■ ライオン男の下半身直通型の恋模様
































【ミドガルズオルム】














通称【ミッドガル】

地元、隣接する県でその名を知らぬ者がいないほど強大で最強の少年ギャング団
つか、むしろ不良グル−プ

の一つである。
そんな不良たちの頂点、憧れの的である【ミッドガル】の主要人物の一人が俺だ。
ちなみに頭は楓ね。
ってか、元頭だけど。
今は楓の弟が頭張ってる。

頭を頂点とし、
片翼と呼ばれる者が2人。
四天王として4人。
その下に下っ端をまとめる、8人衆と呼ばれる者。
これが、本来の【ミッドガル】ここまでが、その名を名乗れる。
他はくっついてるって言った方が正しい。

みんな憧れるんだってよ、
お近付きになりたい
強くなりたい
のさばりたい
そんな意味があって、あれよこれよと数が増えていっている。







で、俺は片翼の左。











「左翼のナナオだよな〜?」
「人・・・・違いでしょ?」

認めるわけにはいかないでしょ?
って言うか、俺もう関係ないし。
辞めちゃった人だし。
俺ってば足洗ったんだから。
静かに暮らしたいんだから。

「間違い?」
「そーだよ・・・・・・俺、そんなの知んないし?」
「・・・・・・・・・・ふ〜〜ん」

俺の言葉にニヤニヤ笑いが深まる。

うわ〜〜〜ちょーヤラシイよこの顔!!
見詰められるだけで妊娠しちゃうって言う言葉がありますが、まさにコイツの顔、コイツの笑いがそんな感じ!!

「白切るつもりか?」
「つもりも何も、知りませんけど?」
「・・・・・ふ〜〜ん・・・・でも、」

そう言ったかと思うと、フェロモン大王は俺のネクタイをスルスルと外し、ボタンを外し始めた。

「・・・・・・・」
「証拠、あるんだよな〜」
「・・・・・・・」

コイツ!!?

「離せ!」
「何でさ?」

何でって!
普通に男に服脱がされるなんてありえないでしょう!?
てかアンタも喜々としてんじゃねーよ!!

第三ボタンまで外されてしまう。

ぎゃーーーーーーーーーー(汗)!!

「ヤメヤメヤメっヤメーや!!」
「だから、何でだよ?」
「何でもくそもあるかってさっきから言ってんだろ!男に服脱がされる趣味なんてねーんだよ!!」
「残念だったな、俺はソレが趣味だ」
「言い切んなっ悪趣味のナニモノでもねーーーーっつの!」

つか他当たれ!!
脱がされても良いですvv
何て思っちゃえる人でも脱がしとけ!!
俺はしらーーーーーん!!

押してもビクともしないフェロモン大王。
蹴ろうにも足は奴の足で押さえられて動かすことも出来ない。
ウェイトの差はこうなると大きい。

すっと奴の指が鎖骨をなぞる。
ただ指が触れる程度になぞられているだけなのに、ゾクゾクとした何かがそこから生まれる。
何かの意思があるかのように、鎖骨から肌蹴られた肩に滑りずり下がったシャツをグイッと下ろされた。

「っ!」
「ホラ・・・・・・あった」

にんまりと笑う。
探していた物を見つけられた子供のように。
嬉しそうに
楽しそうに

「左胸の肩に近いほう、黒い月に突き刺さる剣に取り巻く蛇、そしてその左側に腕まで描かれている片翼の・・・・・・タトゥー」

奴がなぞる俺の胸には、その言葉通りのモノが彫られている。

「・・・・・・・・・・」
「此れが証拠、ちなみに右翼は同じ模様に右側で右の翼。頭は中心で両翼だったか?」

コイツ・・・・・

「何で・・・・そんなに詳しいんだよ・・・・・」
「何ででしょう?」
「・・・・・・・・・・・」

はぐらかすように笑う。
教える気なぞ更々ないようだ。

ムカつくっ
何かスッゲーームカつく!!
ちょーーーーームカつく!!

