■ Honey Day ---------------- 伊曽崎高校をヨロシク!!















ココは都内にある普通の共学の学校
地元じゃちょ〜〜〜〜〜っとだけ名前が知れ渡っちゃってたりする
何が自慢って?
美人が多くいる学校として大変有名なのである
男も女も学校の中にも外にもファンも追っかけもストーカーだっていたりしちゃう
時々だけどパトーカーも来ちゃう


それでも毎日が平和な高校ライフ
みんな仲良しイソ高生




そんな伊曽崎の有名人と言えば?
誰もが口を揃えて【小田と片桐】と言うであろう、
ここら辺りで【小田と片桐】と言えば誰でも知っていて、
迷うことなき間違える事無くその2人の名前が挙げられる


では実際にその生徒たちを垣間見てみようではないか
ココは伊曽崎高校の三年の教室が並ぶ3階中校舎、
彼の2人が端から1番目の教室『3年A組』にいた
覗いてみると・・・・・・

「あ、片桐君・・・・これ、さっき調理実習で作ったの・・・・よかったら食べて?」
「あれ、いいの〜〜悪いね〜」
「あ!アタシも!!」
「私もっ片桐君にあげようと思って一生懸命作ったの!!」

私も私も、と女性徒が一人の男に群がる
それににこやかに笑いかけながら、

「お〜〜皆ありがとな〜すっげ嬉しいよ、大好き!」
「「「「っきゃーーーーーーーーーーーvvv」」」」

いつの間にか男の机の上はお菓子の山、
所々に可愛らしい封筒の手紙まで紛れている
今どき古風にもラブレターなるものが・・・・・・
それを当たり前の如く受け取っているのが彼の有名人、片桐 - かたぎり - である

「片桐センパ〜〜〜イ、この前のデート楽しかったですぅ」
「片桐く〜ん、今度一緒に映画いこーね〜!!」

あちこちからお声が掛け捲られているほどのモテっぷりだ・・・・・
取り敢えず群がる女性徒に貰う物を貰ってありつけた約束を確定して中の良い友人の元へと近づいた

「いや〜片桐君、相変わらずのモテっぷりですなー」
「はっはっは〜〜僕達、そんなことに縁が無いモンで羨ましい限りだよ」
「んだなや〜いやーそれを少しでもあやかりたいモンですな〜」

上から天野 - あまの -、松本 - まつもと -、湯崎 - ゆさき - の3人である
ニヤニヤ笑いながらモテ過ぎる友人を迎えた、
嫌味を言葉を放つも、悪い感情は一切見えないあたり言葉だけのようである
片桐も負けじと笑い返そうとしたところで、
一人欠けていることに気づいた

「あれ・・・・・・小田は??」
「え、湯崎さっきまで一緒にいなかった?」
「は?つーか松本、お前一緒に売店行くって言ってなかった?」
「え?いや、俺はさっき天野が呼んでるからって片桐が伝言したとか言いながらどっかに行ったんじゃなかった?」

4人が4人・・・・・・一瞬の沈黙を後に・・・・・・

「「「「小田(数登)ーーーーーーーーーーーー!!!!」」」」

ダッと駆け出した。
教室に入ろうとした哀れなクラスメートは暴走特急と化した4人に跳ね飛ばされ廊下に転がる、
後ろを振り返って天野だけが、ごめんね〜〜〜と叫んだ

「何で誰も噛み合わねーんだよ!!」
「知るかよっ!!」
「初歩的なミスおかしてんなよなーーーーメンドくせー!!」
「数登ーーーーー!!無事でいろよーーーーー!!!」

廊下を走り抜けること数十秒、
このような時に必ずと言って良いほど探す人物がいる教室がある、
資料室のような場所で、
いつもカーテンが閉め切られて、
その階にはあまり人が近寄らなくって、
ま、俗に言う連れ込み場である
生徒と一部の教師が知る暗黙の了解場
先頭を走る片桐が物音と声に気づいた

ガラガラガラガラっっピシャーーーーーーーーンッッ!!!

「「っ?!?!??!」」

っと下手したら窓が割れるであろう音を立ててドアを横にスライドさせる、
あまりの勢いで反動があり続けざまに入ろうとした湯崎が挟まれた

「アウチっ!!」
「ごふっ!」

ついでにその背中に、と言うより頭におもいっくそ顔面を打つ松本、
その後ろではあまりの慌てように天野が足をもつれさせ廊下に転がっていた
3人それぞれが痛みに呻いてる中で、
片桐が中の様子に笑顔を浮かべていた・・・・・ただし、目は笑っていない

「はいはいは〜〜〜〜〜い、【伊曽崎高3年小田に関する五箇条】そのサ〜〜〜〜ン!!」
「【お、お・・・・おひるやすみに、小田に手を出してはいけませ、ん】・・・・・」
「そのと〜〜〜〜〜っり!!鼻血出してる松本に座布団五枚出してやって山田君!!」

