□□□ 七夕企画











七夕パーティーしようぜーーーーー!!

って言う誰からとも分からないメールを受け取ったのが授業終わりの時間
いや、誰とも分からないとか全然ですから
てか、一人しかいませんから
こんなメール送ってくるのが

黒い携帯の画面を見詰めて一つため息、
そんな哀愁漂う俺の背後から

「・・・・・来たようだな・・・・」
「将馬も?」

背後に立ってのは麗しの超絶おっかない風紀委員様
でも取り敢えず貴方も生活乱れてますから

「取り敢えずお前は脳内の声を漏らさないように努力しろ」
「あい・・・・・(涙)」

音速の勢いで飛んできた将馬の拳骨
わ〜い天の川見る前にお星様が俺の目の前を泳いでるー

「戻ってこい七緒」

数十分は無理でした

で所かわって俺っちの聖地、
って言うか癒し系空間
舞いルーム
いやいやいやいや、
舞ってないか
舞なんてしないから!!
MY・ROOM!!
ですからっ

「誰も聞いてないし」
「いや〜ん、諫早様は聞いてらっしゃったじゃないのさー」
「聞きたくないのに耳に飛び込んでくるお前に天誅ー」

可愛らしくニッコリ笑いながら飛んできたのは
手とう
しかも喉に一直線
もうっ可愛い顔して憎いお方!!

「てか・・・・ぐふっ」
「イヤ、七緒・・・・咽るの遅すぎだから!」
「げふっ」

突っ込みたいが為に我慢した俺を褒めてっ
お願いだから褒めてっ

「いや、呆れはすれど褒められるには値しないと思うのよ、俺的には」
「そこは褒めとけよ!!」
「褒められる人生送ってからにしとけ」

痛っ
いたーーーーーい!!
痛いトコ突かれましたーーーーーー!!
酷いや諫早様・・・・・
未だに俺のこと苛めるのをマイブームにしてやがるっ

「うぅん、もーそれはブームじゃない」
「え、じゃ何?」
「貶すのがマイブーム」
「せんせーーい、どこが違うのか俺わかりませ〜〜〜〜ん(泣)」

苛めも貶すもどっちもどっちだと思いま〜〜す
違うんですか〜〜??
どーーー違うんですか〜〜〜〜〜???!?!?

「煩い」
「うわ〜〜〜〜〜〜ん!」

その後、
5分間も泣き続ける俺をさすがにブチ切れた諫早様より、
とびっきり素敵な踵落しを貰いましたとさ!
やったね俺!!

「んなわけあるかーーーーーーーー!!!」

「煩いっ」

またもや所かわって【アルゴ】です、
七夕パーティと称したただのどんちゃん騒ぎ
またもや飛んできた将馬の拳骨
痛いの、
知ってる??
将馬の拳骨ってねすっごくすっごくすっご〜〜〜〜〜く痛いの!

「痛いんですけどーーー!!」
「痛くしてるんだもん当たり前だろうが」

え?何よ、痛くするのが当たり前って何?
そこに優しさはあるの!?
何で【アルゴ】に来て早々に将馬からの拳骨!?
今日は厄日なのかしら!?

「成分の半分は優しさで出来ています、そして拳骨の拳の半分も優しさでできています」
「はい、嘘ーーーー!!」
「嘘じゃないぞ、な?」
「・・・・・・いちゃい・・・・・(涙)」

即効で突っ込んで0.1コンマの速さでもう一発拳骨が落ちてきました
凄いです
目の前にまたもや天の川

「わ〜〜〜い彦星様ーーーーv」
「は〜いラリッてる人の出来上がりでーす」

はーい誰のせいですかーー!?
ったく・・・・
目の前に飛んでいるお星様を振り払ってソファーに座る
今日のパーティの主催者である健ちゃんは短冊をいっぱいつけた笹を振り回して遊んでいます
はい、アレは正しい七夕パーティのやり方なんでしょうか?

