私の表情を読み取って、そそくさと理由をつけてその場を去る後姿を睨んだ

「まったく・・・」
「どうしたの、やしろ?」
「何でもない」
「ん?」
「・・・詞音、何か食べるか?」
「はい!」

きょとんと見上げていた顔に満面の笑みが広がる
その表情を見ただけで自分にもソレがうつって笑みが浮かんだ
そして、そそくさと逃げていった奴の名を呼んだ





■ 名前 ■

弥代 -やしろ-
詞音 -ことばね-
桔梗 -ききょう-

一気に思いついて書いてみました。
ショタものですか自分(汗)!?
ちちちち違うよっ!神様モノですよ(ぇ)!
弥代は悪に属する魔物の主様で、桔梗はその側近みたいな人。
で、詞音は早い話し、神様と魔王との間に生まれた禁忌の子供ってな感じ。
善にも悪にも属するけど、そのどちらにも相成れない存在?なので、疎まれてる。
うあ〜書きてー・・・・
でも・・・文才ねーー(凹)