■ 情けをかける必要などありません!例え栄養にされそうな場面を見ても!!




































取り敢えず、諫早さんと一緒に部屋に帰りました。
だってびしょ濡れですからねー
初夏に近いからと言ってまだまだ寒いですからねー

って言うか梅雨の時期に制服ダメにしてくれやがって・・・・・・

「ゼッテー絞める・・・・・」
「取り敢えず、ネクタイ締めろ」
「うぃーっす」

ダランとしているネクタイ指差して、諫早さんからのダメだし。

だって・・・・俺ってば・・・・

「不器用ねー」
「みなまで言うな!」
「何ソレ、何結び?」
「イジメ!?諫早さんイジメですか!?」
「っるさい、かせ」

ゴソゴソとって言うかグルグルとネクタイをいじる俺の手を叩いて落とす。
痛い!
バイオレンス諫早!

「ドメスティック・バイオレンス!」
「夫婦ではないですから」
「俺と結婚しようぜ!」
「出来ないでしょうが」
「そうだぞー諫早は俺の奥さんだぞー」

のびーっとした声で、横槍が入る。
俺と諫早んが向かい合って立っている、その数歩先にエヘンと手を腰に当ててふんぞり返った一条先輩が立っていた。

思い始めたのですが、アンタ気配消しすぎですから。

「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「ま、俺と諫早の間ではドメスティック・バイオレンスなんて有り得ませんけどね!」

はっはーー!とでも言いたげに胸が反り返った。
ソレを横目に見て、手と手を取り合って、

「七緒」
「はい」
「結婚しようか」
「幸せにするね?」
「任せた」
「って聞いてー!お願い、俺を無視しないで!!」

奥さんからのドメスティック・バイオレンス
一条先輩、恥を捨てて諫早の足に縋りつく。

アンタに威厳というものは無いのか!?

「ところで、何しに来たんですか?」
「後生ですからー!」
「先輩、ソレもう終わったから」
「あ、終わった?」

立ち直り早く、すくっと立ち上がる。

「いやさー余りにも君の仕業にですね、自分にも痛みを感じて逃げてきました!」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「杏滋は、たぶんもう帰って来れないと思う・・・・・南ぁ無ぅ」

手と手を合わせて拝む。
友達甲斐の無い人だ・・・・・

「あそこにいて、見た奴みんな股間押さえてたね・・・・」
「不能になってないと良いね?」
「俺的にはなってほしいけどね」

白目むいて倒れた姿が目に焼きついている

あの時
俺ってばあまりの事に気を失いかけたのですが、その一歩手前で意識を取り戻し!
状況を把握して、公共の往来で(?)のあの行為に鉄拳制裁を食らわしたのであります!
いや、拳ではなくて足ですが・・・・蹴りをかましました。
急所と呼ばれる場所です。
鼻でも喉でも溝でもなくて、下半身です。

何か?
何か問題でも?
不能になろうが何しようが、強姦魔に同情の余地はなくてよ?
二回目ですものね?

「お主も悪よのー」
「いえいえ、それ程でもございません、ヤって当たり前ですから」

このっこの!という感じに脇腹を突かれる。
当たり前の事ですから。

「アレ、ウイ先輩は?」
「おうちゃんはー杏滋を突き隊!とか良いながらお箸で突いてる」
「やりそうですね」
「目玉焼きーとか言ってたな・・・・DHAが抱負とか・・・・何のことだろうね(ニコ)?」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」

こわっ!!

「さ、着替えが終わったことですしもう一度、行きましょうか?」
「って言うか、そんな落ちついていいわけ?」
「「何で?」」

な、何でって・・・・!!
だって・・・だって!

時計を指差して

「もう9時ですよ!遅刻じゃ済まされませんよ!朝起きたら足攣って遅れましたーなんて言い訳通じないよ!」
「言ったのかよ・・・・・」
「言ったんだね・・・・・」
「そそそそっそんなベタな事、言ってないもんっ!」
『『言ったな・・・・』』

そんな目で見ないで!
言ったさ、アーーー言ったさ!
言ったが何さ!
でも、遅刻には変わりないじゃないか!

「遅れるよ!」
「遅れないよ」
「遅れないんだなーこれがまた」

は?

