■ 目を開けば現実、瞼の裏には残像、夢の中でも魘される、貴方は一体何をしたいのですか?










































こんにちわ、榛原杏滋です
こんな麗らかな日曜の晴れた昼下がり
本来の俺なら昼近くまで寝ているのですが・・・・
現在の時間、
午前8:00・・・・・
日曜なのに登校しろと?
毎日毎日くたくたになるまで勉強しているボクにまだ足りないと仰せか?
ま、言葉半分は鵜呑みにしないことですよ
で・・・・・そう言いたいのですか?
いや、この時間なら確実に遅刻ではありますがね〜
遅刻って言うか重役出勤で出席と認めてもらえるはずも無いですねー
第一ですよ、
外を見て御覧なさい
気持ちの良い天気じゃ〜ございませんか
ん?
あー・・・・はい、
清清しい晴れた昼下がりではないですね
清々しい朝
と、言いたいのですね?
申し訳ございませんでした
言葉を間違いました
おはようございます
皆さん
榛原杏滋です
お元気ですか?

「に2度も挨拶スンナ、言われなくても、わっ分かってるわ!」

目の前の
いや、
無礼ながらって言うか普通寝てる奴の腹の上に乗るか?
乗らないよな?
で、俺の腹の上に乗っている何かが焦ったようにそう言いながら怒鳴る
焦って怒鳴るから噛んでる噛んでる
って言うか大声出さなくても分かっている
分かってるって言うのー
その声がね〜頭に響く
ものすご〜〜〜く、
ガンガンと鐘の如く響いております
ノートルダムの鐘のように?
いや、聞いた事も見たこともないけど
いやいやいやアニメでは見たけどー
ま、関係ないね
うん、関係ない関係ない
って言うことで、
寝たい
まだ寝たい
寝させてくれ

「・・・・・おや、すみなs」
「寝るなーーーーーーー!!!」

がっくんがっくんと
大声で怒鳴りながら
頭を揺らされる
良い感じの揺りかご具合・・・・・・では全然なくって、
全然そんなんありえないくらいに揺らされて

「離せ・・・・・酔う・・・・・」

き、気持ち悪くなるだろうが・・・・
実を言うとバスとかすぐ酔っちゃうんだぞー
知らなかっただろ〜〜
って関係ないね、うん
まーーうん、知ってるかな?
寝起きだぞ?
見て分かるよね?
って言うか知ってると思うんだけどさ、
俺は寝起きが悪いんだぞ?
まだ頭は眠ってるのだ
眠ってるって言うか身体を置いて意識は夢でとある事をしでかしてるんだぞ?
だから、
俺の眠りを妨げるな

だけど、
腹の上の人物は理解どころか俺の思考を読み取ってはくれなかった
役にたたん奴め・・・・・

「なら寝るな!起きろ!って言うか寝ぼけるな!!目を開けろーーーーー!!」
「はいは〜い・・・・開けまちゅよぉ」
「寝ぼけてる〜〜〜〜〜!!!」
「うぅ・・・・がぼちゃ男爵・・・・かたじけない・・・・」

待っててください、
刀を交えたままだと言うのに一時停止の如く待っているアナタの後姿が眩しい!
尊敬です
尊敬のまなざしで見させてください

「誰だソレ!?何だソレ!?お前は一体どんな夢を・・・・!??!」

かぼちゃ男爵と夢の対決、
かぼちゃの煮っころがしと
肉じゃが・・・・・
その勝利の行方が・・・・・

「あぁ・・・・煮崩れが・・・・・・」

止めたから
ちょうど良いところで・・・・・!!
邪魔するからぁ

「榛原ーーーーーーーーー!!」
「落し蓋は大切なんですね・・・・・」
「榛原ーーーーーーーーーーー!!」

止めてくれ
俺は夢の世界に帰りたいんだ・・・・
かぼちゃと「じゃがいもの夢の対決なんてそー見られたモンじゃないんだぞー
レアだぞレア!
だからな〜
いくら、お前の頼みでも・・・・
可愛いお前の頼みでも、
お前の頼み、でも・・・・
お前・・・・
お前?

「誰だ・・・貴様・・・・」
「このヤロウっ・・・・この期に及んでソレを言うか!?」
「・・・・・・・・・・・・・」

目は開かない
開けられない
身体が拒否している

「目を開けろ!それで確認できるのか!?頭は眠ってるんだろうが!?」

無理開けられない
確認は事前に、だぞー
って言うか知ってるなら起こすなー
声かけるなー
そっとしておいてくれー

「・・・・・・・・・・・」
「榛原ーーーーーーーー!!」
「誰だ・・・・貴様・・・・」

やっぱりわからん。
さっぱりわからん。
じゃがいもでも、
かぼちゃでもないんだろうけど?

「2度も同じこと言うなーーーーーーー!!」

う〜〜るせ〜〜なぁ
怒鳴るな
分かってるって
聞こえている
はいはい、
煩い・・・・
煩い?
あ〜〜〜でも、
この声は・・・・
もしかして、
あ〜〜〜
あ〜〜〜〜〜〜〜っ
えーーーーーーっと・・・・・

あ!

