□ 何時もと変わらない騒がしさ、何時もと変わらない日常








朝っぱらから・・・・・メンドくさいことこの上なし!!
今日は楽しい楽しい自習日土曜日。
ウキウキルンルンな俺。
普通の日のように学校に行っているだけなのに、
普通の日に学校に行くよりも楽しいってなんだか変だけれど、

楽しいんだから仕方がない!

ちょっとだけ遅めに起きて、
ゆっくり朝の支度して、
寝ぼけている諫早さん叩き起こして、
ちょっと遅めの朝食を食べています・・・・・・
食べて、
いや・・・・食べられていません!
だって・・・・たってよ!

「邪魔じゃボケ!!」

俺の右隣には無言でクロワッサンをちぎる諫早さん。
いや、諫早さんは全然まったくもって邪魔ではないのですけれ!
しかし、問題は!!
左隣には、

「あ、卵焼きも〜らい」

俺の卵焼きを横取りする榛原杏滋。

「ぬあーーーーー!!」

まん前には、

「あーーズルイ!僕もっ僕も食べる!!」

榛原の行動を羨ましがって焼き魚を半分横取りするウイ先輩。

「って食うな!」

諫早さんの目の前、俺の右斜め前には、

「おやおや〜広瀬君、たくあん残しちゃってー俺がてべて上げるからねーvv」

たくあんをひょいひょいといくつも取っていく、一条先輩。

「にぎゃーーーー!!」

食堂は戦場と化している!
俺の朝食和食セットが、本人の胃に納まる前に他人の胃に納まってしまっている。
大好きな卵焼きもなくなり、鮭の塩焼きも半分に減り、5枚の内の4枚が消えて、おひたしも跡形もなく・・・・・・・・

「勝手に食うなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」

がしゃーーんと茶碗を割る勢いで俺ってば大暴れ、
遠くから湯飲みが飛んできた!

ガッツ!

「ひぎゃ!?!」

おもいっきしデコにヒット!
痛いし!!
ちょーーーー痛いし!!
誰だこのヤロー!?!
って辺りを見渡せば、窓際に寮長の姿を発見・・・・・!!?!
文句を言わずに素直に座った。

だって・・・・だって!
般若だったよ!
鬼の形相だったよ・・・!

で、気づいた時には既に遅く・・・・・・

「・・・・・ない・・・・・・・」
「「「ごっちそーさまっした〜」」」

3人の先輩方の合唱。
俺の朝食がキレイさっぱりと消えていた。

「うっがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッゴフ!!」

って大声で叫べば、
今度は急須が飛んできた。
例に漏れず、顔面ヒット・・・・・・

イジメだ・・・・コレは完全たるイジメだ・・・・!!
イジメに違いない!
俺の和食セット・・・・・!!
泣いてテーブルに平伏す俺・・・・・・ちょー惨めで憐れ。
テーブルに広がる涙の黄河。

心は溺れちまってます・・・・・ぐすん

「七緒・・・・」
「あい・・・・ぐしっ・・・・」

だんまりだった諫早さんの呼びかけに、
滝の如く流れてた涙をそのままに、顔をそちらに向ける。
目の前にはクロワッサンの大きな欠片。

「??」
「あ〜〜ん」
「「「っ!!!」」」
「っ!?」

諫早さんの言葉と行動に驚く上級生。
固まる俺、
でも当の本人は、気にした様子もなく、
もう一度、

「はい、七緒・・・・・・あ〜〜ん」
「・・・・・あ〜〜〜んvv」

超絶可愛い笑顔とともによこされたクロワッサン。
雛鳥ヨロシク、口を大きく開けてそれを分けてもらう。

まぐまぐまぐ・・・ごっくん

「うっまvv」
「よしよし」

頭をグリグリ撫でられて、

「諫早さん大好きさーーーvv」
「そりじゃ〜もっとやろうか〜はい、あ〜〜〜ん」
「あ〜〜〜んvv」

こんどはフォークでカリカリベーコンが目の前に!

まぐまぐ、もぐもぐ・・・・ごっくん

「うっまーーーーvv」

ちょー幸せ〜〜vv

分けてもらった事と、諫早さんの行動と笑顔、口に広がるベーコンの味に幸せを感じて俺は満面の笑顔。
悦は入って、ニコニコ笑顔を諫早さんにプレゼント。

ごっきげんじゃ〜〜ん★

「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

無言の上級生’S
心交わしたかのように目を合わせて頷きあう。
で、

「おい、俺のオムレツやる・・・・食え」

学食名物10食限定中身たっぷりふわふわオムレツ!?
榛原っ!!?
どーーーした!?
いつもは絶対にくれないのに(驚愕)!!!!

けど、貰っとく!!

「食う!あ〜〜〜ん」

ぱく・・・・・・まぐまぐ・・・・・

「うっま(喜色)!!!」

さすがだぜっ10食限定オムレツ!!
マジうまですから!!
俺ってば幸せですから!!

「七緒ちゃん七緒ちゃん!僕のもあげるーーーー!!」

そう言ってウイ先輩が差し出してきたのは、朝5食限定のつみれ汁だ!
しかも季節限定でもある!!

「食べまーーーーーっすvv」

熱々のつみれ汁の半分が目の前に!!
俺の今日の大本命!

ふーふー・・・・まぐまぐ・・・・

「うっま・・・・!!!」

さすがだぜ!
さすがのつみれ汁だぜ!!
俺の大本命・・・・
今まさに俺の腹の中に・・・・・(涙)

「広瀬君・・・・ここに、君の大好きな千枚漬けがあっちゃったり・・・・?」
「どっ・・・・どうしてそれが!?」

目の前には一枚の漬物・・・・・!!
箸に摘んでいるのは、お土産などで見る千枚漬けが一条先輩の手に・・・・・・・!!!

「食べる?」
「もちろん!!」

口を大きく開けて、頂きました!!
ぱりぱり・・・・ぽりぽり・・・・

「美味ですじゃっ!!!」

日本人で良かった!
生まれて来てよかった!!

喜びに浸っていたら・・・・・

「食え、もっとやる。」
「七緒ちゃんあ〜〜ん!!」
「広瀬君、まだまだ種類はあるぞ!」

次々に差し出されて、
次々に口に入って、
次々と胃に収まっていく・・・・・

「っっっっ・・・・・!!」
「「「あ〜〜〜〜ん」」」

もっ・・・・・もう入んないっす!!!
冬篭り前のリスも真っ青な口の詰め込みっぷり・・・・!

お食事中の皆々様、
大変、
大っっっ変、
申し訳ありません・・・・・・

吐き出しました。

ソレと同時に飛んできたのは、
お湯のたっぷり入ったポット
もちろん顔面ヒット
間違いなく寮長の手元から、
ついでに罵声のおまけ付き、






ちなみに俺、
その日は保健室で一晩過ごしました・・・・・・





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四萬打!感謝感激ありがとうございました!
そして、結城様!
リクエストして下さってありがとうございましたーーーーーー(礼)!!
七緒の受難の日々!
とのことでして、日々と言うか・・・・受難な日常と言うか・・・不幸と言うか・・・・
食べるのかと見せかけて、実は結構な小食さんな七緒君(笑)
だから肉付きが悪いという説も有り。

こ、ここここ・・・・こんなのでよろしいでしょうか!?
大丈夫でしょうか!?
結城様に捧げます。
煮るなり焼くなり、結城様はしてやってください。

そりでは!