■ Sugar Day ---------------- 安良川高校をヨロシク!!














ココは都内にある男子校
地元じゃちょ〜〜〜っとだけ名前が知れ渡っちゃってたりする
何が自慢って?
上と下の差がそれはもう月とすっぽんの勢い
東大を目指すような真面目で勉強だけの者もいれば、
昨日の夜に補導されちゃったーとか煙草あるかーと言う者もいる


それでも毎日が平和な高校ライフ
みんな仲良しアラ高生




そんな安良川の有名人と言えば?
誰もが口を揃えて【アラ高の四天王】と言うであろう、
ここら辺りで【四天王】と言えば誰でも知っていて、
迷うことなき間違える事無くその四人の名前が挙げられる


では実際にその生徒たちを垣間見てみようではないか
ココは安良川高校の三年の教室が並ぶ1階西校舎、
【四天王】の一人が端から4番目の教室『3年4組』にいた
覗いてみると・・・・・・

「野〜球ぅぅすーるならーこういうふにしやさんせ!」
「あうとーーーせーーっふヨヨイのヨイっ!!」
「ヨヨイのヨイ!!」
「ヨイっ」
「っしゃーーーーーーーーーーー!!」
「ぐはーーーーーーーー!!」

拳を高く振り上げる男の目の前で床に跪く男

「あははは〜〜ん、伊川く〜〜ん??」
「っく!!」
「ま、三回続けて負けたら・・・・全部脱ぐっての、覚えてるよな?」
「・・・・・・なぁ・・・・そのルール、考えn」
「往生際が悪いなぁぁ・・・・・・・・ヤロウ共っ伊川の服を毟り取れ!!」
「「「「うおーーーーーーーーーーーー!!」」」」
「っぎゃーーーーーーーーーー!!」

数人の級友に制服を脱がされているストロベリー・ブラウンの髪をしたのが【四天王】の一人、伊川 - いがわ -
特記事項、破滅的にジャンケンが弱い
得意技、逆ギレ

「何さらすんじゃっバカヤローーーーーーーーーーーー(怒)!!」

3年4組が今・・・・戦場と化す・・・・・

所変わって、
破壊音が激しい4組の隣『3年5組』は比較的静かに感じる
晴れの日差しが近頃暑く感じ始めるこの季節、
窓際の一番後ろの席で一人の男が惰眠を貪っている

「すよすよ・・・・」

そんな漫画みたいな擬音を立てながら寝ている男の名は、遠野 - とおの -
日に透けても真っ黒髪の大男、
そんな男の隣の席では級友が賭けをしていた

「なぁ・・・・今日の遠野は何だと思う?」
「こんな晴れた日だしな・・・・」
「いや、分からんぞ?昨日の何かを引きずっていたら、今日とはかけ離れているはずだ」
「う〜〜ん・・・・・じゃぁ俺は『晴天』で!」
「俺は『怒』だな!」

勝った者の賞金は、購買の得盛り焼きそばパン、
限定5食の幻のパンだ、

「そろそろだなっ」
「あぁ!」

二人が黒板の上の時計を見つめること数秒、

き〜〜んこ〜〜〜んか〜〜〜んこ〜〜〜ん・・・・・・

鐘が鳴り響く、
惰眠を貪っていた男が急に起き出した・・・・・一瞬の間のあとに大きく欠伸をしたかと思うと、
腕を天井に伸ばしてバキバキと背骨を鳴らす

「ふぁぁぁっ・・・・っふ・・・・・」
「よ、遠野おっはよー」
「メシ食おうぜぇ」
「・・・・・・おぅ・・・・・」

目に浮かんだ涙を制服の袖で拭ったかと思うと徐にその服を脱ぎだした、
その下から現れたのは・・・・・
白地のTシャツにデカデカと、

『我武者羅』

と書かれていた・・・・・・ちなみに手書きで、
しかも漢字で、
一瞬・・・・級友は何と読むのか考えたのだが、
後ろの方で『今日は(がむしゃら)かよー』との声を聞いて理解する、
どちらも外れていた、
特記事項、遠野シャツには必ず文字がある
得意技、ハイスピードの寝つき

今日も商品お預けな5組の2つ隣、
『3年7組』には2人の【四天王】が揃っている
机を向き合わせて一人は組んだ手の上に額を乗せ、
もう一人は競馬新聞を広げて赤丸を付けている

