■ 種も仕掛けも無い
「これより久坂テンチョーによるイリュージョンをお披露目したいと思います!!我が助手には久保ちゃんと瞬ちゃん!得とご覧あれ!!」
手を前に片膝を折って紳士らしく気障に一礼する久坂。
その横では愛想笑い全開の仲原と不機嫌満開の久保田。
「今日お見せいたしますのは、切断マジック!!」
イリュージョンとか良いながらマジック。
観客席から軽い突込みが入るが言った本人は無視を決め込む・・・・
と言うより自分の世界に入り込んでいて全然聞いていない。
「では今回入ってもらいまするは、愛しき久保ちゃん!!さ、久保ちゃん入って!
不貞腐れたように立っている久保ちゃんを紳士的にリードする・・・が!
「やだ。」
「や、やだって久保ちゃん・・・・・大丈夫!絶対に怪我しないんだから、ね?」
「いや。」
「くく・・・久保ちゃ・・・!!」
「い〜〜や!!」
頑として譲らなくそっぽを向く。
焦る久坂。
ギャラリーは始まらない事にブーブーと文句を言う。
「こら〜久坂テンチョー早くやれよ〜!それともできないんか〜!!」
「うっうるさいぞ三嶋!」
「あっはははは〜振られてやんの〜〜!!」
「馬鹿マチコ!振られてねーよ!愛しあってんよ!!」
「愛してません、これっぽっちも。」
「久保ちゃっ・・・・・!!」
「カッコ悪ー」
「そんな顔で言わないで大江!!」
「って言うかテンチョー?ねぇテンチョーって?」
「突っ込みどころはソコじゃないからハチ!!」
「イメクラのテンチョーなんだって・・・・」
「イメクラ?イメクラって何??」
「一条!!変なこと吹き込まないでお願いだから!」
「イメクラってのはね・・・・」
「黒ノ慎!説明は良いから!ってかすんな!!」
「・・・・・サイテー」
「ちっ違!違うから久保ちゃん!お願い誤解だから!」
もはや何の集まりかも分からなくなって来ている状況。
一々とギャラリー+久保が言うことに突っ込みを入れる久坂。
仲原はふと何かを思いついて・・・・
「ねぇ・・・・壱、良いこと思いついたよ。」
「え?何瞬ちゃん??」
ここで問い返したのが運の尽きである。
ニコニコと上機嫌に笑みを浮かべた仲原に危機感を感じていれば良かったものを、
久保田に気を奪われていてそれどころではなかった。
「壱が箱に入ればいいんじゃん?」
「ぇ・・・・・・・??」
すると、今まで不機嫌顔で暴れていた久保田が大人しくなり次の瞬間には大変晴れやかな笑みを浮かべていた。
「なるほど!!」
「え?」
「良い考えだよね久保田?」
「えぇ?」
「大賛成!」
「えぇぇ!?まっ待ってちょっと!!」
大焦りで止めに入るが久保田も仲原もやる気満々である。
「やっやり方知ってんの!?」
「やられ方なら、数分前に。」
何だか微妙な発言、久保田。
「逆をすれば良いわけだし簡単だよね、久保田?」
「簡単簡単。大丈夫、絶対に怪我しないから。ささっ入って久坂!!」
「ちょっと待って!絶対に危険だって!絶対危ないって!逆って?逆でできるわけないじゃん!!」
無理やり押し込められながら、そう叫ぶ久坂。
しかし・・・・もう後の祭り・・・・・
がんじがらめに鎖を巻かれた箱の中に入れられ、
その両隣には鋭い刀を持った久保田と仲原・・・・
用意していた小道具とは違っている。
「って、何ソレ!?いつの間に日本刀!?」
「あぁコレ??コレは我が久保田家に伝わる家宝だよ。今日この日のために蔵から出して来たんだ!」
「ってマジもんじゃないっすか!?」
「うっわ〜〜スッゲー切れ味良いーーー!!」
隣で大根をスパスパ切りながら感嘆の声を上げる仲原。
尋常ではない切れ味を披露している。
「だろう?この日のために1時間かけて刃を砥いだからな!」
超絶自慢げな久保田。
スッゲー涙目でそれを見ている久坂。
ギャラリーはこの後の展開をキラキラした目で見ている。
「久保ちゃ・・・・・瞬ちゃん・・・・」
とっても悲壮な声で二人に呼びかけるが・・・・それはそれは悪魔のような笑みで久坂に笑いかけた。
「では、これより仲原と、」
「久保田による、」
「「切断絶叫ハラハラドキドキワクワクボタボタ・ショーの始まり始まり〜!!」」
「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「「せーーーーのっ!!」」
ズトン
その後・・・・
見回り来た警備員に白目を向いて泡を吹き気絶した久坂が発見された・・・・
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