■□ 成長したはずの僕を見てください □■











明日からは待ちに待った・・・・・・・

「三者面談でした」
「「「・・・・・・・・・・」」」

今日も今日とて、
担任の突然発言
全員が固まった

「おーーーせーんじゃっこのオオボケ教師ーーー(怒号)!!」

なんて叫び声が上がったのは言うまでもなく、
全員がプリントを急いで持って帰って
予定を組んだのは、
言わなくても分かりきったこと






で、
そんな怒涛の三者面談も、
滞りなく進むから笑えるを通り越して
泣きたくなる
そして3日目



初っ端は?



「和ちゃーん?」
「あ、お母さん!」

蜂屋和希ママ登場
予想を裏切らない、

「・・・・・・」
「・・・・・・あーー久保ちゃんの言いたいこと、分かるよ?」

そんな久坂のフォロー

「って言うか、似すぎだと思う!」
「うん、そうだね・・・・あはははっ(大汗)」
「あの人、物心付く頃から外見があのまんま・・・なんだよな・・・・」

黒田の遠い方向を見るような声で小さく呟く
心の中では『化け物』なみだ・・・
なんて思ってたり思ってなかったり?

「あらー巳咲ちゃ〜ん、それに壱春ちゃ〜〜んvv」
「果歩さん、こんにちわ」
「こんちわっすー」
「はい、こんにちわvvあら、そちらの方は初めて見る方ね?」
「あ、クラスメートの久保田です。」
「こんにちわ、和希の母です。息子と仲良くしてあげてくださいね?」
「あ、はい」

ほにゃほにゃした笑いで、そう言われれば、もし知らない間でも頷いてしまいそうな感じだ。
久保田も勢いで頷いてしまった
ま、仲も良いしクラスメートなので気にしないでおく

「あらあら?和ちゃん、鷹緒君は?」
「一条?あーーーたぶん、部活じゃないかな?」
「もう!何で、少しの間待っててくれるようにって言っておいてくれなかったの!ママ、会いたかったのに!」
「だって、一条だって色々あるんだよ?」
「和ちゃんの意地悪!!」

ぷーっと頬を膨らませて怒る仕草は、高校生の息子をもつ母には見えない
恐ろしく見えない
とてつもなく見えない
もしかしたら、制服を着ても違和感がないと思う

「って言うか一条・・・・・」
「抜かりがないな・・・・」
「周りを固めていくとは・・・・やるな!」

コレで母親は見方にしたようなものである
ココで、久坂が心にメモったことは誰も知らない・・・・
で、怒っている自分の母親を教室に押し込んだ蜂屋だった。

「で、次誰?」
「久保ちゃんっていつなの?」
「俺?・・・・・確か、明日の3番目かな?久坂は?」
「俺もー明日!の5番目!終わったら遊んで帰ろー久保ちゃん!」
「いいよ・・・・黒田は?」
「俺?俺は次の次、ちなみに次は委員長、だよな?」
「え?あ、うん」

隣でポケラーっと座ってた委員長が、黒田の声にビクっと身体を震わせながら振り返った。

「委員長は誰くんの?」
「え?・・・あーーたぶん・・・来ない・・・・かな?」
「え、何で?」
「あーーーん・・・・えっと・・・・・色々あるし・・・・」

聞かれたくないことなのか、普段の雰囲気とはかけ離れて曖昧に笑う
そんな様子に、久保田が久坂を引っ張って話題を逸らせた
ようで、鈍い久坂、意図を汲めずに何?とか笑いながら、話題を反らせられない

「そっかー誰が来るのか楽しみだね!」
「あーーーうん・・・・来ないだろうけど・・・・」
「エーー来るよ〜きっと!」
「・・・・・」
「ね、久保・・・・・ちゃ・・・・・・??」

振り返った先には、久保田の無表情と黒田の呆れたような顔

「あ・・・・・あれ・・・・??」
「・・・・・・」
「バカ、壱」
「え、え、え、えっえ!?」

慌てるがとき既に遅し
ボキボキと関節を鳴らしながら立ち上がる

「っひ・・・・!!」
「歯ぁぁ・・・・・・食いしばれ・・・・・」
「くくっくっくくく久保ちゃっ・・・・・・!!」

今まさに、久保田の懇親の右ストレートが炸裂し言うとした瞬間に、
誰かが目の前を通り過ぎて

「なっちゃーーーーーーん!お兄ちゃんが立会いまーーーーーーっす!」
「にっ兄ちゃ!?」
「もうっなっちゃたら!つれないぞ!お兄ちゃんに言ってくれれば、お兄ちゃんがなっちゃんの兄といわず父と言わず恋人にも旦那にもなるのに!」
「あっわわわわわっわっ(汗)!?」

余計なことを口走る兄の口を塞ごうとするが、間に合うこともなくボロボロと零れていく
委員長、顔真っ赤

「かーわいいー」
「くくく久保ちゃ!!!?」
「俺さーかなり面食いなんだよねーって知らないけど、前言われた」
「かもね、真中好きだもんな?」
「真中は可愛いよ、あのちょっとズレた感じが」
「いや、久保田も相当ズレてるけどね」

