■ 自分の猪突猛進さには甚だ怒りを覚えます!!














































俺はただ今、全速力で走っています!!
わき目も振らず、
誰かを跳ね飛ばしても構わず、
先生に怒鳴られたって、
今のところスルーです!

ごめんなさ〜〜〜い!
覚えてたら明日、謝るから〜〜〜〜〜!!!!

あ、
明日は休みか、
ま、
いいや〜〜

「うぉあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

変な雄たけびを上げて、
廊下を急カーブ、
危うく滑りそうになるのを手すりを掴んで免れて、
またまた全速力、
ここは一階の廊下、
目の前には目的地への近道、
ショートカット!
都合よく窓が開いてらっしゃる!

「死にたくなかったらドケーーーーーーーー!!」

そう叫んで、
ハードルを越えるが如く、その窓を飛び越えた!

シュタっ!!

「十点満点!!広瀬七緒選手、念願の初優勝であります!!ありがとーーーありがと!!」

呆気に取られて呆然としている、
ギャラリーに勝手に頭を下げて、
礼を述べ、
用が済んだとばかりにその場を駆け出した。

後に残ったのは、
呆然とした生徒たちと、
避けきれずに踏まれ伸びた可哀相な生徒だけであった・・・・・・








で、
目的地到着。
さすが若さが取り得の俺!!
あんなに全速力で走っても息も乱れない!
汗もかかな〜〜い!!

「って、何が若さだけ!?俺様の良い所、これだけじゃないぜーーーー!!」

叫んだってギャラリーは目の前の寝転んだ男一人なので、
空しく叫ぶのを止めた。
懸命な俺、
さすがだぜ!

で、
本題。
目の前の足元に転がるオトコ。
彼の有名なライオン様。
寝てても良いオトコ!

いや、待て俺!!
何が良いオトコだ!!
断じて俺はそんなこと思ってやいやしないぞ!!
一般論だ、一般論!
むしろ、耳かじりだ!

「えーーーーい!起きやがれ!!」

一応、軽くだが蹴って声を掛けてみる・・・・・・・が、
起きる様子もない。
身じろぐ様子もない。

「起きろーーーーー!!」

今度は容赦なく耳元で自慢の大声を上げてみる。
効果なし・・・・・
ちょっとショック・・・・・・!!

「ちっ寝汚いヤツじゃの・・・・・!!」

普通だったら起きる筈だ。

ん?
待てよ・・・・・・
起きてない方が好都合じゃないのかね、七緒君??

「おぉ!!」

今初めて気付きました!
的に右手グーを左手パーにてポン!

「わお!俺ってば古典的!!」

じゃなくって!
こんだけ騒ごうが蹴ろうが何しようが起きないのなら、物音立てたって少しくらい乱暴にしたっていいな!
うん、良い!

てなワケで、

「失礼し〜〜ます」

そう礼儀で声を掛けてから、
ヤツのデカイ身体に跨って制服のシャツを脱がしに掛かる。
最近暖かくなったせいか、
目の前のオトコは制服のシャツにおざなりな感じに付けたネクタイのみだ。
ちなみにセーターは枕代わりのように頭の下。

「で、俺ってば何でこんな事してるかって?」

ザッツ独り言!
イエス答えてあげる!
先ほど将馬から仕入れて情報をホントかどうか確かめるためにやっているのであります!
決して欲のためじゃアリマセン!!
コイツがホントに【ミドガルズオルム】の初期メンバーだって言うなら印があるはずだ。
勿論、将馬にだってその証である印が肩にあるんだ。
コイツに無いわけがナイ!

って言うか・・・・・
今になって気付いたんですけどー

「見ようによっては俺ってば寝込み襲ってねー?」
「そのようだな?」
「ねー?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え、」
「よぉ・・・・・楽しいことしてるな〜むしろ、楽しいことされてるか、俺が?」

目が開いて、
俺を見ているライオンこと、
榛原杏滋





フリーズ

五秒後瞬間解凍





「っっっっっぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

「逃げんなよ」

叫んで慌てて身体からどこうにも、
がっちりと腰を押さえ込まれた。
しかも、
逃げるために動いたせいでバランスを崩した俺を良い事に、
腹筋だけで身体を起こした榛原が、
今度は俺を押し倒す。

俺の足の間に身体を割り込ましてるせいで伝説の黄金の足が使えない!!

「ぎゃーーーーーーーー!!」←2度目

状況を瞬間的に最悪な方向で理解して、
2度目の咆哮。
俺の大声を気にすることなくニヤニヤと笑って見下ろす榛原。

イヤーーーー!
鬼畜ってる!
顔が、
笑いが、
鬼畜ってるーーーーーーー(泣)!!

「なんの遊びだ?」
「あ、遊びじゃございません!」

んなワケねーだろうがよ!!
お前で遊ぶか!!
命がいくらあったって足りやしねーわ!
いや、
命じゃなくって・・・・・・・・貞操?
イ・ヤ、すぎ!!

「じゃー何?俺としたくなった?」
「それこそ有り得ませんから!」
「だったら、何で俺は脱がされてるわけ?」
「・・・・・・・・・・・」

目の前にはボタン全開で上半身あらわな色男、
世のお姉さん、奥様が見たら
失神モンのたっくましー胸板・・・・・・

ちっくしょ!!
俺にナイもん持ちやがって・・・・・・!!

「むかつく!!」
「は?」
「何でもねーよ!!」

ケッて良いながら横にそっぽを向けると、
俺に覆い被さってる男は、
にや〜〜〜〜っと笑みを浮かべた、

「あ〜それとも、朝の続きがしたかったか?」
「っ違!!」
「お前に蹴られて危うく昇天するトコだったからな〜〜〜濃い、礼をしてやんねーとな?」

ひーーーーーー(焦)!!
い、いりませんから!!
そんなんお構いなくですから!!

「って言うか・・・・そのまま昇天しちまえや・・・・・・」
「するなら、どっかの穴に突っ込んで気持ちよくイキてーわけよ、俺も」
「・・・・・・っぎゃーー!!下品!!」

何この人!?
何つった今!?
アナ!?
アナですって!?

「ちょーーー不潔よ!」
「女子中学生ぶんな」






いやーーーーー!お父さ〜〜〜ん!!