■ ゲームを始めましょう、ルール?そんなもの俺が決める







さて、何故ゆえにこんな事態に!?


それはとある休日前のアルゴ
久方ぶりに集まった顔見知り、
その中には、
珍しくイズくんの姿もあって・・・・

「てなワケで、」
「待て!何の前触れもなしに『てなワケ』になるんだ!お前のその言葉にロクな事ねーぞ!?」
「楓、肝がちっせーな〜・・・・一々突っかかってこないで」

ドスっと、
容赦のない鳩尾に重いイッパツ
崩れ折れる楓、

ご、ご愁傷様

思わず出た俺の本音(in心)
で、言った本人はと言うと、
気にした素振りもなく俺たちに笑いかける
隣で志賀が冷や汗流してる

「志賀、異常に焦りすぎ」
「バッカお前っ・・・・・アイツのあの言葉の本当の意味しらねーから言えんだって!」
「はぁ?」

何よ、
その本当の意味って?
別にイズくんが楽しそうだったら別に良くない?

「「「良くない!!」」」

俺の心の声に
周りが声を大に否定してくださった

って言うか、
だから勝手に人の心を読むなってーの・・・・・

思わず不満も込めて周りを睨むが、
如何せん主催者の方に気が行っててある意味シカト状態

「ちょっと・・・・・面白くないんですけど・・・・」

って呟いても無反応

・・・・・・いーーーもんねーーーーー(拗)!
けっけっ

「ナナは高見の見物しててね?」

イジケていたら、
背後からその悪の(?)主催者様が俺に圧し掛かってきて、
そんな事を仰る

「え、俺参加ナシ!?」
「うん、ナシ」
「何で!!」
「何でも、ナナは今回はナシー」
「えぇぇぇっ!」

叫んでブーイング
でもイズくんは笑って取り合ってくんない

何で!?

そんな不満大爆発の目で見つめても笑うしーーー
うぅっ・・・・・その顔に弱いんじゃふー

「情けなっ」
「うっせー聖!!」
「まそこが七緒だっつーことだね、うん・・・・よ、ヘタレ!」
「へっヘタレじゃないやい!!」

将馬の言葉に噛み付くが、
脳天割り拳骨がお見舞いされた

「ボ、ボウリョク・・・・ハンタイっ・・・・・!!」
「これは暴力じゃアリマセン、愛の鞭、もしくは制裁です・・・・そこに愛はあります」
「濃ゆくてふか〜〜〜〜〜い愛がねvv」

将馬の屁理屈と聖のイジメに撃沈

い、いいもんね!!
泣かないモンね!

「「泣いてるし」」
「うっせーーー!!」

そう言い返せば第二段が降って来たのは言うまでもない
そして、
言い渡された神(と書いて主催者と読む)が仰ったのは、

「あっち向いてホイ、しよう!」

だった・・・・・

「俺、ぱ」
「したら・・・・・・ブッ殺す
「・・・・・・」

見てみぬふりと言うか我関せずだった隣の榛原がそう言えば
つかさず神(イズ君)の声
押し黙る榛原

うん、
分かるよ?
泣くな・・・・うん、
志賀も泣くな?

「じゃーまずは、聖と志賀、次は榛原と将馬、でケンと楓ね?」
「え、イズ君は?」
「俺は王者決定戦の最後のボス」
「あー見た目からしtっごふっ!」
「何か言った?」

とか言いながらもう答える状態じゃない志賀、
聞く前から最速の拳がお見舞いされている

く、口は災いの元とは良く言ったもので・・・・!!

沈んでる志賀に冷たい眼差しで持って見下ろす
その姿に思わず戦慄が走る周囲、

「じゃーーー始めよっか!」
「ってーか、コレして何かあんのか?」
「そりは気になるね!!」

榛原がイズ君の合図に口を挟めば、
危うく張り手が飛んできたが避けた
それを冷や汗流しながら目にしてケンちゃんが後を続ける

「そっか・・・・言い忘れてたね」

今思い出しました!
的な発言に第二段を繰り出そうとしていた手を下ろす
ニッコリ笑って

「な〜〜〜んでも、好きなことを命令していいのさ!」
「・・・・・何でも?」
「何でも!」
「好きな、こと?」
「そーー好きなこと!」

イズ君が笑って頷けば、
俄然やる気が出た様子の周囲・・・・

うん、
そう言われちゃヤル気出るよね?
でもさ、
忘れてるようだけど・・・・
ラスボスはイズ君だよ?
勝てないでしょうが、

そんな事を心の中で呟くも、
とある2人には気付くもはずもなく闘志を漲らせた

で、一回戦は『聖VS志賀』
なんともまー勝負の着かない、
永遠と繰り返される
『あいこでしょ』

「あいこでしょ!」
「あいこでしょ!」
「あいこでしょ!」
「あいこでしょ!」
「あいこでしょ!」
「あいこでしょ!」
「あいこでしょ!」
「あいこでしょ!」

十五分経過
まだ一度も『あっちむいてホイ!』
の掛け声は聞いていない
隣で榛原が欠伸をし
健ちゃんは消えて
将馬は本を読み出し
楓はうつらうつらと夢の世界へ
で、
主催者のイズ君はと言うと、
一見は笑ってるように見えて青筋が浮いている

ま、マジギレ5秒前カウントしそうです!

