■ 若き日の汚名















こんな所で
こんな形で
バレようとはっ!!
くっそ!!
覚えてやがれ!!

目の前には千紘の膝の上に座った哀流がいる。
目に涙をためて、俺を睨んでくる。
色々な修羅場をかいくぐってきた俺からしたら、哀流のそんな睨みなんて屁でもない、屁でもない筈だった・・・・しかし!
しかしだ、睨んでくる相手が、どんな理由で睨んでくるかによって違ってくる。
それが悪意を含んだ睨みだったり
好戦的な睨みだったり
挑発するためだったら俺だって怯まない。
けれど、哀流の涙を浮かべた傷付いたような目で訴えるかの如く睨まれれば話しは別だ。もう、言い訳しか言葉が出てこない。
スッゲーーーーーー情けない俺。
話しの発端は、昔馴染みの持ってきた白い箱。中に何が入ってるか知っていれば開けなかった。哀流の目の前で開けるなんて事しないで、塵も灰も残らないように抹消した!
しかし、俺はその存在を忘れていたのだ!
この中身が何が入っているか!
綺麗さっぱりと!!

「最低っ」
「!」

何度目か分からない哀流のその言葉。
ぐっさりと刃物の如く突き刺さる、その凶器の言葉。

「あ〜・・・あ〜う〜」
「最低!」
「スンマセン」

今にも零れ落ちんばかりに溜まった涙をそのままに声を震わす。
後ろの千紘は苦笑を浮かべている。
けど、助け舟なんて出さない所を見ると見た目ほど穏やかではないのだろう。早い話し千尋もキレてると言うわけだ。
絶体絶命とはこのことか?
身をもって知らされる。

「言葉も無いです・・・・」

箱に入っていたのは・・・いわゆる、アレなんです。
ハメ撮りってやつ?
しかも相手が千紘ならともかく(ともかくか?)・・・何だ・・・・見知らぬどっかの名も知れるお姉さんな訳なんですわ。
外で大暴れしてる頃の汚名。
若き日の至り?
その日知り合ってその場でそれだけの関係の相手たち。
ましてや俺だけではない。
他に一枚に数人の女と俺だったり、一人の女と俺の他にあと一人男がいたり・・・もちろん真っ裸で・・・・・!
もう言い訳もあったもんじゃねーな、オイ(焦)!!

「嫌い!」
「ああああああっ哀流君!?」
「嫌い嫌い嫌いきら〜〜〜〜い!!」
「っ!!」

そんな大声と共に大きく振りかぶって食らわされた・・・平手・・・なんてモンじゃない!!
回し蹴り!
ドゴっと派手に音を立ててキマッた。

その後、機嫌が直ったのは半月後である・・・・・

長っ!!





またもや、お気に入りの3人。
おイタが過ぎた宮古センパイへの鉄拳制裁。
拳じゃなくて足だけど(笑)
アンタ・・・でも、どんだけ遊んでたのさ!?
ですね。