「退け・・・・」
「・・・・・」
「退けって言ってんだろ・・・・?」
「無理だね、こんな美味しいシチュ逃すわけにいかねーだろ?」
「は?そんなん知るかよ、早く退け」
「無理だって、据え膳食わぬは男の恥だし」

それは女に使え!
俺に据え膳求めんな!
てかーーーーーー触んなーーーーーーーーー!!

フェロモン大王はあろう事か指を意味有り気に這わす。
すっとなぞるように、
煽るようにゆっくりと指が俺の肌の上を滑る。

俺だって、それなりに経験はしている。
遊んでだ口だ。
でもつい最近は色々あってシテない・・・・・ぶっちゃけ溜まってると言えば溜まってる。
入院してたし?
キレイな看護婦さん目の前にある意味お預け状態だったってのも、この際だからぶっちゃけてやる!!

あーーそうだよ!
男相手に勃っちまいそうなんですよ(汗)!!

ゾクゾクする
目の前の男も顔が良すぎるから、
俺なんかよりも経験豊富だって言われなくたって分かるさ、
だって、ただなぞるだけの指の動きなのに気持ちイイもん。

認めたくないが!

身体が震える
声が出そうになる

「・・・・っ・・・・」
「声・・・・抑えんなよ、イイんだろ?」
「・・・はっ・・・・んな、わけ・・・・ねーだろっ」
「へ〜」

そんな途切れ途切れに言ってたら全然説得力ないぞ俺!

「じゃ〜まぁ・・・・一回、イっとく?」
「・・・・・・は・・・・??」

ん〜〜と、何か考える素振りを見せたかと思うと、大王は壮絶にエロく笑ってくださった。
で、次の瞬間には至近距離の顔。

ってか・・・・・!
って言うかくっついてまーーーーーーーーーーーーーーーっす(汗)!!
おおおおおお俺の口と大王の口が!
マウス・トゥー・マウス!

いやーーーーーー!!

暴れる!
ジタバタともがく!
ってもさっきの行為のせいで思うように力が入ってくんない。
しかも、深く合わさったこの行為のせいで・・・・・!

合わさるだけのキス
口なんて開きたくなくて、力一杯かみ締めるが・・・・そんな事、お見通しなのか俺を誘い込むように唇の上を殊更ゆっくり、ゆ〜っくり這わされる。
力押しで開かされるんではなく、俺の意思で開くように。
で、その間も肌蹴られた胸の上を手の平が滑る。

うぅぅっ・・・・!
きっきき・・・・気持ちイイよぅ〜〜〜〜(大汗)!
何コイツ!
何なのコイツのキス!
上手すぎるぅぅぅっ!

なんて心の中で叫んだ瞬間、俺は身体を竦ませて思わず口を薄っすら開いてしまった!
だって・・・・!
コイツ俺の摘みやがった!

って文句を言おうともう少し開いてしまったからには時に既に遅し。
ズルリと口内に大王の舌が滑り込んできた。

「んっ・・・・ん!」

暴れる大王の舌
口の中で感じる全ての性感帯を嘗め尽くされて、俺はあろうことか・・・・・・!!

嘘っ・・・・ウソウソ・・・・うそぉぉぉぉ!!

ビクビクッと痙攣してしまった。
そのとたんに下半身が嫌な感触に包まれる。
べっとりと張り付く感じ。
その中で、肌を滑る。

・・・・・・・・・・え・・・・・俺・・・・・・・・・・

呆然としていたら、大王の口が俺から名残惜しげに離される。

「・・・・・・マジ・・・・・?」
「・・・・・・・」

イっちゃいました・・・・・・・

「何、溜まってた?」
「・・・・・・・・」

頭真っ白状態で、何も考えられず言われたことに素直に頷く正直者の俺。

だって、
だって・・・・・
こんなん・・・・知らない・・・・・
こんなキスだけで、
イっちゃうなんて、
しかも、
男に?

「つーか・・・・お前・・・・・」

俺のイった後で脱力して潤んでしまった目と、上気して赤くなった頬を見て大王は呆れたように息を吐く。






『マジ・・・・エロいんですけど・・・・・・』




何て目の前の男が思ってるなんて考えようとは思わずに、




ショックと




脱力感で・・・・・・





情けないながらも





ふぇーど・あうと