■ xxxHOLIC  百目鬼×四月一日



【くやしい】












勝てない

勝っても意味がない

勝負にならない

でも、
相手にはしている

向き合っている

背を預けあっている



素直じゃない


素直に



なれない








あの事故から漸く全回復した俺は、
久しぶりの学校へ
教室へ入ればクラスメートから口々に心配の言葉と回復の言葉を貰って、
ひまわりちゃんのどこか不安そうな表情が拭えない、
けれど笑ってる顔に俺も笑い返す
そしてそっと耳打ちで、

『苺のシフォンケーキ、後で渡すね』

そう口にすると、
心からの笑顔を貰った

泣きそうだけど
心からの笑顔を



*****







ところ変わって時間も過ぎて、
あっと言う間に午前が終わる
いつもの、場所
手にしているのは5段の重箱
進まない足
眉間による皺
行かなきゃいけない
でも行きたくない・・・・ワケじゃないけれど

「ぅう・・・・なんでこんな時に、ひまわりちゃん委員会っ・・・・」

せっかくお礼とご所望のシフォンケーキを渡して
もう一つのお礼でお昼も誘ったのに、
あっけなく振られた

『ごめんね、四月一日君』

しんそこ残念そうに、
申し訳なさそうに両手を合わされて

『せっかく誘ってくれたんだけど、私今日当番なの』

ホントに申し訳なさそうに言われては引き止めることも出来ずに、
心のいかないで!の叫び声は押さえ込んで手を振っていいと告げてしまった自分
情けない、

「いやいやいやいや、待て俺むしろ泣いて引き止めるほうが情けない!?

いやーーー!!ひまわりちゃんに嫌われるのだけはいやーーーー!!
OhっNO!!とムンクの叫びもびっくりな俺の叫び
心の叫び!

「でもでもでも、あいつと2人っきり!?」

ってのも、
いやーーーーー!!!!
絶対にキレる自信あります!!
凄いだろ俺ーーーお礼言う前に絶対喧嘩売れる自信あんだぜ!!

「無駄だろっいらんわそんな自信っ」

バシーーっと、
空気に裏拳突っ込み
ひとしきり一人遊びし終えて気を取り直す

「無駄に疲れた・・・・」

項垂れながら覚悟を決めて屋上へと上がる階段下へと迎う
とぼとぼ歩くさまはまさしくドナドナの牛、

「ん、馬?」

はて?と首を傾げて歌の内容を思い出そうとしていたら

どんっ

「うっわ!!」

背中に何かが当たる
弁当片手に廊下へとダイビーング!!

「ぅぅおっーーー!」
「・・・・・」

身体斜めりながら踏ん張るもあえなく玉砕
こんにちは廊下さん、
優しく俺を受け止めてね?

「ンな訳あるかーーーー!!」

突っ込みいれつつ全身に力を入れるも、
いつまでも廊下は俺を迎えてはくれなかった
硬く瞑った目を開けてみると、

「面白い芝居だな、」
「っ!?」

背後から声
右腕と腰に人のぬくもり
あわてて振り返ってみると

「どっ百目鬼!?」

いつもの無表情がそこにあった
間近に
つーか目の前に?

「ひぃっ!?」
「失礼だな、人にぶつかっておいて謝罪の言葉もないのか、」
「えっ・・・あーすまn」

そんな言葉に条件反射で謝ろうとしたが、
ちょいとお待ちよ?
あれ、
あれれれ?
何か可笑しくないですか?
オカシイですよね?
ぶつかってきておいて?ですってー
あれあれあれーぶつかられたのはむしろ俺ですよねー

「って何で俺が謝んねぇとっっ!??!」
「メシだな、食うぞ」
「って聞けーーーーーーー!!!」
「もぎゅもぎゅ」
「って先に食うなーーーーー!!!!」

いつのまにか腕と腰から百目鬼の手が離れていて、
いつの間にか俺の手に合った重箱が消えていて、
そして本当にいつの間にかそれを開いてもう食っている百目鬼

早っ
早すぎだから!!
つーか俺の大傑作出汁巻き卵を一口で食いやがった!!

