■ 好きと嫌いと憧れと その眼差しの全てと己にとっての存在と









































彼を知ったのは、
14の冬、




スゴイの一言で全てを語れる憧れの存在



好きなんです



初恋かもしれません



憧れでは終われない人でした



夢見るように



あの人の隣に立つこと

あの人に知られること

あの人に見つけられること

あの人に名を呼ばれること

あの人に触れられること

あの人に触れること



すべてが
夢に見る





遠くで見ていた

遠い存在だった



近づきたかった

近づけるとは思わなかった





こんなカタチで












「名前は・・・・・なぁぁぁに?」

ふにゃんと笑って、
俺の目の前で首を傾げるその仕草は、
かの有名なクボタイズミと言う名の存在の名残は一切ない

ホントにコレがあの人なの!?
そう目の前の現実を疑わずにはいられない程遠い事実、

「・・・・・・・・」
「こらぁ・・・・俺が聞いてるんだから、答えなさいなー」
「・・・・・・・・」

口調は怒っている(?)ようでも、
何が楽しいのかクスクスと笑い続けている、
時折、手にしたオレンジ色の液体を嚥下しながら・・・・・

「あの・・・・」
「ん?ん〜〜・・・・だめ、答えてあげない、名前言ってくんないとダメだぞ〜」
「・・・・・・・」
「ほら言え言え・・・・言わないと、」
「・・・・??」

そこで言葉を切って、
顔は前を向いたまま口にはオレンジ色ね気体の入ったコップがつけられ、
その横顔を見詰めれば、
視線がちろりと俺に向けられた、
途端に、
何かがゾクリと首筋を這う、

「っ!!」
「・・・・・・それとも、」
「言います!!」
「ん、教えて」

その口が何かを言葉にする前に、
俺は慌ててそう言っていた

「七緒・・・・広瀬七緒、」
「ななお・・・・・・・俺は、くぼたいずみだよ〜」
「知ってます・・・・・」
「ん?何で?」

何でって・・・何でって聞くか普通?
アンタがどれだけこの地域で有名か知ってて聞くのだろうか!?

「ま、そんな事別にイイかー」

良いのかよ!?
また、
グッとコップを煽って空にし、
テーブルに置いたかと思うと・・・・・
くるりと反転する俺の視界

「?!?!?」
「ななおーー・・・・・ナナって呼んでイイかな?」

俺を押し倒した久保田和泉は、
真上から俺を見下ろし、
驚く俺を気にした素振りもなく、

「えっ・・・・!??!」
「ん、じゃーそうこれから呼ぶね、ヨロシクね・・・・ナナ?」
「っは!?」

どんな流れでそんな事態に!?
って言うか何でこんな事態に!?
え!?
ナンなの!?

そんな疑問を頭の中で精一杯叫ぶと、
ふにゃふにゃ笑う顔が一気に近づく、
ホント、
至近距離すぎる、
あとちょっとでくっついてしまう距離に、
憧れた人の顔があれば、
緊張どころか、
俺は固まってしまった

うっわ!!!!
マジ勘弁して!!

「ナナはー・・・・・・可愛いなぁ・・・・・うん、可愛い・・・・」
「はっ!?」
「マジ・・・・・気に入ったぞぉ・・・・・・じゃ、唾つけとこ」
「え゛っ!?!?」

ふふふっとか笑いながら、
俺にとっては意味不明な言葉をドンドン吐いて、
またさっきのゾクゾクするような笑みが向けられる、

「っ!」
「いただきm」
「うらっ和泉!!何やってんだ!?!」
「ぅおっ」

動かなくとも触れ合うはず距離だった顔が、
いっきに上へと離れていく、
驚いたかのように目を見開きながら、
自分の襟を掴んでる男を仰ぎ見る、

「くらぁ邪魔スンナ楓・・・・・」
「酔っ払い、調子ノンな」
「アホだねー酔っ払いだから調子にノンでしょうが・・・・放して、」
「・・・・・・」
「ナンもしないから、放して」
「わーったよ・・・・・七緒、大丈夫か?」
「え、あ・・・・・うん、」

乱れた服を直しながら座りなおす久保田を見ながら、
差し伸べられた楓の腕を取って起き上がる、
未だ、
不機嫌顔で俺を見ている、

え?
俺の所為??

「誰から酒貰った?」
「聖がくれた」
「あんのやろ・・・・・・お前、杏滋なみに性質悪いんだから飲むなってんだろ?」
「お酒は嫌い」
「じゃ、何で飲むんだよ・・・・・」
「オレンジだって言うから飲んだけで、好きで飲んだわけじゃない」
「・・・・・・はぁ・・・・・」