「青子さん?」
「誰だその女!?誰と間違ってやがる!?」
「青子さんは・・・・・・・・」

だ〜から、
青子さんはー

「お前っ・・・・・女がいるんら俺にっ!!」
「青子さんは、」
「けしからん!!俺にあんな事しt」
「実家で飼っている、ロシアンブルーの猫・・・・スレンダー美人の御年5歳になられるお方だ・・・・・」

ちょーお美しいぞ?
マジでお美しいぞ?
見惚れるぞ?
むしろご近所の野良から飼い猫まで虜にしておられる方だぞ?
現在の楊貴妃だぞ?
猫だけど

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

言ったら目の前の奴が固まった
きれいに、
きれいに固まった

「・・・・・・・・・・・・可愛いぞ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ウチの青子さんは、」

榛原家の自慢のお方だぞ??
知って驚け
見て驚け
でもその前に

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「七緒だって可愛い」

目が覚めたー
いや〜〜もーー


ばっちり

しっかり

かっきり


いきなり冴え渡った頭と目が認識したものは
目の前の真っ赤に熟れた顔、

「おのれっ・・・・・騙しやがったn」
「騙してない、最後まで聞かなかったお前が悪い」
「だっお前がいw」
「で、何をそんなに怒ってた?」
「っ!!」
「なぁ・・・・七緒?」

赤く熟れた顔が、
それ以上に熟れていく

・・・・・・・・可愛い・・・・・・

腹筋だけを使って勢いよく起き上がる

「ぬあっ!?」

ぐるりと入れ替わる位置
七緒の足の間に身体を入れ込むように押し倒す

「な、な、な、な、何すすす、すんだ!?」

テンパってます
噛み過ぎです
それも可愛い

「で、朝から俺の腹の上に乗って何してた?」
「な、何?」
「朝からお誘いとはさすがの俺も予想外だ」
「え、は?」
「積極的な奴はそう好きでもないが・・・・・お前からの誘いは喜んで受けてやるぞ?」
「は?・・・・・・・・!って、ちち、ちっ違〜〜〜〜〜う!!」
「違わない、だって馬乗りになって」
「っぎゃーーーー!!違うっ勘違いすんなぁ!」

ようやっと俺の言葉に気付いて、
俺を押し返しながら騒ぐ
何を違うって?
あんな見るからに押し倒されていたら(?)言葉よりも雄弁ではないか

「なぁ?」
「なぁって何だ!?」
「まぁ・・・・・良い、いただきまs」
「いただくな」

どごっ

「!??!?」
「っぎゃ!!」
「朝から何を盛ってやがる、大馬鹿者め」
「〜〜〜〜〜!!!」
「(あわあわあわっ)」

何かが横っ面を張り飛ばして
ベッドの上から落とされる
聞きなれた、
でもあんまり・・・・いや、むしろ敵対心と恐怖心を煽られる声が静かに俺を見下ろしていた
見下ろしていた?
そんな生易しい雰囲気ではない、
見下していた、

この声は・・・・・・

「部外者は立ち入り禁止のはずだが?」
「は?何ソレ、部外者ってどんな言葉?俺にはあんまり、関係ないな」
「・・・・・・・・」

一刀両断の俺様具合
一部の隙も見せない
見せるわけが無い
って言うか見つけられない

「ところで・・・・・今日の俺は不機嫌です、とっても不機嫌です」
「・・・・・・・」
「お前の所為で不機嫌です、かなり不機嫌です」
「・・・・・・・」
「何で不機嫌か分かる?分からない?分からないなら言ってやる、お前の所為でナナと会える時間が潰された」
「・・・・・・・」
「せっかく将馬に言っておいたのにな〜それなのに、お前の薄汚い欲望のお陰で潰された」
「・・・・・・・」
「分かる?俺のこの傷ついた心の涙が?」
「・・・・・・・」
「見える?見えるよな?見えないわけないよな?お前の所為なんだし?」

本当に不機嫌のようであらせられる(汗)
声が・・・・・
声がヤバイくらいに冷えている・・・・・
久し振りに聞く冷たさであります
ヤバイです
コレは本当にヤバイです

「昨日さ〜異種格闘技選手権なるものがね〜再放送でやってたんだよね?」

いきなりの話の飛びよう
相変わらずの空気を読もうとしない態度
自由気まま
世界の中心は自分と豪語するだけはある
豪語してもなんの遜色にもならず
オカシイとも思わせない
思わせさせない

「興味しんしんで見ちゃった!ねぇナナ、ナナは見た!?」

そんな世界の中心にいる人物がおおはしゃぎ、
むしろ大興奮

「あ、いえ・・・見てないで、す」
「勿体無いな〜〜」

七緒が引きつった笑みで返すと、
ぶーーーっと頬を膨らます
あれです、
違う視点から見たらか〜〜〜わいい!
とかなるんでしょうがー
俺から見たら背筋が凍る
見てらんない
だって本性見てますから
つーか本性しか見てませんから

「それのさ〜〜日本人の何とかって言う人がやってた技、すっご〜〜〜〜〜〜く痛そうだった」
「・・・・・・」

え〜〜〜っと、
久保田さ〜〜〜ん
聞いてますか〜?
な、何が言いたいのかな〜?
何をしたくてソレを聞いてるのかな!?
凄い嫌な予感が・・・・・
絶対に当たる占いよりも当たる俺の嫌な予感
対久保田和泉仕様
ちょー感度抜群

「痛そうで、すっげーーーしてみたいと思った」
「・・・・・・」
「ビデオにも録っておいたから数分で研究できた」
「・・・・・・」

そこで指を鳴らす音
地獄の門番が開くが如くな音
むしろそれ以上に恐怖を煽る音

「実験、ヨロシク・・・・モルモット君vv」



久保田和泉が

きれいに笑った






ッギャーーーーーーーー!!









その後、
部屋から出てきたすっきり顔のとある人物と、
顔を真っ青にした七緒が出てきた

最後に聞こえた悲鳴の後、
何が起こったのか声を聞いた一条先輩の言葉に首を振って答えてくれない七緒
ただ一言

「修羅って・・・・・修羅って・・・・・凄いんだ」

と零したそうな・・・・・