「って言うか、遅れるとか遅れないとか関係ないし?」
「え?何で?」
「七緒は知らないみたいだから説明しとくけど、今日って言うか毎週土曜日はね自習日なんだよ」

・・・・自習日?

「はい、先生」
「何だね、広瀬君!?」
「ソレって何ですか?」
「説明しよう!」

朝から嫌にテンション高い一条先輩からのありがたい、事情説明大会。

って言うか大会って何だ、大会って・・・・!!

「この学校のカリキュラムとして、毎週土曜日はね実習日って言われる日で、出席してもしなくても良い日なんだよね」
「良いって・・・・・」
「暇な奴は学校でくるし、勉強する奴はするし、部活だったり委員会だったり、ま好きなことして良い日って事」
「へー」
「何へーいきそう?」
「70へーくらい?」

へーボタンを押したい!

「じゃー君には70っ個分のご飯粒を上げよう!」
「いりませんから!」
「文句言うな!」
「言うわ!!」

何なの!?
諫早さんったら俺イジメがムーブ何ですか!?
泣きますよ!

「泣け喚け!」
「心の叫びを読まないで!」

むしろ悪の総帥みたいですから!
はー諫早さんって・・・・怖いお人・・・・・!

そう思いながら、前髪をかきあげる。
タオルでガシガシ拭いて軽くドライヤーかけたら乾いた・・・・って言うか俺の毛って猫ッ毛だから、乾いた後ってまとまりなくって邪魔なのよね!

むきーーーー!!

バサバサ髪を混ぜる。

「何やってんの?」
「邪魔なんです!」
「・・・・・・・・ほ〜ん・・・・」
「・・・・・・・・ふーん・・・・」

2人して何だよソノ言葉・・・・・

「って言うか、七緒って何で顔隠すような事してたの?」
「え、いやーうーん・・・・目立ちたくないから?」
「疑問系!?」
「でも、晒しちゃったよね・・・・さっき?」
「そうっすねー・・・・!!」
「じゃーさ、もう隠すことしなくて良いよね?良いって言え」
「え、強制!?」
「俺の言うこと聞けない?」
「聞けます!」

にこって最高な笑顔で言われるから俺ってば言うこと聞いちゃいます!
かーわいーーー!!

「うーわー尻に敷かれた夫みたーい・・・・・え、ってことは未来の俺図!?」
「一生来ないよ、虎汰先輩」
「ショック!」

胸に手を当てて言うその姿・・・・・哀れだ・・・・・
顔を背けても目に光るものは見えてしまった。

頑張って・・・・・先輩!

ちょー他人事でエールを送る俺ってば、ベッドに座らされて髪を弄られる。

「切るの勿体無いから、しばっとこう。」

そう言って諫早さんの私物箱の中から出てきたのは・・・・・

「それで、髪くくるの!?」
「問題でも?」
「大有りです!俺ってば男の子ですよ!」
「見れば分かります」
「だったら何故!?」
「俺の趣味、って言うか俺もコレで時々くくってるし」
「マジッすか!?」

ちょーーー見てーーーー!!
マジで絶対に可愛いこと問題なし!

「俺だけは嫌だす!諫早さんも!」
「う〜ん・・・・まいっか、じゃー色違いでね」
「らじゃー!」

右手にはクシ、左手には白と黒の小さいキューブが付いたゴム。
女の子がつけるよふうなアレ!
ってか今でもハヤリ何ですかね!?

疑問に思いながらも、ちゃっちゃと括られた。
ものの1分で完了です。

「器用っすねー」
「七緒が不器用すぎるだけ」
「めんぼくねー」

そんな話しながらも、自分の髪を括っていく諫早さん。
白と赤の小さいキューブの付いたゴム

「よっし」
「「・・・・・・かわっ!!」」

出来上がって見て、俺と一条先輩の声がハモった

想像以上に可愛くて俺ってばノックダーゥン!!
マジかわ!

「いや、十分に君も可愛いですからね?」
「一条先輩、目に風穴開いてますよ?」
「ソレを言うなら節穴だろう・・・・風穴開いてどーするよ」




そんな諫早さんの突込みを受けて、食堂にまたもや向かった・・・・・





この道のり、今日で何度目だよ!