■ 日々成長中 ----- 1



















知らなかった事を知ることによって、自分が変わっていく
少しの変化が、回数を重ねていくと大きな変化となり
心がついていけない
戸惑いばかりが膨らんで
素直にモノが言えなくなって
素直に心がとらえてくれなくなって
素直に前が見えなくなった
曇りガラス越しにアナタを感じているようで
本当のことが見えない
見えなくて不安






不安で怖くなった







好きって・・・・・
好きって気付きたくなかった
君を好きって気付かなかったらこんな思いしなかったのに
悲しくなんてならなかったのに
不安になんてならなかったのに
怖いなんて感じなかったのに







でも・・・・







でも




それでも君が好き
君が大好き

















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「久保田が機嫌悪い。」
「・・・・・・・・は?」

偉そうに腕を組んで、目の前を立ちはだかるのは従兄の瞬ちゃん。
誰々が機嫌が悪いとか言っていますが、言っている本人の方が機嫌が悪そうに見えますが?

「いきなり何でしょうか、従兄殿?」
「いきなりも何も、こっちもいきなり爆弾吹っかけられましてね〜いい迷惑なんです。」
「爆弾って・・・・・・誰が?」
「だから久保田っ!壱の耳はお飾りの耳ですか〜〜??」

そう嫌味っぽく言いながら左耳を力一杯引っ張る瞬ちゃん。
相当ご機嫌斜めのようだ。

「いだだだだだっ痛いよ瞬ちゃん!引っ張んないで!!」
「ストレス発散させろ!」
「他所でやって!」
「お前じゃないと気がすまない〜〜〜!!」
「そんな事知りません〜〜!!」

漸くその手を払い落として、千切れそうだった耳をさする。
手加減なく本気で引っ張るなんて!!
ヒドイ人!!

「一体なんだって言うの!?説明プリーーズ!!」
「そんな事、俺が知るもんか!」
「逆ギレ!?」
「違うっ八つ当たりだ!!」

そんな力一杯否定しながら言うことじゃないと思うのは俺だけでしょうか神様?
思いっきし睨みつけると、眉根を寄せながら

「だってさ〜さっきすれ違った時に話しかけたらさ〜いきなり右フックだぞ?さすがの俺も紙一重だ。」
「はぁ?」
「謂れもない速さで仕掛けられて避けたと思ったらダッシュで逃げられた。」
「・・・・・・・何ソレ?」
「こっちが聞きたいっつーの!」
「でも朝は何ともなかった気がするんだけどな〜気のせいだったのかな?」
「知らないねそんな事!って言うかここ2.3日はあんな感じだったと思うけど?」

瞬ちゃんの言うとおりここ数日の久保ちゃんの動向を思い出してみるが、別段変わったところはなかった気がした。
何時もどおりだった気がする。
それとも何か気付かぬうちに気に触ることをしてしまっただろうかとも考えてみるが、気に障ったら直接本人に何か来るはずでなのに自分には何もない。
よって何かしたわけでもない・・・・・

「瞬ちゃんの気のせいじゃないの?別に何もない気がするよ?」
「何もない訳ないね!自分のケツに手を当ててじっくり考えろ!!」
「ソレを言うなら胸ですが?」
「壱がまともな事言うの良くないと思います。」
「そういう発言はイジメに近いと思います。」

そんなやり取りをしながら自分の教室へと入った。
その瞬ちゃんが言うご本人さまであらせられる久保ちゃんの姿がなかった。

「・・・・あれ〜久保ちゃんがいな〜い。」
「便所だろ?」
「御手洗さん家と言ってください。」
「ソレは御手洗さんに対して侮辱発言としてとっても良いですか?」
「そんな気で言ってるわけじゃないので、そう言う瞬ちゃんが侮辱発言なんです。」
「・・・・・・・・・」
「いだだだだだだだだだっだっ・・・・・痛ったいよ!」

無言でこめかみをグリグリしてくる瞬ちゃんの腕をバシバシと叩いて止めさせる。
そうこうしているうちに、チャイムが鳴って教科担当の先生が入ってきた・・・・でも久保ちゃんは戻ってくる様子がなかった。
10分たっても・・・・20分たっても戻る様子がない。
さっきの言葉が気になり始めて・・・・授業どころではなくなって、ガタンと立ち上がる。
定年間近のおじいちゃん先生は・・・・その音に驚いて振り返る。

「ど・・・どうした久坂・・・・??」
「先生っ!!」
「なななんっ何だ?」
「ピコーンピコーンピコーン!!これより青レンジャー、博士の呼び出しにより地球防衛のために出動したいと思います!」
「・・・・・は?」
「我が地球防衛隊【エキセントリニック・ゴー・ヒロミ】青い流星こと青レンジャー!!」
「くくく・・・久坂・・・・」
「約78億光年離れた某M星雲よりも更に1億光年離れた君の瞳は億千万ボルト星雲の住人・・・・本当はこんな事明かしたくはなかった!」
「それって・・・・」
「しかし悠著な事は言ってられなくなったんです先生!!」

涙を拭く振りして袖を目に当てていたのを勢い良く離す。

「俺は地球の平和を守らなければいけない!!」
「・・・・・・」
「ソレが使命なんです!!」
「・・・・・」
「はっ!?秘密結社ヤーキニ・ク団の攻撃集中区域確認!!」
「くさ・・・・・」
「ビーコン反応あり!!青レンジャー出動!!」

そう言い出したかと思うと、駆け出した。
残されたクラスメート達は疑問すら感じることなく授業を受け、教科担当の先生は辞表を出そうかと心で泣いていた・・・・・






足音も立てずに全速力で廊下を駆ける。
通り過ぎる教室はドコも当たり前のように授業中で、先生の声が聞こえてくる。
その声を耳に通り過ぎらせながら、探し人の行動を考える。
行きそうなところって言ったら?
一番最初に思いつくのはやっぱり屋上、でも今日は風が強いから確実にいない。
次に思いついたのは、空き教室。でも久保ちゃんの性格で言ったらそれも無いように思えて・・・・・・

「やっぱ今日はあそこでしょう。」

そう呟いて体育館へと目指す。