■ ライオン男の眠りを妨げるとどうなるか知っていますか?身をもって体験してみましょう
































この珀薇学院には3匹のライオンが存在します。





大勢の頂点に立ち

その存在は

絶対的

彼らはその地位を

確固としている

強さ

美しさ

知識

全てに置いて

頂点に立つ


強きもの


美しきもの










その中の一匹が、優雅に日の当たる中庭で惰眠を貪っています


このライオンに対して


約束事があります


イイですか?


覚えておいてください


ライオンには


近づいてはいけません


自分が大事なら


決して


近づいてはいけません
























俺ってば、今日一日で大多数の敵を知らぬ間に作ってしまった模様!

えーーーーーーー(涙)!?
何がいけなかった!?
俺ってば大人しくしてたつもりだよ!
騒いでも無ければ、
喧嘩もしてない!
問題だって起こしてない!
煙草だって吸ってない!
先生に因縁つけてないよ!?
それなのにっ
そんな大人しくしてるつもりの俺なのにっ

なーーーーーんで追っかけられてんの!?





思い当たる節がないんだよ!!





中休み、
俺は一人でトイレに向かっていた。
この年で連れションはない。
てか、行くって言う奴がいなかったから一人で行ってるだけの話し。
取り敢えず用を済まして、手を洗う。


ふと背後で人の気配。


過去のゴタゴタのお陰か、人の気配には敏感な方である。
で、蛇口を捻ってハンカチで手を拭きながら振り返る。
そこには見たこともない男が、1・・・2,3・・・・・・7人います。
見たことないのは当たり前だし、男なのも当たり前であるが口にして言ってみた。
俺の事をジッと見ている。
むしろ睨んでるって言った方が正しいかな?

お客さん怒ってらっしゃる??

「・・・・お前が転校生か?」
「いや?」
「嘘をつくな!!」

いや・・・嘘とか言われても、嘘じゃないし。
ただ遅れて入学しただけだし。

って説明しようにも聞いてくれなさそうなので、黙ってみた。

「じゃぁ・・・・・朝、食堂で滝たちといたのはお前だよな?」
「そうですね?」

いましたね。
お友達になってますから。

「お前好い気になってんなよ?」
「・・・・・・・・」

えっ!?
好い気!?好い気になんてなった事ないですよ!?
陽気にはなりますけど!!

「ココでは、姫には必要以上に近づいちゃならないってルールがあんだよ。」
「・・・・・・・・・・・」
「来たばっかりで知らねーと思うけどルールだ。守れ。」
「・・・・・・・・・・・」

スイマセン
イイですか?
何つーか・・・・・呆れてモノが言えません。
むしろ笑いたくて仕方ないです!
分かります?
俺ってば、今ものスッゴク笑い堪えて顔歪んじゃってますよ(苦っ)!

「・・・・くっだらねー・・・・(小声)」
「あ?」
「何?」
「いや・・・何でも、ないです・・・・」

怖がってる振りして、俯く。
だって今、ツボってる!
死ぬ!
早くココから離れたい!
笑いたーーーーい!

で、肩を震わして(笑って)る俺に気を良くしたのか男たちが、フンと息を吐き捨てて出て行こうと動いたみたい。

よっし早く行け!
早く行くのだ!
俺の腹が捩れて切れてしまわないうちに!!

でも、予想は裏切られる。
ふっと空気の動く気配に、俺の反射神経は反応して何かが当たる前に避ける。
後ろでべチャリって音がして振り返ってみれば・・・・・鏡に汚ったねー雑巾が張り付いてズルズル落ちていく所だった・・・・

「っ!」

おい!
明らかにトイレ用雑巾だろう!?
ってかこんな金持ち学校でも雑巾があんのか!?

後から聞いた話しによると、掃除の時間というものがちゃんとあって、自分の出来る範囲は自分でやれっていう心理があるらしい。
しかも、たかがちょっとの掃除も出来ないやつが社会に通用するのか?
ってのもあって、ちゃんと学生らしく掃除の時間が存在するとのこと。
ま、業者も入るらしいけど。

「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・おい、避けんなよ。」

避けるだろう普通は!!
馬鹿じゃねーの!?