ビシッと湯崎に振り返って指示を出し、
勢いをつけて前に振り替えなおす、
目の前では半裸状態のこの学校の有名人のもう一人、小田 - おだ - が見たことが無い男子生徒に組み敷かれていた、
可愛そうに、シャツはボロボロでもうその役割は意味を成さない、

「その弐、【強姦はしちゃだめよ?】でしたね〜〜」
「・・・・・・・・・・・・」
「か、か・・・・・・かたぎ・・・り・・・・・」
「可愛そうに・・・・・大丈夫だぞ小田、お前の貞操はもう無いに等しいがって言うか寧ろ無いが、破れたシャツは買って返してもらうえる!!」

後ろで湯崎が全く持ってフォローにも慰めにもならない言葉を吐いて天野に蹴られていた、
その発言を聞いて片桐はうんうん頷く、

「その通り、なので君・・・・その色は一年だな?学校指定のシャツ代金3900円(税込み)を置いてココから立ち去りなさい」

にこ〜〜〜〜っと笑いかける、
1年と言われた生徒は顔を青褪めさせて、しかしそれでもその場から立ち去らずに何かを喚いた
『誘惑された!』とか『俺の意思じゃない!』とか『先輩は俺のものだ!』とか何とか、
だんだん危ない発言も混じってきて言われてる本人は白目を剥いた

「君の言い分は、まさしくその通りだ。間違いは無い!あ、けどお前のモノじゃねーからな、小田は、勘違いスンナよ?」
「しかしだね!だからと言って本人の意思を無視してはいけないのだよ!!」
「そう!本人の意思が一番無視されているんだからな!!」
「かっわいそーーーな小田!!男運に嫌ってほど恵まれちゃって!!」

こいつらはいったい何をしに来たのか?と、遠のく意識の向こう側で小田は泣く、
友人想いなのか、
はたまたただ単に愉快なことがしたいのか・・・・・
一言言えるとしたらまったくもって善意は感じられない

「「「「と、言うわけだから慰謝料3900円、置いてけやコラ」」」」

上級生でましてやこの学校の有名人たちに睨まれ凄まれてはやはり逆らえず、
下級生は身なりを慌てて整え、
財布からきっかり3900円を置いて逃げていった

「うっわ・・・・ケチ癖ーなあいつ、しっかり硬貨で置いていきやがった」
「つーかその微妙な冷静具合ナニよ?って聞きたいねー」

そのお金を湯崎が拾って、
ティッシュを鼻に詰めながら松本が呆れる

「数登、だいじょーぶか?その分じゃ未遂だよな?流血沙汰になってねーよな?つ、突っ込まれたか!?切れてるか!?」
「はいはい、保護者さん!発言にお気をつけ下さ〜い、そして足の間を覗き込まないで下さ〜い」

鼻の頭を擦りむいて赤くしている小田の幼馴染である天野が、
放心状態のその身体を先ほどの男のようにしながら問いかけている
それを宥めながら離れた所にあった制服のジャケットを手渡す片桐

「あ、りがと・・・・・」
「つーか今日は朝からついてないな〜コレで3度目じゃないか?」
「・・・・・・5回目」
「「「「わお、」」」」

知ってるよりも2回多いってどんなん!?
などと心の中で突っ込む4人
小田、何故だか知らないが男に相当モテル男の子、
彼女モチだろうがどんなに女好きの男であろうが常識人だろうが関係なく引き寄せる危ない磁場の持ち主、
そこに本人の意思はないが

「うぅ・・・・・・おウチ帰りたい・・・・・・(泣)」

あまりのショックと疲労に泣き言漏らす
さすがに笑うに笑えなくって沈黙を落とすと

「やだーーーカズ君!今日も激しくボロボローーーーーそそられる〜〜〜んvv」

と場違いなはしゃぎようであらわれたのは、
イソ高生女子NO.1の人気を誇る、相田 - あいだ -

「ゆかり・・・・・・・」
「こんな事もあろうかとゆかりちゃん、カズ君の為にシャツ購入ー」
「「「「・・・・・・・・・・」」」」
「慰謝料はゆかりちゃんがゲットだぜっーーーーじゃ!!」

言うだけ言って敬礼して去る、
呆然と立ちつくした湯崎の手からお金を奪い取って

「さすがだぜ、相田さん・・・・・・」
「その心意気に完敗」
「どんな先読み術だっつーの」
「・・・・取り敢えず、善意だと思い込んで数登・・・・シャツ、着なよ・・・・・??」
「皆っ・・・・・・嫌いだ!!」



ちなみ、
相田さんは小田のきっと最初で最後になるであろう女の彼女である


こんなんばっかだけど、楽しい伊曽崎高校をヨロシクね!!