ぎゃーぎゃー騒ぐ久坂を無視して黒田と会話を進める
その横では兄弟が騒ぐ、
三者面談だということを忘れて

「うるせーぞお前ら!!」

ガラリと開いたドアから
担任の顔
口には咥え煙草
どこまでも自由な男だった

「せんせー三者面談なら煙草はやめろよ!!」
「うるせーぞ久坂、このヘタレ」
「わーー先生、最悪っ・・・・・」
「何とでも言え、次っ仁科入れー」

そう言い残して、引っ込む
蜂屋親子が出て来た

「じゃーママ先に帰ってるわね?」
「はいはい」
「あ、鷹緒君に暇な時があったら家に来てねって言っておいてね!」
「分かったから、はい、帰る!!」
「和ちゃんの意地悪!」

ぷりぷりしながら和希母は帰っていった・・・・
やはり、母親の年齢としては見えない、仕草である

「じゃ、そう言うことで!なっちゃんの三者面談といこーかーーー!」
「兄ちゃ・・・・・・・・あ・・・・・」
「アンタが行った所で何の意味もないでしょうが」

委員長の驚いたような声の次に聞こえた、
凛とした女性の声
一斉にそちらに視線が行く

廊下の角を曲がった辺りを颯爽と一人の女性が歩いてきた

「げっ遊里!!」
「げっとは何よ、失礼ねバカ桃司」
「何でお前がココに来たんだよ!」
「何を言ってるのかしら、お馬鹿な桃司ちゃん?お姉ちゃんはアンタら2人の保護者よ?」

嫣然と微笑む勝気な美女
黒く長い髪は毛先の方に行くにつれウェーブが掛かっており黒に白いストライプの入ったタイトなスーツが似合っていた
どことなく、兄弟と言われれば生徒会長の方に似ている
そのスーツの胸元には弁護士バッチがキラキラと輝いていた

「あー・・・・委員長のお姉さんって弁護士さん?」
「あ〜・・・・・うん」
「へーーかっちょいーーー」
「見たことある、雑誌かな〜けっこう取り上げられてるよね?負け知らずって?」
「うん」

道理で、
あの最強の生徒会長が子供っぽく感じる
そんな、騒ぐ自分の姉と兄に近寄って

「遊ちゃん・・・・来てくれたの?」
「勿論よ、あの人たちが来るとは思ってなかったでしょう?」
「・・・・来て欲しくなかった」
「だと思ったわ、もうなっちゃんはそう言うこと言ってくれないんだから、お姉ちゃん寂しいわよ!」
「うん、でも忙しいかな、思って・・・・」

ヒールを抜きにしても高い姉を見上げて、困ったように笑う
そんな弟に、優しく頭を撫でる

「なっちゃんの為なら、法廷無視しても行くわよ・・・・まぁ・・・桃司なら、終わらせてから行くけど」
「来・ん・な!」
「アタシが行けなくても、義弘が行くわよ・・・・喜んで」
「・・・・マジ来そうだからやめて・・・・(泣)」

生徒会長が青い顔して首を振る
心なしか、悪寒が走ったかのように震えている
そんなに嫌なようだ

「じゃ、まず挨拶に行きましょうか?」
「うん!」
「あ、ちなみに次は桃司、アンタよ?」
「何で知ってんだよ!」
「アタシが知らないとでも思ったの・・・・・・??」
「くそ!」

ニヤリと笑って教室に消える生徒会長の姉上と弟君
後姿を見送ってから、
悪態をブツブツと吐き続ける

「生徒会チョー」
「何だ!?」
「うわっ・・・・・八つ当たり!」
「うっせー早く言え」

久坂の質問に、苛々した様子を隠さない
珍しい生徒会長
それを観察する久保田と黒田
弱みを握りたいらしい

「ヨシヒロさんて?誰っすか?」

プライベート
気にしない久坂

「あーーーーあの遊里の旦那だよ、新庄義弘」
「っへー・・・って、そんな人が来るの?先輩の三者面談?」
「来るね、あの人なら喜んでくる!会議も会社もサボってでも来るね!」

こえーーー!!
とか叫びながら、生徒会長が叫ぶ
だから、今は三者面談
ちなみに、中で遊里がちくってやるとか思っていても本人は知らない
きっと帰ってから、大変な目に合うであろう・・・・

「新庄義弘・・・・これまた・・・・・」
「何?」

黒田の呟きに、久保田が首を傾げる

「高額納税者の上位に食い込む人」
「おーーー金持ちーーー」

小さく手をぱちぱち
で、その音と重なるように
足音が聞こえてくる

「‘+*@#$&%?¥!?」

何言っているかさっぱりである、そんな長身の男がかけて来た
ついでに、久坂を吹っ飛ばして
生徒会長は優雅に避けている(久坂を犠牲に)

「みさきーーーー!!」
「あ、父さん」
「おとう・・・・・・さん??」

黒田に抱きつく外人

「・・・・・・・外人・・・・・・・」

思わず指差して驚く
ちなみに、生徒会長も驚く

「おトウさ〜ん、みつにまどういましたー!」
「道に迷った、だろう?」
「そう、まどわされました!」




「惑わされねーよ」




息子の痛い突っ込みに






嘆く黒田父・・・・・であった・・・・・





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遅くなってスイマセン!!21512キリバンです(大汗)!!
一ヶ月も掛かってしまった・・・・・!
仁科家長女です
仁科 遊里−にしな ゆうり−さんです。お仕事はやり手の弁護士です
結婚して姓が変わるはずが、今の名前の方が知られているのでそのまま名乗っている。
って言うか、仁科家は色々と訳ありです(焦)
書きたいけどまとまらないので、流れています・・・・・

って言うか、遊里さんと言う事でいただいたリクエストですが・・・・
何か意向に沿ってなさすぎですね!
スイマセン!!
如何でしょうか!
こんなんでスイマセン!!!!!