■ 世の中の常識、理屈では片付けられないこともあるのです。

























忠告を受け入れるがまま、行動を共にさせて頂きました。
なのか、危惧していたことは起こらずに今日が終わる。
で、寮へと向かっているわけでありますな!

目の前には寮監受付室。
中から人の良さそうなおじさんがニコニコ笑いながら俺の部屋を教えてくれた。
渡されたカードキーには425号室。
ってことは4階ね?
ってか・・・・オイオイ・・・・・・(汗)
ドコのホテルですか!?
マンションですか!?
なエントランスと談話室が広がった!!

「・・・・・・・・・・・・」
「お〜〜い広瀬〜〜何、固まっちゃってんの〜?」

ドスンと俺に凭れ掛かって、竹林が笑う。
後から追いついてきた井岡や滝も俺に近寄って来た。

「で、広瀬君は何号室になったの?」
「・・・・・え、あ〜・・・・425号室」

ひょっこり手元を覗かれながら、滝に答える。

「え、うそ!」
「マジで〜?」
「ふ〜〜ん」

と、三者三様の微妙な反応。
何だよ?

「じゃ、僕とお隣同士だね?」
「俺らとはお向かいさんだな!」
「ちなみに、俺と巳継が同室」
「僕も後でルームメイト紹介するね!」

先ほどの微妙な反応の意味を教えてはくれずに、三人に案内された。
何だよ!?

「一人部屋じゃないの?」
「違うよ〜基本的には2人部屋。奇数で余った場合とか留学とか退学とかになったら話しは別だけど」
「ふ〜ん」
「ちなみに、ここは東寮。他に西寮があるんだよ」
「ふ〜ん」
「で、2階が3年、3階が2年、4階が1年。1階が食堂と談話室と大浴場」
「あ、でも一応は各自部屋にもシャワーぐらいはある。」
「ほーほー・・・・で?」

そんな仕組みね。
うんうん。

「5階にも談話室とミーティングルームに実習室に大浴場も有り」
「5階にもあんの?」
「あるね〜1年って下までず〜っと下りないといけねーじゃん?ま、どっち使ってもOK」
「ふ〜ん」
「でも、食堂は一箇所だよ」

金かけてんね?
惜しみなく。

で、俺の部屋の前ににたどり着く。
ドアに貼り付けられてるプレートには『425』の数字。
間違いないな。

「じゃ、着替え済んだら俺らんとこ来いよ!」
「あ〜分かった」
「じゃ、後でね〜広瀬君!同室の子にヨロシク!」
「一緒においで」
「おう」



で、それぞれ入って行く・・・・・・・ちょっと俺らしくなく緊張。
荷物は確かもう部屋に運ばれてるとかなんとか言ってたな、うん。
そして、横には部屋の主の名前が・・・・・俺の名前と一緒にあった。

「・・・・・・・・ん?」

ん?んん???
何だか見た事ある名前だな?

『滝 諌早』

まさかね?
で、入る俺。



がちゃ



開けてみると薄暗い部屋。
同室者はまだご帰宅されていないご様子?
自分の部屋なのにそろ〜^り・・・と侵入・・・・・じゃなくて入室。

え〜っと・・・電気、電気・・・・・
壁に伝って歩いてスイッチを探す。
手にそれらしき感触を感じて、ON。
ぱっと明るくなる部屋。

で、目の前に人。

「ぬあっ!!?!?」

驚いて飛び退くと目の前の奴がニヤリと笑った。
って言うか!

「なんあなななっ何してんだよっ滝!お、おまっお前は隣の部屋だろう!?ってかいつに間に入ってきたんだ!?」

どもり過ぎです、俺。

あわあわしながら目の前のクラスメートを指さす。
でも奴はニヤニヤと笑うだけで応えてはくれない。

何だよ!?

「・・・・・・・・・どーーもーー初めまして〜広瀬君」
「は、初めまして・・・・?」
「そ、俺と君は初対面なんだよね?」
「え、でも・・・・あれ?」
「外のプレート見たっしょ?」
「見、ました・・・・・・が?」
「俺は、滝 諫早−たき いさはや−って言うの、ちなみに知隼は俺の双子の弟。」

にっこりと笑う。
その時だけは天使のような微笑!
きゃーーー眩しい★
でも、次の瞬間には悪どいニヤニヤした笑い。

「ふふふ双子・・・?」
「一卵性双生児」
「・・・・・・・・・」

ばびった・・・・・マジ、心臓止まるかと思った。
何だよーだから何も言ってくんなかったのかよーー!!

「その様子じゃ事前に何も聞かされてないね?」
「・・・・そーですね・・・・」

一息ついて、滝双子の兄に即されて入った・・・・



もう・・・・・
もう・・・・・嫌だ・・・・・帰りたい・・・・!!
何なの!?
ここって高校生の寮の部屋でしょう!?
何でこんな無駄に広いの(涙)!?
ここの一般常識ってどんななの!?

「あーー君の茫然自失とした気持ち、分からなくないよ」
「あり、がとう・・・・」
「ま、慣れるしかないんで、ガンバ!」

すげー投げやり。
何だか・・・・弟さんとは性格が著しく違うようね・・・・・
笑みは癒されるような天使っぷりだけど。

「で、ここは2人共用のリビングみたいなモンね?向かって右の机とドアが俺専用の寝室。で、広瀬君は左をどうぞ。」
「・・・・寝室・・・・」

別、ですか・・・・・
もう規模とかそんな問題じゃなくなってますね?
疲れます。

「荷物は部屋に放り込んでおいたから〜」
「どうも・・・・・てか、文字通りだね滝兄。」

ぐっちゃりとベッドの上やら下やらに俺の数少ない荷物が散らばっている。
文字通り投げて中に放り込みました!

「あーーっつーかさ〜その滝兄、ってーのヤダから名前で呼んで。俺も呼ぶし。」
「はぁ・・・・」
「つー訳で、早く着替えろよ七緒。巳継たちの部屋行くぞ!」
「・・・へい・・・・・」

呼び名を許してもいないのに、呼び捨てる滝兄・・・もとい、諫早殿。
とってもマイペースでらっしゃいますね?
ちょっと尊敬。
で、早くー早くー早くしやがれってんだこのヤローーー!!
と言う大変、可愛い催促のお陰で俺ってば最短2分で着替え完了。






つ・・・疲れる!