■ 不法侵入者に要注意、出会ったならその時こそ生き地獄へまっしぐら!!
































榛原が息を引き取る数時間・・・・・までは行かなくとも、
一時間前に怪獣は本土に上陸した

な〜〜〜んて、
煽り文句が似合うほどの登場の仕方をしてくれた目の前の人物、
彼の有名な・・・・・
一部では絶大な名を馳せる、
久保田和泉、その人である






+++ 一時間前 +++






あの出来事のおかげで俺は泥のように眠った
ドロドロと溶けるようにベッドに入ったまま夢も見ることなく、
寝返りさえ打つことなく眠った、
まさしく泥睡、
え?
漢字が違う?
いいじゃないか、
むしろ大当たりじゃないか、
泥睡、
俺のためにあるような言葉じゃ〜〜〜ないか!?
で、
延々と、
昏々と眠りについてました、
隣でって言うか意識の外で何かが聞こえていたのですが、
あまりの眠さに起きることも出来ずにその音と言うか声を意識の外れで耳を澄ませました

「*****!?」
「****」
「*****!!!」

耳を澄ませましたが何を言ってるか分かりませんでした、
もう良いです、
眠らせてください、
騒ぐならよそ行ってよ、
死んだように眠らせてくれよ、
起こすなよ、
揺り起こすなよ!!

「うぅ・・・・・ね、むい・・・・」
「起きろーーーー!!」
「ぅぐふ・・・・」
「七緒ーーーーーー!!」

ゆっくりゆっくり浮上した意識で認識したその声は、
珍しい焦ったような諫早様の声・・・・

「・・・・・救心・・・・救心飲んだら、生き返るから・・・・・ね?」
「意味わかんない!!意味ぜっんぜん分かんないよ!!」
「だ・・・・・ったら、正露丸で、がまんs」
「七緒ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

ぎゃーーーーー!!
って、
泣き声交じりに諫早様が叫ぶ、
うぅ・・・・・
寝かせて・・・・・お願い、
こればっかりは、
どうしても無理・・・・・・

「何々、楽しそうvv」
「ひぎゃ!」

叫ぶ諫早様の背後で聞いたことのない声が重なる、
その声がしたと同時に諫早さんが俺の上で固まってくれた、
あぁ・・・・・
動かないと思ったら諫早さん、
俺の腹の上に馬乗りになってまーーー・・・・
うん、
金縛りじゃなかったのね?
うん、
ちょ〜〜〜〜っと苦しいかもしれないね?

「俺に、それかして?」
「いやっ無理!!」
「無理?無理じゃない無理じゃない」
「無理ーーーーー!!」
「大丈夫、大丈夫!」
「無理ーーーーーー!!!」

何だ?
何なんだ?
さっきから、誰が何が大丈夫で無理でもないんだ?
今度はやっと意識もはっきりして瞼を上げられるようになった、
だからと言って俺ってばちょ〜〜っと、
視力が弱いので霞みかかってる、
うん、
諫早さんの後ろに何かいる、
何か?いる?

「ってかアンタっどっから入ったの!?」
「え、普通にあそこから?」
「あそこ!?」
「うん、ちょうどよく鍵が開いてた部屋の窓から入ってきた」
「普通じゃないよそれ!」
「は?どっからどう見ても普通でしょー」
「違うっ全然まったくもって見当違い!!」

諫早さんと誰かが言い合っている、
って言うか、
どこのどなたか存じ上げませんが、
貴方の普通の定義が間違っていませんかね?

「はいはい、まー何でも良いからそれで遊ばしてよ、はいちょっとどくー!」
「ぅっわ!!」

ドサっと何かが落ちる音がして、
体が軽くなったかと思うと次にはもうちょっと重みが増した何かが俺の腹の上に乗った、
ケタケタと何が楽しいのか笑い声を上げて俺に顔を寄せる、
数センチと離れていない距離に近づいたおかげでその顔を認識できた、
見たこともない人、
何だかスッゲー感じの人、
どこをどうとか説明できないけど、
至近距離で微笑まれて寝起きなのに心臓が爆発しそうになる感じ、
ビキリと音がしそうな勢いで固まれば、
目の前の人物は笑みを深めた、

「ナナ、くんだっけか?」
「?!??!」
「うん、久保田が言うだけのことはあるね・・・・・可愛いね?」
「!?!?!?えっ!?!?」

な、何!?
かかかっかか、可愛い!?
ってか・・・・・
久保田!?
久保田・・・・久保田・・・・・・久保田??