「い、い、い、イズっく・・・!!」

拳を握り締めたのを今振りかざそうとした瞬間、
ついに!!

「あいこでしょ!」

志賀グー、
聖チョキ

「あっちむいてホイ!!」

志賀の指は右へ
聖の顔も右へ

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
「志賀の勝ちー」

どーでもよさ気な気の抜けた声で将馬が締めくくってくれた

うん、
呆気ないと言っちゃー呆気ないが、
うん、
血は見ずにすんだね!!

で二回戦『将馬VS榛原』
本を閉じた将馬が榛原と向き合う
2人の間に火花が散ったように見えた・・・・

「「じゃんけんホイ」」

榛原チョキ
将馬パー

「あっちむいてホイ!」

榛原の指は真上
将馬の顔も真上

「よっわ・・・・・」
「・・・・・・・」

思わず出たイズ君の声に
固まる将馬、

「・・・・・次、行ってみよー」

志賀がそう言って、
固まる将馬をそのままにした
三回戦『楓VS健ちゃん』
しかし、
当の本人達はと言うと・・・・
楓、爆睡中
健ちゃん消えたまま

「・・・・・・・・志賀と榛原でやって」
「「・・・・・・・」」

ちょっとキレ気味のイズ君の声に
慌てて向き合う2人、

「真剣勝負だ」
「テメーには負けねー」
「はっ望むところだ」

何てたかだか『あっちむいてホイの』勝負に大人気ないような、
子供っぽい言い合いに呆れて見ていれば
隣で何がおかしいのか一人肩を震わせて笑って聖、

・・・・・・・聖・・・・・・

未だ固まったままの将馬に悪戯していた

うん、
見なかっと事にしておこう
うん、
鼻から小枝が生えてたなんて、
うん、
アレはきっと将馬じゃないんだ・・・・・

現実逃避してたら、
激闘中の2人、
勝っては指を向けて逸らし
負けては指を向けたられては逸らすを繰り返していた

熱いっ・・・・!!
ウザイくらいに熱いっ・・・・!!

何て思ってたら、
榛原が勝ってて、
高らかに志賀を嘲ってた
で、
悔しそうな志賀

何?
何でそんな熱くなれるわけ!?
意味分かんない!!

「ってー事は、俺VS榛原だね?」
「・・・・・そうなるな、」

やっと自分の出番が来てご機嫌なイズ君、
榛原と向き合う

で、始まったゲーム
で、また始まった『あいこでしょ』の嵐

「二度目のコレはきついね」
「やった本人が言わないでよ」
「失敬」
「てーかそろそろソレ止めないと・・・・・・起きた時に凄い事になると思うよ?」
「気にしない気にしない」

そう言いながら、
聖は口の右端と左端に小枝を差し込んで

「見て見て・・・・・『鬼』vv」
「ぶふっ」

思わず笑ってしまったが、
後が怖いのでどうにか笑うのを我慢した
このまま見続けたら死ぬ
そう思って二人の接線に目を向けた
未だに続く『あいこでしょ』の嵐
向けては外しの嵐
ただいま20分経過
で、異変に気付く
イズ君の眉間に皺と
こめかみに青筋が浮いている

キ、キレソウデスよ!!
いや、寧ろキレてるんじゃありませんか!?

で、
そんな時

「「あいこでしょ!」」

イズくんが勝った!
で指向けた
外れた
次は榛原が勝った!
で指向けた
外れた
また榛原、
外した
次はイズ君が勝った

「あっちむいてホイ!」

外した!
かのように思えたのだが!

ごっ

「ぐはっ!」

イズ君の指が右へ、
榛原の顔が左に向いたのに
その左の方から目にも止まらぬ速さの拳が!!
ぐるりん!
と右へ榛原の顔が

「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」
「俺の勝ちv」
「いや、っちゅーか・・・・それは、反則じゃ・・・・・」

志賀の言葉に、
さも当たり前のように
すっきりさっぱりとした笑みでもって

「俺がゲームを始めたんだ、俺がルールだ」



世にも奇妙で決まった捨て台詞を吐いてくれた






恐るべしっ
クボタイズミ!!