■ 年末年始だぞ、双頭会全員集合!!









「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃじゃやじゃーーーーーーーーーん!!」

大声を上げて入ってきた男、
その様子だと酒が入って良い気分で騒いでいたのだろうと思う
そんなテンション
思考の片隅でそう分析すれば
部屋にいた約100人近い男たちが一気に部屋の壁際に逃げて張り付いた
悪魔が来たー!
何て声が聞こえる

「・・・・・悪魔?」

あまりの声の大きさに顔を顰めて振り返れば
誰かが俺をニコニコ笑顔で覗き込んできた

「・・・・・・・・・」
「俺の今回の本命みーーーーっけ」

ちゅっとデコにキスされる
誰だコレ?
その顔を見続けること数十秒

「あ」
「ん?」
「たしかーーーえーーーっとーーー」

名前、名前を聞いた
聞いたはずなのに酒の威力は怖い
思い出せない
うーーーんんと唸って思い出させようとしていたら
目の前の男が俺の横に視線を向けた

「わ〜お馨ちゃーん!」
「久保田さん・・・・相変わらずテンション高いわね」
「美人さんにも、っちゅーーーー!!」
「はいはい」

がばっと!抱きついてその馨さんに言葉通りにキスをしている
軽い触れ合わせを何度も
したら背を向けて這いつくばって逃げようとした大谷君の足を掴んだ

「大田にちゃーん!一年ぶりだねー久しぶりーーー!!」
「っ・・・・・!」
「逃げんなよ〜ん、罰としてべろちゅー決定!!」
「い、い、いやだーーーーっ」

無表情だったはずの大谷君の嘘みたいな顔の変化に
思い出すのを止めて見る
したら宣言どおりにべろちゅーをちょうど一分間されていた

「ごちっ」

ふっと離れて畳に倒れこむ大谷君をゆっくりと降ろして
いやーもーそれはそれは壮絶に艶っぽい顔でそんな事を言ってくれた
大谷君は顔真っ赤です

「あ、」
「お?」
「アンタ」
「ちっちっち!名前で呼ばないと苛めちゃうぞー」
「えーーーっと、」
「って聞いてっか、オイ?」

何か言ってるのを流して指を差す
俺がしたように目の前の男もその指を咥えた
でも噛むんじゃなくって吸われたけど

「そうっ久保田和泉!」
「ピンポーーーーン!!」
「赤いコートの人!」
「いえーーーっす!ご褒美にちゅーーーーー!!」
「うぉ?」

ご機嫌にちゅーーーーっと顔を近づけられる
その顔がまさに吸い付く寸前に

「ストップ!」

声がかかって
俺の口と久保田さんの口との間に手のひらがあらわれる
上を見上げたら

「あ、西園さん」
「っち・・・・・いい所で・・・・・」
「いい加減にしてもらえますかね、これ俺のモノなんですよ」
「っへーーーそうなんだ」

西園さんが俺の肩を掴んで久保田さんから引き剥がす
が、その差を埋めるようにズイっと身体が寄せられてくる

「で?」
「で?とは?」
「だから、お前のモノだから何?」
「普通は人のモノには手を出さないでしょう?」
「ふーん、普通はね、うん普通は・・・・それで?」
「・・・・・・・・」

凄い、
あの西園を困らせてるよこの人
俺を抱きこんでる西園をちらりと見上げれば
苦虫を噛み潰したような顔があった
貴重な体験に他人事のように傍観することに決めた

「俺が手を出しちゃイケナイ最大の理由にはならないね、残念」
「理由とかの問題じゃないでしょう」
「ダメダメーしっかりとした理由をつけなきゃ聞いてやんねーよ」
「聞けよ」
「聞くかボケ」

すっと空気の変わった西園に、
怯むどころか久保田の笑みが深まった
それを目の当たりにしている俺はと言うと
その笑みに惹かれていた

「わーーーーお、キレイに笑いますねー」
「そう?でも桂木ちゃんには負けるよ」
「そうですか?俺はそんなにキレイじゃないですよ?」
「そうかな?俺はとても、君が可愛くて仕方ないよ」
「・・・・・・・・・・・」

うわーーーーこの人何だか凄いこと言ったよ
聞いた?
ねぇ聞きました?
遠くの方で菅が体中を掻き毟って暴れている
近くの斉藤さんや馨さんが
視線を逸らして声に出さずに『タラシめがっ』なんて言っている
俺も思う

「スイマセンが、これをタラシこむの止めてくれます?」
「自分ができないからって僻むなよ」
「っ」

痛いところを突かれたらしい
そうだね、
そうかもしれないね、うん

「僻む男はカッコ悪いぜーかっこわるー」
「僻んでません」
「無理スンナ、な?」
「無理もしてません、言いがかりです」

もーそう言ってる時点で僻んでるし無理してるって
いつもの西園のあれはどうした?
負けてるぞ?

「頑張れ西園さん」
「他人事のように言うなメイジ」
「そうですかね、」
「そうだぞ西園、早く俺に打ち勝てる男になれ」
「貴方に勝てたら天下取れますよ」
「俺は神だ!」

なーーーっはっはっははっは!!!
と何だか壊れた笑いを上げたかと思うと、
スクッと立ち上がって
だーーーーーっと恐怖に固まる集団に突っ込んで行った
そして始まる地獄絵図
阿鼻叫喚
逃げ惑い悪魔に捕まった男の行く末は畳に転がる屍の如く
それを横目に見ながら、
気分害したと言いながら俺を引き摺り廊下に出る西園に連れられて
別の部屋に連れ込まれた俺
そこからアノ部屋がどうなったのかは残った菅も斉藤さんも教えてはくれなかった



おわり






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微妙でスイマセン(汗)
そして西園が微妙にヘタレて自分的にグッド!だと思ったのは秘密です
やはり誰も久保ちゃんには勝てないと言うことです、うん

長らくお待たせしてしまった挙句に微妙な終わりで申し訳ないですっ
呼んでくださって、
お付き合いくださってありがとーございました!!