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人生知らないことばかりで、今日一日で大変勉強になりました
寮生でごったがえす食堂に俺は形振りかまわず駆け込んで、入り口で一旦停止。
移動する奴らの邪魔になるとかそんなこと頭に無くて、取り敢えず縋りつきたい人物を探す。
右へ左へ
もう一度、左から右へ
いたっ!!
だっと駆け出して、誰かを吹っ飛ばしたけど関係なくって・・・・!!
頬杖つきながら食ってる滝兄の首根っこに抱きついた!
「に゛ゃーーーーーーーーーーーーーーーー(涙)!!」
「・・ぐふっ・・・・・・・・・何だよっ!!」
「俺イヤっもーーーーイヤ!!」
「はぁ!?」
危うく飲み込むはずだったパンが口から飛び出そうになるのを堪えた諫早が、マジキレ状態で俺の顔を引き剥がそうと押す。
ひどい!!
慰めてくれたって良いじゃない!!
「取り敢えず、座れ・・・・それから!」
「うぅ・・・・・し・・・・し・・・・信じらんね・・・・」
「たっく〜〜〜巳継、何かコイツの分持って来てやれ。」
「や〜〜ん、いさったら人使い荒いんだから!」
「はよ行け!!」
「へいへい」
蹴り出されて竹林が席を立つ。
スマン、竹林!
不甲斐ない俺のために!!
「ひ広瀬君・・・・大丈夫?」
両手で頭を抱え込む俺に、天使の掛け声・・・・・・・
「滝弟ぉぉ・・・・・」
「よしよし」
泣きつく俺の頭を子供にするように撫でてくれる。
やっぱ天使!!
俺の天使!!
「で、何があった?」
「・・・・・・・・・・」
「って何で黙んだよ!」
「・・・・・・うぅ・・・・・」
いや!えーーーと・・・!
でも!
だって!!
言って良い事なのか!?
隠してたりしたら、俺ってチクることになんねーか!?
「い・・・言えまちぇん・・・・・」
「あ〜〜ん(怒)?」
「い、諫早っ落ちついて!」
ぎゃーー!
諫早の顔が般若だーー!!
俺の天使の顔で般若はキッツイぞーーーー!!
「ぶっぶれいくぶれいく!」
「じゃ〜言えよ?」
「・・・・・・・・・」
「な〜〜な〜〜お〜〜〜??」
「(ひっーーーーーー!!)」
怖い!怖いから!!
めっさくそ怖いですから!!
人の首を締め出した諫早の手を叩いて降参の意を表すが、聞いてもらえず俺ってば三途の川見えそこなってます・・・・・
あ〜アレって去年死んだバァちゃんだ〜〜v
手振ってる〜
「バァちゃ〜〜ん〜〜〜」
現実世界と混同
「きゃーーいさっ止めて!ねっね!!」
「・・・・・・っち!」
で、離されて一気に肺に空気が送り込まれる。
むせる俺。
生きてるって素晴らしい!!
「げふっ・・・・ごふっ」
「だ、大丈夫??」
擦られて、一息付けられた。
で、顔を上げた瞬間・・・・
目の前には・・・・
「に゛ゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(驚)!!」
立ち上がって指さした先には、さっきの目撃現場の当事者。
俺に笑いかけた人
キスしながら
てか、アレは絶対にベロチューだった!!
「さっきはどうも?」
「・・・・・・・・・」
目の前の席に座っている、井岡の真後ろに立っている。
座っている井岡の頭のほんの少し上に顔があるってことは・・・・・かなり小さくね?
で、そこに座っていた全員がそっちに視線を向ける。
「あ・・・・・・・憂崎先輩・・・・」
「おはよう、諫早くん知隼くんに井岡くんと永井くん」
「うぃ〜〜〜」
「おはようございます」
「はようござーます」
全員に声をかける。
てか永井?
で、見知らぬ人物が井岡の横にいた。
思わず、騒いでしまったことも忘れてジーーーーとそいつを見ながら、誰だ??って顔に出した。
したら、滝弟が、
「あ、昨日言ってた僕のルームメイトの永井南−ながい
みなみ−くん」
「あ、どーも広瀬七緒です。」
「よろしこ〜」
にこって笑って、手を振ってくる。
何だろう・・・・一言で言うなら・・・・
男なのか女のか一目では判断できない。
そんな印象。
所謂、中世的な顔立ちって所だろうな。
ま、滝双子には敵わないが相当可愛い。
でも、箸を持ちながら早めよう・・・・・味噌汁のわかめが飛んだよ?
「じゃ〜またね?」
何て飛んで行ったわかめの行くへを目で追っていたら、さっきの人が少し微笑んでどっかへ行ってしまった。
あ!
そうだった!!
「って・・・・今の人って誰!?」
その俺の問いに、滝弟がにっこり微笑みながら答えてくださった
「3年の憂崎
央−ういざき
なかば−先輩だよ。」
「3学年一の人気を誇るお姫様。」
「・・・・・・・・・」
ちょうど戻ってきた竹林が俺の前に朝食のトレイを置きながら言葉を続ける。
いや、あんだけ可愛ければ分かりますよ?
この滝双子とは種類の違う可愛さでしたよ!
エロ可愛い??
って言うの?
そんな言葉があったら、そんな風に表現してる。
そんな感じの可愛さ。
「・・・・・大方、あの憂崎先輩のキスシーンでもフォーカスしたんだろ?」
「えっ!?」
「図星かよ・・・・・」
「いやっあの!!」
否定すべきだろうと思って慌ててみても、誰も驚く様子が無かった。
ただ、滝弟だけが困ったように顔を赤くして笑ってる。
うわっ可愛い!
じゃなくって!!
「え・・・・・常識、だったりしちゃう・・・・の、かな?」
「常識って言うか〜ま〜〜そうかもね〜うん。」
「不特定多数なんだよ、あの人。」
うわ〜〜お!
可愛い顔してアンタ何なのさ!?
「マ〜〜ジで〜〜?」
「そ、お願いすればヤらしてくれんだって」
「事実は定かではないけどね?」
「えーーーでも俺の知ってる奴、ヤらして貰ったって言ってたよ。」
「え、永井マジで?」
「マジマジよ」
「誰よ?」
「F組の笹中って知ってる?」
「俺知んねー」
「てか諫早の場合は対外は覚えないだけどろ!」
「・・・・あ、あーーー俺知ってる!」
「こらっもう好い加減にしろよ!」
ぎゃいぎゃい話し出す竹林と永井に井岡が窘める。
ま、人の噂は噂されるってのが本業ですからね。
うん。味噌汁美味い。
日本の朝食は和食に限りますな!
そんな小さな幸せに浸っていたら右隣の滝弟が俺と目が合って意味もなくにっこりと笑ってくれた。
もーーー可愛い(好い加減ウザイ?)!
それからも、滝双子を囲まれて(左に滝兄、右に滝弟)俺の朝食は済ませれていくのだった。
これが後々になってあんな事になるなんて・・・・・・・・・・・・!!
一先ず、今回仕入れたネタじゃ対処法のナニモノにならないのは確実ですけど。