「く、ぼた・・・・・??」
「うん、久保田知ってるでしょ?」
「え?」
「アレ、知らなかった?」
「は?」

久保田、久保田、久保田・・・・・・?
って誰だっけ?
どっかで聞いたことあるような、
ないような?
いや、あるな、うん
って久保田?

「あはっははーーー馬鹿だ、馬鹿だコレ!!」
「・・・・・失敬だな」

面と向かって馬鹿とか言われたくないですよ?
って言うか至近距離での馬鹿笑いはちょっとご免こうむりたい
しかし、失敬だな!!
いや、じゃなくって!!
久保田だよ、久保田・・・・・・えーーーーーーっと・・・・

「あははっははっは!!面白いからちゅーしちゃお〜〜!!」
「っぎゃーーーだめーーー!!」
「あ〜心配しないで、君にも後でしてあげるから、ね?」
「ね?じゃな〜〜〜い!!してもらいたくなーーーーい!」
「はいはい、我侭言わない、順番順番!」
「待ってない!並んでない!!」
「ちゅーーーーー」
「っぎゃーーーー!!」

って言うか考え事してるんだから!!
少しは静かに出来ないの!?
さっきから諫早さんは何をそんなに怒鳴っt

「っぎゃーーーーーー!!」

ふと意識を戻したら目の前数ミリに先に笑みを張り付けて近づいた見知らぬ人、
その後ろでこの見知らぬ人を引っ張る諫早さん

「「っぎゃーーーーーーーー!!」」

二人で声を張り上げて叫べば、

「はい、ストップーーーーー!!」

そのまた後ろで聞きなれた声、
その人が諫早さんごと見知らぬ人を俺から引き離してくださった!!
ありがとう!!
ありがとうっ

「いっイズくーーーーーーーん!!」
「おっはよ〜ん、ナナ」

二カッと笑って俺に手を振る、
その手には放心状態の諫早さんと不満げな見知らぬ人、

「ちょっとちょっとーーーー!!久保田、俺の邪魔しないでくれる?」
「邪魔とかの問題じゃないですよ、三嶋君」
「あら、何?ヤキモチ?ヤキモチなのかしら、久保田くん!?」
「磯辺焼きじゃなかった食うよ」
「我侭言わないで!!醤油とお砂糖混ぜて作ってあげるから!」
「じゃー食う」

って違う!!
違いますよイズくん!
その受け答えは間違ってると思います!!

「帰ったらね?」
「明日、調理実習室にお昼に集合ね?」
「餅は持参?」
「あー心配しないで、相馬先輩に杵と塚ともち米用意させるから」
「楽しみにしてる」
「ばっちらしてて!!」

え?最初っから!?最初っから作るの!?

「うぅん、作らせるの」
「アンタ鬼だな!!」
「やりっ最高のほめ言葉ゲットーーーー!」
「誉めてない!!たぶんきっと絶対に誉めてない!」

何かこの人すっごい疲れる!!
怒鳴り合いながら全力疾走させられてる感じするよ!!

「って言うかアンタ誰!?」
「あれ、俺のこと知らないの!?うっそだーーー!知らないの!?」
「え、え?」
「ちょっとちょっと酷くないそれ!?」
「えぇっ!?」
「俺悲しいな・・・・・・」

眉根を寄せて悲しげな表情
え?え?え?初対面じゃないの!?
嘘っ俺が忘れてるだけ!?
どっかで会ったことあったっけか!?
焦って記憶をたどろうとしたら、

「初めましてーーー俺、久保田と同じ学校に通ってる三嶋潤也〜お見知りおきを!」
「って初対面じゃねーかよ!!」

間髪いれずに突っ込んだら、
俺に指差しながら馬鹿笑い

「あっははははっははは!!」
「笑うな!!」
「この子、すっげーーー馬鹿かかも〜〜〜〜!!」
「馬鹿って言うなーーーー!!!」

しゃぎゃーーーーー!!
って威嚇したら、
イズくんが呆れたようにため息を吐いた

「三嶋・・・・それくらいにして、あんまりやりすぎると泣くから、ね?」
「や〜っだよ〜ん、俺こう言う子の泣き顔見るとゾクゾクする〜〜〜vv」
「ひぃ!!」
「て言うか見たいな〜〜」

目を細めて、
俺のほうがゾクゾクするような笑みを浮かべる、
イズ君の腕から逃れて俺に近寄ってきた諫早さんとともに抱き合って震え上がった!






怖いよーーーーーーーーーー(泣)!!






とある言葉を身をもって体感!


【類は友を呼ぶっ】