■ ほしいものは手に入れるのがおれのやりかたさ。











ソレが欲しかったら
指を咥えて見ていないで

手を伸ばして
腕に抱いて
自分のモノだと口にする

ソレが俺のやり方

後悔なんてするはずない
後悔なんてさせもしない











夜の街でたむろってる連中を横目に目的地へとプラプラと歩く
酔っ払いのおっさんが歩く時間帯ではないから
仕事帰りのOLだのサラリーマンが大半
それに混じって、
制服の女の子に群がる男の子

「いいの〜若いのはー」

何て自分もそんな連中と同じ年のも関わらず、
ジジ臭いことを口にする
白いフード付きのパーカーを目深に被ったキャップの上から被ると
余計な関わるのが面倒な連中が寄ってこないから楽だ
この辺一体でこの格好をしていると、
絶対に絡まれないこと100%

「楽ね、うん」

パーカーのポケットに手を突っ込んで、
明るすぎる街を歩く
煩い所だと思う
ココを楽園のように思う連中、
どうしてこんな所に来たがるのか自分には分からない
空も見えない
もちろん星も見えない
月すらどこにあるか探さないと分からない

「あー耳が痛い」

ガンガン鳴ってる店の音楽や、
騒ぐ連中の声
走る車の音
でも、
目的地には可愛いお気に入りが待ってるから
取り敢えず行くだけ
それがいなかったらこんな所好き好んで来るわけナイのだから
スッと横道をずれて路地に入る
途端に暗くなる道をまっすぐ歩いて
暗くなればなるほど、
静かになればなるほど、
柄の悪さが増す奥に目的地【Argo -アルゴ-】
デカイ鉄の扉をガンと一蹴りすれば、
重い音を立てて扉が開く
漏れ出てくるのは音の洪水
ひょっこり頭を見せたのは門番に似合うスキンヘッドの厳つい男

「・・・・・どうぞ、」
「ありがとう」

俺の姿を認めて通してくれるその男に礼を述べる
身体を滑り込ませて鉄骨の階段を下りる
薄暗い中を照らすライトが狂ったように踊り
その中で若い男も女も入り乱れるように踊り狂う
進んでいけば真っ赤な円形のソファー

「イズ君!!」

その中から飛び出してくるのは俺の可愛いお気に入り

「ナナちゃーん、」
「来てくれたんすね!?」
「もちよーん」

同じ年なのに何故か軽い敬語を俺に使う七緒
その輝く目に浮かぶのは憧憬の眼差し
キラキラお星様が飛ぶ勢いで俺を見詰める

ヤベ、
やっぱマジで可愛い

ソファーの背もたれ越しに腰に抱きつかれて
染めて金通り越して白くなってる髪に指を通す

「他の連中は?」
「さっきまではいたんだけど、どっか行っちゃいました」
「あらまーこんな可愛い子を置いて?」
「俺、可愛くなんてないっすよ?」

ぷーっと膨れる頬
ソレを両手で挟んで上から覗き込むように

「可愛いよ、ナナは全部が可愛い」
「っ・・・・・」
「真っ赤、可愛いね、ホントに」

瞬間湯沸かし器の如く首から一気に赤くなる
ボンっと音がして頭のてっぺんから湯気が噴出したみたいだ

「イズくん・・・・は、は、はずかし・・・から、放してくらは、い」
「ん?んーーー・・・・いや?」
「はなひてーーー(涙)」

涙目でイヤイヤする様に俺の両手の中で首を振る
ぱさぱさと白金の髪が指を撫でて
可愛い仕草に
うずうずと苛めたい気持ちが湧き出てくる

ヤバイなー
かなりヤバイ勢いで俺のサド心くすぐる子やねー

見上げてくる恥ずかしさからか何かで浮かんでる涙が、
零れそうで零れないギリギリの所で溜まっていて
あとちょっと動けばそれがこの赤い頬を垂れていくのだろう
ソレが見たくて
きっと他所から見たら不本意だけど、
でも自覚もしちゃう【鬼畜】な笑みを浮かべた
案の定
ナナは目を見開いて真っ赤な顔を青褪めさせたり今度は白くさせたり大忙し