不機嫌顔で、
今度は本物のオレンジを口にする
そして先ほどと同じように俺へチロリと視線を送り、
目だけで笑った

「ごめんね?」
「え・・・・??」

その一言を落として立ち上がり、
脇に掛けられていたコートを羽織る

「帰る」
「帰れんのか?」
「飲んでるように見える?」
「・・・・・・・」
「またね〜」

ひらりと手を振って
行ってしまった
その背中を見詰め、
何だか、
もやもやしたような感じが残って、
考えるよりも前に、
体が動いてその背中を追った

アルゴの重たい鉄の扉を開いて、
その姿を探すと、
少し先の薄暗い道路の真ん中に空を仰ぎ見ながら立つ姿が目に入る、
声を掛けようか迷いながら近づくと、

「星、見えないよね」

手を伸ばせば触れられる距離で、
独り言のように零された言葉、

「俺さ・・・・・こういう場所って嫌いなんだよね」
「・・・・・・」
「あとちょっとしたら、来なくなるから」
「・・・・何で?」
「星も見えない、嘘だらけで、明るすぎて、煩くて・・・・・・ホント、目障りだ」

その言葉は俺に向けられたわけでもないのに、
ズキリと体中に刃物を突き刺されたかのように痛みを与えた
痛む胸を押さえるように、
服を握る、
久保田は俺を見てはくれない、

「ナナは・・・・・ココが好き?」
「嫌いじゃない・・・・・」
「そっか」
「・・・・・・・・・・」

何も俺から言えない、
言わせてくれる雰囲気じゃないのが分かる、
コレが本来の、
噂されるクボタイズミの空気、

「バイバイ」
「っ・・・・・!」

視線は空、
意識は星、
心は何処か・・・・・・・

俺を見てくれない

離れていく、
遠ざかる距離、
あと一歩、
手を伸ばしても届かない、

イヤだっ

「・・・・・・・・何?」
「・・・・・・」

腕を掴む、
でも視線は前、
冷たい空気のように、
冷たい声、

「俺を拒絶するならしてもいい、俺が怖いならそれでいい・・・・・自分がそう思う前に、ナナは俺を受け入れてないよ」

心を見透かすように、
俺を見ない、

「どっちなの?はっきりして欲しい・・・・・・拒絶するならして、憧れで終わるな終われ、俺にはそんなものいらない」

憧れで終わる
拒絶しているわけじゃない
憧れで終わるつもりも無い
怖い・・・・・・わけでもないと
思っていた


・・・・・思いたかった、


クボタイズミの言うように、
この存在が怖いのかもしれない、
気付かないほど、
心の奥深くで、
恐れているのかもしれない、


彼を知った、
噂を耳にした、
本物を目にした、
敵わなかった、
怖かった・・・・・


「怖い・・・・・・」
「・・・・・・」
「怖いのかも、しれないけど・・・・違う、」
「何が?」
「・・・・・・」

違う、
そうじゃない、
怖いけど、
怖くは無い、

「何が違う?」
「貴方が・・・・・俺は好きです」
「・・・・・・」
「怖いのは・・・・・・何なのか分からないけど、でも・・・・皆が貴方を思うような恐怖じゃなくって、」

一緒じゃない、
一緒にしたくない、
されたくない、

「俺を・・・・・・見て、くれますか?」
「・・・・・・」
「・・・・・見て、」
「・・・・・・」

涙が頬を伝う
何で泣いてんだろ?
とか、
カッコワルイ
とか、
情けない
とか、
そんな気持ちもグジャグジャとしてきて
服の袖でゴシゴシと拭いながら、

「・・・・・・」
「ごめんっ・・・・ホント、ごめ」
「ナナ」

謝罪の言葉を遮られて、
取った腕は振り払われて、
その両腕は俺の肩にかかって後ろをまわり、
先ほどと同じ距離の、
目の前の視線、

「ヒドイこと言ってゴメンね?」
「っ・・・・・」
「嘘・・・・・ナナにはそんな事思ってないよ、ゴメンね?」
「・・・・・ぅ・・・・・っふ・・・・・」

俺の涙を見ながら、
笑う
キレイに優しく

「泣かないで?」

至近距離の笑み、
俺だけを見る視線、
その意識に、
瞳に、
俺が写る

恐る恐るコートを握る、
そんな俺に笑みが深くなる、

「ほんっと・・・・・可愛いよねぇ・・・・・」
「可愛くなんかっ!」
「いや、全然ホント・・・・・可愛すぎ、」

何を言っても無駄なんだろう
いくら否定しても、
笑うだけで、
同じ言葉を繰り返す、











好きなんです



初恋かもしれません



憧れでは終われない人でした



夢見るように



あの人の隣に立つこと

あの人に知られること

あの人に見つけられること

あの人に名を呼ばれること

あの人に触れられること

あの人に触れること



すべてが
夢に見る





遠くで見ていた

遠い存在だった



近づきたかった

近づけるとは思わなかった









縮まった距離、

彼を知る、

目も眩むような真実、






憧れと恋との狭間にあるような不可思議な気持ち、








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ええっと・・・・
意味不明な話しを書いてスイマセン・・・・!!
ある拍手のお言葉で、
イズナナってのがあって、
それを聴いた瞬間に思いついてしまったモノのですから(大汗)
って言ってもですね、
久坂×久保田、杏滋×七緒が大前提でございますので、
そこの所はあしからず!!
久保ちゃんは誘い襲い受けで、ビックリですわー・・・・

お気に召したら、
お言葉お聞きしたいでございます。
では、