■ エスカレーション













「好きです先輩!!」

来た来た来た来たーーーーーー!!
また来やがった!!

「マジで好きです!!」

よくもま〜飽きもせず毎日言えるもんだ・・・・

「付き合ってください!!」
「イ・ヤ・だ」
「何でですか!?」
「何でもクソもあるか、嫌なもんはイヤ!!」
「俺の愛が見えていないんですか!?こんなにも大きな愛が!?」
「見えねー」
「ショック!」

俺のおざなりな反応に、神よ!見たいな感じで嘆く。
マジでウザイ。
ウザイことこの上ない。

「ウザイ」
「ひどっ!」
「マジでどっか行って」
「俺のいるべき場所はアナタのそばですから!」
「大きな勘違いだ」

むしろ迷惑な勘違いだ。

「こんなに好きなのに・・・・!」
「へ〜」
「心の底から好きなのに!」
「ほ〜」
「アナタだけなのに!」
「ふ〜ん」
「・・・・・・」
「へ〜」
「・・・・・聞いてます?」
「聞いてない」
「聞いてんじゃねーかよ!?」

辻・・・あぁこいつの名前ね、ちなみに1年。
俺、3年。

「先輩に向かってイイ度胸してんじゃねーかよ・・・何だその言葉使い(怒)??」
「っすすすすすっスイマセっ(汗)!」
「てか、ホントにどっか行け邪魔」
「イヤです!」
「・・・・・」

何だってんだこいつは一体・・・
4月からこっちずっとこんな調子だ。
廊下でいきなり腕を掴まれたかと思ったら大声での告白。
遠慮もなく蹴り倒してやったが・・・・
そんな事にめげる訳でもなく、初夏と言う言葉もそろそろ終わりを告げる暑い日ざしになっても、未だ俺を好きだと言う・・・
それどころか激しくなりつつある。

「椎名センパ〜イ・・・俺と付き合ってくださいよ〜」
「お前と付き合って何があるってんだよ?」
「え?そりゃ〜もう有り余るほどの愛を!」
「いらねー」
「・・・・」
「泣くな鬱陶しいっ!で、他には?」

俺の即答にさめざめと涙を流す辻を一喝して先を即す。

「他には?ですか??」
「お前の愛の他だ。」
「俺の愛が一番ですけど・・・そうですね、次はめくるめく官能の日々ですかね!!」
「・・・・・・」
「ドロドロに溶けてこれでもかてくらいの愛と官能と快楽を先輩に捧げたいと思いま――」
「黙れエロ餓鬼がーーーーーーー(怒)!!」


お前と出会ってから二度目の綺麗に決まった飛び蹴りを見舞わしてやった。




□ 名前 □

辻 -ツジ-
椎名 -シイナ-


攻:1年、受:3年の年下攻。
ちょいと珍しげ気味に!
オイラ基本が年上攻の方が好きなものでして!!
でもノーマルカプになると年下が結構あったりする・・・