で、出て行くと思われた奴らはそのままそこに立って、水の入ったバケツをいくつか持っていた。

「・・・・・・・・」

いくら俺でも、それ全部は避けられませんから。
俺ってば人間ですから。
超人じゃないんで!

ってな訳で、ちょいと強引にここから逃げようかと思います。
言うが早いか、バケツを構えようとした瞬間、突進して何人かにぶつかって廊下に駆け出した。
後ろでギャーギャー騒ぐ声がする。
そうだろうとも、自分で水被っちまったんだもんな〜?
昼休みの賑わう廊下一目散に駆け抜ける。
でも地理なんてないから目的地なんてない。
ってか、自分の教室すら戻れるか心配である!
兎に角、撒くことだけを考えて走る。

走る

走る

走って

走りまくる

で、振り返る。
追っかけてくる奴らが目に入らない。

おっしゃ!
撒いた!!

何て、振り返ったままガッツポーズしたのがいけなかった・・・・・
足元なんて見えていない。
で、
ガツっと何かに躓いて派手に前にズッコケル俺。



ズシャーーーーーーー!!



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・イテーーーーーーー(痛)!!」

思いっきし顔面スライディング!
眼鏡もどこかへ吹っ飛ぶ。
割れなくて良かった!
が、顔が痛い!!

「痛いーーー!!」

擦り剥いたであろうデコを擦る。
でも、痛いのは取れない。

んだよ!
何だよっ俺の行く手を阻んだ大馬鹿者は!?

なんて思って振り返って固まる俺。
目の前には・・・・・・・・・えっ!!

っっ・・・・・・・・・・!!

「に゛ゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(焦)!!」

指差して叫ぶ。
俺が躓いたのは石でも木の根でもない。
あの時のフェロモン大王だ!
しかも眠っていたらしく、ちょー不機嫌っぽい!!

ぎゃーーーーーー!!

「・・・・てめーーーーー(怒)」
「ひっ!」

ヤバイっヤバイっヤバイっヤバイっヤバイっつっっヤーーーバーーーイ!!

ゆらりと起き上がる。
寝てて乱れてただろう髪を流して整える
シャツにはキレイに俺の靴の足型。
寝起きでフェロモン全開垂れ流しっ

とっと鳥肌!!
チキンだよ!俺、今モっノスゲーーーチキン肌!!

ゾワゾワと這い上がる。

「・・・・・・・・・・・」

あんな起こしかたされて、相当MAXなのか目の据わり方が尋常ではない。
眉間にしわを寄せて、目を眇めて、口元真一文字に引き締めて、こめかみには青筋浮いてる!!
しかも無言で俺を睨んでる!!

死ぬ!
確実に俺ってばコイツに殺される!!
冗談ではなく誇張でもなく!!

グッと身体を寄せてきたので、殴られる!!
とか思って身を強張らせてしまった。
いつもの俺じゃない。
でも、こんなん初めてで対処できない。
なすがままになる感じ。

でも、一向に拳は顔面に飛んでこなくて
でも、身体が重力に従うように転がされる

目の前にはフェロモン大王と青空

「っ!?」
「お前・・・・・・昨日の奴か?」
「えっ・・・・・は、はい・・・・」

思わず頷く

「・・・・・・・」

え!何で黙んの!?

「・・・・・・・昨日も言ったけど、」
「・・・・・・・・・・・昨日?」

昨日?
昨日って・・・・・・・・

げっ!!

「っ!」
「やっぱ俺お前知ってる。」
「・・・・・・!!」

ニヤリと今までの不機嫌はドコへやら、スッゲーーーー根性悪そうに笑った。



で、次には俺には不都合な単語が口から零れ出る。



「お前・・・・・【ミドガルズオルム】のナナオ・・・・・だろ?」





は〜い、俺


アウトーーーーーーーーー!!