■ 無自覚な女王様と語る良くある日常と、それ以上にあるかもしれない非日常





































隣ではニコニコと珍しく満面の笑みで廊下を闊歩する久保田和泉、
先ほど、
鬼のような・・・・・
いや、鬼の方がまだ可愛いだろう!と思わせるような地獄絵図を描いた人とは思えない
そんな満面の笑みで廊下を我が物顔でねり歩く
凄い、
凄いこの学園に溶け込んでるよっ
さすがっさすがだぜイズ君っ
大好きだ!

そんな隣を歩く俺の憧れの人を、
周りは目で追っていた
通り過ぎれば振り返り、
誰かと共に入れば『誰だろう?』そんな風に首を傾げあっている
周りは見慣れない人物に興味津々だ
ま、
見慣れなくってもイズ君の持つ雰囲気に惹かれてるんでしょうね!
うん、そうだっそうに違いない!
惚れた欲目でも何でもねーぞ!
事実だかんなっ

「うへへっへへー」
「ナナ、すっげーキモ可愛いね〜」
「うはははははvv」
「あははは、可愛いーキモイー」

俺を見ながら指差しながらイズ君まで笑う
俺もつられて笑いを深くする

「すいません、そこで七緒が嬉しがる要素がどこにあるのか分かりません」
「はい、ボクも一言!そこで久保田が本音っぽいこと言ってもキレないこの子の真意が分かりません」

三嶋と諫早が顔を顰めて笑いあう俺たちを見詰めている
呆れ20%
不気味に思ってる75%
残りの5%はきっと友達価格

「そんな俺たちの友情、プライスレス!」
「ノープライス、ノーサンキュー」
「のし付けて返すから、いらんから」

諫早様は胸の前で×印
その隣の三嶋って人はシッシと犬を追い払うジェスチャー

「そこに愛はあるのか!?」
「古いネタには反応しないことにしてるんで」
「同感です!」
「にゃーーーーーーーーーーーーー(怒)!!」
「あはっははっはーーーナナ、可愛いぞ〜!!」

最低っ
最低よあなた達!!
天誅ーーーーーーーーーーー!!

あらぬ方向を向く2人に飛びかかろうとしたら
ガバリと背中から抱きつかれる、
腰に足が巻きつく
お、お、重い(汗)!!

どべしゃ

「いた!」
「弱ぇぇ!!あいっかわらず弱いぞナナーーーーーーーーーーーー!!」
「嬉しそうに言わないで!そして人の上で暴れないで!イタ、イタタタっ髪引っ張んないでーーー!!」
「はいよーーーしるばーーーー!!」
「「古っ」」

ご機嫌なイズ君は相っ変わらず扱いづら!!!
うん、
もーーー自由人なんだから!!
少しはちょっとだけでも周り見ようよっ

「俺について来い!」
「その前に下りてーーーー!!」

大暴走中のイズ君
さっきので少しは体力失ったのかと思ったのだけれど
杞憂に終わったような?
いや、
いやいやいやいや、
きっと準備運動だったんだね!
そうなんだね、きっと
あれが準備運動だなんて傍迷惑も良いところで
むしろかなり大変だったけど!

「あーーーー力有り余ってんなぁ」
「・・・・・・」

オイオイオイオイ、
何それ?
さっきの大変さの意味は何!?
すっごく大変だった気がするんですけど!
さっきは修羅を垣間見ちゃったんですよ!?
そして朝は散々だったんだけどーーーーー!!
でも、
まーー終わりよければすべてよし!!と言うくらいだし、
イイね?
イイよね?

「良いんじゃない?」
「だ〜よねー」
「まー血は簡単には落ちないけどね」
「でもホラ、ココ金持ち高だからさ」

そうだった
そうだったよ、

「「「「世の中、金だね」」」」

4人で納得
深く頷く
世の中の事ちょっとだけ垣間見ちゃったね!
そんな大人への第一歩的気分で廊下を闊歩すればとある大事なことを思い出す、
そこ!!
遅っ!!とか言わない!!