「まったくもって見当違いです、真似しちゃいけませんよ七緒」
「・・・・へい」

余りにも楽しそうだったので隣にあった笹に手を伸ばした瞬間の将馬の氷点下の釘刺し
誰がこの声に逆らえただろうか!?
いないっ
誰もいない!
いや・・・・・一人いた

「健ちゃ〜〜〜ん!俺なんて2本回しーーーーーー!!!」

隣でソファーの上に乗って笹を振り回す人物一人、
聖だ
聖しかいない

「・・・・・・・(怒)」
「な、何か冷房ききすぎてないかなー・・・・あはははは(汗)」

いやーーーーーー!!
怖いーーーーーーー!!
助けてお母さ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!

「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃ〜〜〜〜ん!!」

って目の前のテーブルに飛び乗ってきたのは、
紛れもない最強男

「久保田の和泉ちゃんだっよ〜〜〜ん!」
「「「・・・・・・」」」

ちょっと普通にありえないイズ君のハイテンション
ヤダなーー
何か凄く嫌な予感がするんだなーーー(焦)

「呼んだ?ねぇ呼んだよね?呼んだでしょ??」
「「「・・・・・・」」」

テーブルの上で不良座り
にっこり笑ってらっしゃるけど
すっごく、
嫌な予感っ
ご機嫌最高潮でらっしゃるのが余計に怖い!!
将馬なんて何気に目線逸らしてるし!
聖、逃げようとしてるしーーーー!!

「呼んだからには報酬もらちゃうぞ!!」

えへ、
とか可愛く笑ってらっしゃいますがー
あれ・・・・
もしかしてコレって・・・・・

「誰だ・・・・」
「一体誰が・・・・」

聖と将馬の小さな呟き、
え、やっぱりもしかして・・・・・・アレ!??
なんて思った瞬間、

「ちゅうーさせて?」

首を横に倒して可愛くオネダリ

『『『やっぱりだーーーーーーーーーーーーーーー(滝汗)!!!』』』

出たっ出ましたっ
【酔っ払うとキス魔になるんです】バージョンのイズ君ーーーー!!
それがそんじゃそこらの【キス魔】と一緒にしちゃイカンですぞ!
手に負えないどころの話しじゃないですよ!!

思わず固まってテーブルの上に不良座りしているイズ君を凝視する俺たち、
それを値踏みするが如く・・・・・
順々に時間をかけて見詰めてくるイズ君、
ピタっと止まった先は、

「じゃーー取り敢えず、」
「っ!!」
「将馬、いっただきま〜〜〜す」
「ひっぎゃーーーーーーーーーーーーーーー!」

ガバッと覆い被さってきたイズ君の魔の手から紙一重で捕まる将馬
がっちりと押さえ込まれた頭、
将馬の膝の上に全体重を乗っけて逃げないようにしている
青くなって固まるその頬に一度、
小さくチュっと音を立ててキスしたかと思うと・・・・・

アレです、
お子様は見ちゃいけません的なエッロイちゅーーーーが
披露されています

っぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!

ムンクの叫びを実演していたら
その隙に聖が逃げ出していた
その動きに我に返って、
俺も立ち上がると背中を振り返らずに出口まで一直線!

ゴメン将馬!
明日、
明日きっちり拳骨でも説教でも文句言わずに受けるから!
だからっ
君の犠牲は無駄にしないぞーーーーーーーーーーーーー!

鉄の大扉を蹴っ飛ばして開けて、
暗い路地に出る
雨上がりの空に見えるのは
真っ黒の空
星はない
このスモッグの中で星を見れるなんて軌跡に近いと思う
でも雨上がりの所為か
それでも薄っすらとだけ月は見えた

少し歩いて
ビルの合間の空を見上げた
今年は逢えたのかねー?
伝説の織姫と彦星様は
他人の恋なんて俺には関係ないけど、
一年にいっぺんしか逢えないなんて
俺には耐えられない話しだと思う、
って言うか

「無理ね、無理!有り得ない」

何で目の前の先にいるって分かってるのに逢いに行っちゃいけないの?
逢いたい時に逢って
好きな時に側にいて
その人を感じられないと
俺はイヤだ

それが・・・・
例え、

「馬鹿なアイツだって・・・・な、」
「誰が馬鹿だって?」
「うおわっ!!」

有り得ないけど
認めてしまった相手の顔を思い浮かべていたら
耳元で声、
驚いて飛び上がった身体に回ってきた腕、
ぎゅっと抱きしめてきた背後の男、
ふわっと香ってきた嗅ぎなれた香水の混じった体臭

「は、榛原!!」
「おぅ・・・・で、誰が馬鹿だって?」
「え、っつーかお前ドコにいたんだよ!!」
「あー寝てた・・・・・屋上で」
「・・・・・またかよ、」
「うん・・・・・気づいたら真っ暗でビビッた」

つーか起きろよ、
そこまで寝るなよ!!
一応ね、チャイム鳴るんだから気づこうよ!!