「い、い、いず、いずい」
「ドモリすぎ、」
「いや、ていやいず」
「何言ってるか分かんない」

いや、マジで何言ってるかわからない
ナナの心の声も嵐のように色んな感情が叫びを上げていて
まるっきり声が多すぎて読めない
何だこうやってれば誰にも心読まれないよ、
と思うのだけれど教えてはやらない
だってそんな勿体ない

「ね〜〜〜ナナちゃん?」
「ひぅっ」

上から覆い被さるようにしながらナナの顔を覗き込んで
至近距離で軽く首を傾げて
おねだりする声色で呼びかければ
きっとナナの第六感が異常に研ぎ澄まされてるのだと思う
軽く悲鳴を上げた

きっとその六感は当たりだと思うよ
きっと軽く思ってる通りの事を今からするよ?

「ちょっくらお兄さんと遊ぼうか?」

同い年だけど
俺より少し背も小さいし
俺より喧嘩弱いし
俺のこと憧れとして見てるみたいだし
俺のことむしろ好きみたいだし
利用する手はないよね?
黒い、と言うお言葉は聞き流す方向ですが何か(黒爽)?

「・・・っや」
「だ〜〜め、もう決めちゃった」

くっと顎を引かれて少し離れた距離にちょうど良い噛み付く場所
上向いた唇に歯を立てる

「っ」

ビクッと揺れた肩
きつく閉じられた目蓋の横に深く刻まれた皺

ダメだよ
そんな顔したら余計滲めたくなる人もいるんですからね?
勉強しようね、ナナちゃん

「でも、無理矢理は好きじゃないから」
「ぅう〜〜」
「ナナ、目開けてごらん」

優しく声をかけると
恐る恐る開く濡れた瞳
その目を真っ直ぐ見詰めて

「俺のこうされるの嫌?」
「・・・・・・」
「嫌ならしないよ、俺が嫌いならしない」

嫌だと言うなら止めてあげる
嫌いだと言うなら離れてあげる
でも、
少しでも許すなら
苛めてあげる

「どっち?イヤ?嫌い?」
「い、・・・・・いず、」
「どっちなのかな、言ってごらん?」

濡れた瞳に新たな涙が浮かぶ
寄せられた眉間の皺が解かれて
せっかく引いた頬の赤みが徐々に取り戻されてきて
薄っすらとした赤に染まる

可愛さ倍増っ
イヤって言われても抑え効くかなこりゃ?

「うん、って頷いたなら可愛がってあげる」
「・・・・・・」
「だから首を横に振らないで、頷いてごらん」

拒否しないで俺の中においで
可愛がってあげるから
気を失うほど可愛がってあげるからさ

そう見詰める瞳に
その言葉を載せれば
微かに頷くナナ







指を咥えてなんて見ていられない

欲しいと思ったモノは
絶対にこの手に落とす

後悔なんてしない
したくない

だから、
どんな手を使ってでも欲しいモノは手に入れるのが俺のやり方さ






+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

タラシ大魔神タラシモード前回でお贈りさせていただきました
きっと周りの人も
関係ないのにタラシこまれて頷いてると思う(ぇ)

過去話しから数ヶ月のことだと思う
15.6でこんなだなんて・・・・・将来が心配ですs =◯)`ν゚)・;'.、

え?
中途半端?
ウン、そう思う・・・・・けど、ご想像にお任せってのm =◯)`ν゚)・;'.、
うぅぅスイマセン
ダラダラ長くなりそうだったのでタラシな話しにしてみました

え?久保ちゃんが鬼畜っポイ?
・・・・・・・あはっ
砂子さんもそう思います・・・・ですっ(汗)