「あのさ、そう言えばイズ君なんでこんな時間にこんな所にいるわけ?」

そうだよ、
まー昨日の夜のせっかくの約束をドタキャンしちゃったけど、
だからと言ってイズ君がここまで足運ぶことでもないしな
そこはシビアだかんな〜イズ君ってば

「ん?あ〜うん、友達がねここにお兄さんが通ってるって言うからついて来た〜、ね?」

ね?って、
振り返る
そこには大欠伸中の諫早様

「ふぁぁぁあぁあああ・・・・・っふ・・・・・あ?」

涙が浮かんだ目尻を豪快にシャツの袖で拭う
そんな顔に似合わないことをしてくださるアナタがステキです

「・・・・・ねぇ三嶋は?」
「さぁ?」
「・・・・・・・・・・」
「あ、でもさっき『好みのタイプ見っけ!』って言って駆けてった」
「・・・・・・そう、そうだろうね・・・・うん、もーいいや」

イズ君、深くため息
その後に何事も無かったように笑った
早っ
立ち直りと切り返しがめっちゃ早っ

「ま、そう言うわけだよ」
「ってどんな訳!?」
「まー良いじゃん、ただ付き合いで来たの〜」

あーまー
要するに、
暇ってことね

「そんな感じ」
「そうですか、」
「で、この学校にさ〜知ってる奴いるかな〜とも思って見に来たってのもある」

にや〜〜〜〜〜〜っと、
笑う
はっきり言おう
背筋に悪寒どころじゃなくって氷水を垂れ流されたくらいにゾゾゾゾっと盛大にした
愉快犯とか、快楽殺人者とかそんな危ない人方面の笑み
いや、
そんな笑み見たこと無いけど言葉に表すのに正しいのはコレだと思うのね!?
要約すると、
怖い!
怖かった!
何だって言うくらいに怖かった!!

「でも、三嶋は別の意味で来たのだよ」
「・・・・・・何?」
「うん、今日の朝みたいなことしたようなのを、しに?」
「・・・・・・・・・・」

だから、
だから簡単に切り換えたのね
切り換えられたのね!?

「きっと手当たりしだい目に付いた人間タラシ込みに行ったね、ありゃ〜」
「・・・・・・・・・・」
「ま〜三嶋はそのために来たんだからなんだけどね〜」
「・・・・・・・・・ステキナオトモダチヲオモチデ」

俺の感ってばけっこう鋭かったのね・・・・
そう感心せずにはいられないって言うか自分の鋭さに乾杯!
俺が心で無感情に拍手をしていたら、
キョロキョロを止めたまま先ほどの怖い笑みを100倍に薄めて、
温い笑み
下手すりゃ〜冷たいかも知れない笑み

「いや〜〜思ってた通りに、この学校には見たことある奴らいるな〜」
「え?」
「ぁ、ほら今さ俺を見て逃げてった奴とか、あいつは部屋に閉じこもりやがった」
「えぇ?」

何それ!?
言われた方向に目を向ければ青い顔した数人の生徒が全力疾走で来た道を戻り、
部屋から出ようとした生徒は思いっきりドアを閉めて鍵までかけている、

「ドンナゴカンケイデ?」
「・・・・・・・ほらよく言うじゃないか、百聞は一見に如かず・・・・ってさ、」
「・・・・・・・・」
「上には上がいるんだぞvっておもいしtt・・・・じゃなかった、後学のために教えて差し上げただけだよ?」
「・・・・・ソウデゴザイマスカ、」

敢えて深くは聞かないことにします、
むしろ聞かなかったと事として流しておきます、
そうしないと、
せっかく100倍に薄まった危険笑いがいつ再発するか分からないしね!
むしろ濃くなるかもね!
はい、
デリートデリート!!
はい、消去!!

って・・・・・待てよ、
待て待て待て、
って言うかそうすると俺も知ってたりするのか!?
知ってちゃったりするのですか!?
俺のこと知ってたりする奴らか!!

「あー・・・・でも、七緒とはたぶん、そんなにかかわりない奴らだよ」
「よかっt・・・・・・って、軽くスルーを今までしてたけど俺の心の中を読むのはどうかなっと・・・・常々思うのですが、」
「あー無理無理、読むんじゃなくってナナの場合はね聞こえてくるのよ、まるで声にしてるが如くね?」
「・・・・・・・俺ってサトラレ?」
「あの映画には泣けたな〜箱ティッシュ一個使い切った」

いや、それじゃ無くって
いや、俺も泣いたけど
何でだかそばにあったのが箱ティッシュじゃなくってトイレットペーパーだったけど、
もちろん使わせてもらったけど・・・・・!!
それっとどうよ!?的なね、
そこはかとなく策略感じちゃうのはアレね、
弟の特権?そんな感じ、





昔の苦い思い出を同時に思い出してしまって泣きそうになってたら、

目の前から知った顔が歩いてきた

厄介だね
寧ろ煩いからさ
つーか諫早様は立ちながら眠ってるしーー

器用だ・・・・・・