「っち・・・・今回も本命かよ、マジうぜー」
「・・・・・・・」
「少しくらいは倍率デケーの来いってのなぁぁ・・・・・っし、1−5−9っと・・・・」

何処のオッサンか!?と聞きたいような男の名は、高梨 - たかなし -
今日も綺麗にマッドブラウンの髪を邪魔にならないように縛っている、
その髪に揺れるのは見たことあるようなウサギの顔・・・・・・

「つーかよー・・・・・お前、何なの?今日朝から重いんですけど?」
「・・・・・・・・」
「無視ですか?無視するんですか?そーですか、そうなると悪戯されても文句は言いっこなしよ?」
「・・・・・・・」
「はい、だいごろー縛りの刑けってー」

承諾も無しにいそしそと、
焦げ茶色の長めの前髪を赤くて丸くて白い水玉がついたゴムで括っていく、
ちなみに彼が付けているものも無断で級友を縛っているもののゴムも高梨の妹のものである、
ちなみに今年で5歳、おませな幼稚園生
特記事項、趣味賭け事の兄バカ
得意技、人の話しを聞かない

「みっしょんいっぽっしぶる、プロの成せる業だな・・・・・どうよ、俺の腕?」

早くも弁当を広げてかっ食らっている隣の級友に出来上がったシロモノを指差して問えば、
ごはんつぶを盛大に付けた男が、

「あーーあーー上出来、上出来」
「うっわ、馬鹿!口にモノ入れたまま喋んなっ飛ぶ!!」
「むががごふ!!」
「きったねーなぁオイ!」

飛んできた白い粒を器用によけながらその友人の頭を新聞で殴りつけると、
んじゃ聞くなよ!!と恨めしそうに睨まれた、
それを軽く無視して

「で、お前は何が言いたいわけ??」
「・・・・高梨・・・・・・」
「んあ?」

ぐしゃりと歪めた新聞を綺麗に広げなおして問いかけに目線を上げずに返すと、
何かを思いつめたような声が・・・・

「実はさ・・・・昨日、ちょっと彼女にオネダリされたんだ」
「っほ〜〜あの可愛い条塔の?」
「おぅ、でな・・・・『アタシ的にお勧めはバニーだと思うの、でも見た目を考えるとやっぱ猫耳?』」
「・・・・・・・・」
「『ほらアタシ達って三つ子でしょ?だからこの顔であの顔に猫耳つくのとウサ耳つくのどっちが可愛いと思う?』」
「・・・・・・・・」
「って聞くんだ・・・・・なんて答えたら良いんだろうか・・・・・・?」
「・・・・・・・・」

好きで好きでたまらない年下の彼女、
何でも笑って答えて許してお願いなんでも聞いてあげたいのだけれど・・・・・
如何せん、この彼女の思考があまりにも自分とかけ離れていて理解するにも時間がかかる、
上にどんなに頑張っても理解できないこともあるのだ、
そんな微妙な恋の悩みを打ち明けるのが【四天王】のトップ、管波 - くだなみ -
特記事項、胃潰瘍持ち
得意技、ため息

「・・・・・・大穴狙いでミニーでも良いじゃねーか?」
「・・・・・ミニー・・・・・?」
「ネズミの国の支配者のガールフレンドで、噂の影の支配者じゃねーかよ」
「え、あれってそんな世界だったけか!?」
「なにお前しらねーの?遅れてんな〜〜」

嘘を吹き込む長年の付き合いの高梨、
昔から鵜呑みにする管波、

「え、え、え、え!?」
「第一、あってんじゃねーかよ・・・・・彼女ちゃんのお兄様に?」

数度会ったことある管波の彼女の顔を思い出す、
ちなみに全くもって好印象なのかそうでないのか分からない初体面だったことは覚えている、
第一声が
『貴方もやっぱりホモ?』
なのだから・・・・・まぁ当たってるようで当たってないような気がしているので、
好印象なのかそうでないのか未だに悩んでいる、

「そうか・・・・・うん、今日会ったら言ってみるよ」
「おう、そーしろ」
「んじゃ〜〜メシ食うか!!」

晴れやかすっきり顔の管波がカバンの脇に引っ掛けられた袋の中から長さ50センチのコロッケパンを取り出し、
その隣では丸々一個のレタスと塩を取り出す高梨、

「「いただきます」」

手を拝むように合わせてちょっと遅れた昼食を始めたのだった、





そんなオカシクも楽しい面々がまだまだいる安良川高校をヨロシクね!!