「あーーー!俺だって食うんだっ残しておけよ!!」
「ケチケチすんな、たくさんあるんだから」
「何その言い方!?俺が作ったんだよっ」

ほれ、食え
そう言って差し出されたおにぎりをバッと奪う
俺が作ったんだよ朝早くおきて!!

「今度は、蕎麦掻が食いたい」
「って持ってこれるかーーーーー!!」

何だその食ってる最中なのに、
次の弁当の催促はっ気が早い所じゃねー!!
つーか無理だしっ
蕎麦掻持ってくるの・・・・たぶん、きっと無理!!

「じゃー仕方ねぇから」
「仕方なくねぇ!!」
「チーズフォンデュ」
「もっと無理じゃーー!!」

むっきーーーー!っと、
血管キレる頭で空気に裏拳突っ込み
なにがチーズフォンデュだ!
どうやって持って来いと言うんだ!?

「お前の要望はもぅ聞かん!!」
「・・・・・・ほぅ」

がぶりとおにぎりに噛み付く
適度なすっぱさは中味が梅干だから
俺お手製だ
3年物だ

「・・・・・・うまい、」

落ち着く味に
さっきまでの憤りを忘れてほにゃりと歪む俺の頬
自画自賛だって言われたって良い
自分で作ったものはやはり美味いのだから
出汁巻き卵にも箸を伸ばして
黄色いかたまりを挟んで口に放る

「ん、」

適度な甘さ
邪魔しない程度の出汁のききよう
さすが俺だ、うん

「・・・・・・」
「・・・・・・」

そこにあるのは租借するだけの音
気まずくない沈黙
その中で俺は素直に言葉が出さた

「・・・・・これは礼だ」
「・・・・・・」

そう一言
そう、
これはあの時の礼だ

「お前が何を対価で払ったかは教えてもらってないけれど、」
「・・・・・、」
「でも、あれだけの俺の状態からココまでなったんだから、きっと安くなかっただろ?」

侑子さんは言う
対価は平等でないといけないと
可もなく不可もなくと
願いに見合った相応の対価

「だから今日の弁当も、俺のお前への対価だ」
「・・・・・わかった、」

俺の言葉に
返す百目鬼の声
そう今日の中身は総て百目鬼の好きなものばかり
覚えてる限りの前に要求されたものを入れてみた

「だから出来るだけ、お前の要望には応えてやるよ」
「おう」

にっと笑って百目鬼が言葉を返す
いつも通り
短い一言だったけれどそれが何だか不思議に嬉しかった
けど、
やっぱりガラじゃなくって恥ずかしくて
照れ隠しに、

「・・・・〜〜っって言うか、お前!」
「あ?」

今まさに口に放り込もうとした唐揚を口元にやったままで、
俺に視線を向ける

「少しは礼とかねーのかよ!」
「・・・・・礼、」
「そうだよっ美味かったぞとか美味かったぞとか美味かったぞとか!!」

って言うか美味いと言え!!
いつも食うだけ食って次の要求しか言わねぇんだからよ!!
それくらい口にしてもバチはあたんえーぞ!?

「・・・・・ほぅ」
「ほぅ、じゃねーーーー!ジジィかっお前はどこぞのジジィか!?」
「メシの時は位は静かにした方がいいぞ」
「お前の所為じゃーーーー!!」

何だその今更なことは!?
イヤ待て俺っ
今更とか言ってると俺の品性疑われるじゃないかっ
だいたい、
いつもいつも怒鳴ってしまうのはだなー

「お前の所為だ、」
「美味いぞ、四月一日」
「っ!?」
「ありがとう」
「ーーーーーーーーーーーーーーーー!!!?」

無表情の顔に、
いつものニヤリとした笑みじゃない
小さいけれど
確かな笑み

そして
確かな言葉

俺が欲しかった
けrど
今までくれなかった言葉




くやしいっ
くやしすぎるっ

もーー何も言えやしないっ





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・・・・・・・微妙
むしろ・・・・・ぶっちゃけ初書き?みたいな ←ぇー
はい、
初書きの百目鬼×四月一日・・・・でした!
お見苦しいっ
見苦しすぎるっっ
でもこれが砂子さんの精一杯の愛っ・・・・(痛っ)
キャラが掴み切れてない・・・・

勉強します
出直してきます

でも、
やっぱり好きですっっっ