「無理かな」
「かな、じゃないですから!!」
「はいはい」

くあ〜〜〜っと、
間抜けな欠伸が耳元で聞こえ、
はふっとついた息が首筋にかかって思わず首を竦めると
榛原がくすっと小さく笑った

「てか、何で外にいんのお前?」
「あーーーいや、今はきっと地獄絵図だから」
「・・・・は?」
「入ったら一環の終わりですから」

終わりって言うか
食われちゃいますから
きっと・・・・・
いや絶対に確実に!!
目に見えてくる残像
ビル一体を覆うように手を広げて待ち構えるイズ君のオーラ

怖っ!!

「・・・・・・何だか知らんが、入らない方が良いと?」
「えぇ・・・・それが一番の選択です」
「ま、いいけど・・・・・で、夢の向こう側からやって来た俺に何かないわけ?」
「は?」

何、その急な話しの飛び方、
ついて行けないんですけど??
てか、
夢の向こう側からやってきた?
いやいや、勝手に逝っちゃってるんですから関係ないでしょうが俺には、
ない訳?って・・・・

「はぁ?」
「お〜い、今日は何の日だよ」
「七夕?」
「そう」
「だから?」
「だから〜〜彦星に例えたとした俺に織姫と例えたお前から再会のちゅーは?」
「っは!?」

ちゅー!?
てか織姫!?
俺が!?

「こんのっ馬鹿ちんがーーーーーー!!」
「いて」

ゴチーーーンっと、後頭部を背後の榛原の鎖骨辺りにぶつける
てか、本来なら顎とか鼻とか・・・・てか顔に当てないとなんの意味も無い攻撃ですけど、
如何せん何て言うか
身長差?っての?
あっちゃってさー・・・・・
ムカツク・・・・・!

思いっきりその腕を振り払って榛原から逃げると
鎖骨辺りをさすって俺を見ていた
全然まったくもって俺の攻撃が効いていないっ
むしろ俺の後頭部が痛いっ

「良いじゃんかよ、減るもんじゃなし」
「減る」
「・・・・お前の唇はキスしたらへっこむのか?」
「いや、むしろ有り難味が減る」
「・・・・・ふーん」

え、何そのふ〜〜んって、
ちょっとヤな感じ!!
そろそろ戻っても自分に被害はないかな、
そう考えて【アルゴ】の扉へと足を向けたら
ぐいっと腕を引かれて

「っ!!」

横に顔を向かされたかと思うと、
深く唇が合わさってきた

「んっ」

口の中を一舐めしてから
名残惜しむ事無くあっさりと離れていく

「挨拶だよ、挨拶」
「な、何のだよっ」

濡れた唇をごしごし拭って
きっと赤くなっているであろう顔で睨み上げると
藍色の瞳が眇められて

一瞬だけドキっと心臓が鳴った

「七緒に逢えて嬉しいよ、って」
「・・・・・・・」
「一年に一回じゃなくて毎日逢えて嬉しいよ、ってね」
「・・・・・・・・・・バーカ、言ってろ」
「おう、遠慮なく」

至近距離で榛原が笑って
もう一回
キスされるんだろうと思ったのに身体が離れて
何だか微妙に残念がってる自分に呆れて
先を歩く榛原を追った


同意なんて口に出してやんねーけどな!






取り敢えず
戻った【アルゴ】の中は屍が転がっていた言うまでもなかっただろう


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2006/07/07の七夕のお話しがこんなんで申し訳ないです、
リハビリで書いてみました
書けるかなーとか思って書いてみて、
少し離れているので
キャラが少し掴めなくて
困った(笑)

読んでくださった方、
ありがとーございました!